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FD研修会の検索結果

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2024.02.28

教職員対象「令和5年度 FD研修会」を開催しました。

2024年2月27日(火)に本学教職員(非常勤教員含む)対象の「FD研修会」を開催し、59名の教職員の参加がありました。FDとはFaculty Development(ファカルティ デベロップメント)の略で、授業の内容や方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称です。本学では教職員を対象とした「FD研修会」を毎年度開催し、日頃の教育活動を振り返るとともに、今後の取り組みに活かしていくべく研鑽を積む機会としています。     今回のテーマは、「畿央大学におけるアカデミック・ライティングの実践:その現状と課題」と題し、関口洋平先生(本学教育学部准教授)にご講演いただきました。本学では2023年度に「畿央生のためのアカデミック・ライティング入門」を作成し、初年次教育の一部にも取り入れるなど、アカデミック・スキル涵養への取り組みを始めました。   初めに、「アカデミック・スキルが求められている背景とは」「アカデミック・スキルを身につけることの重要性とは」等、本学でこの取り組みを導入するに至った経緯について詳しくご説明いただきました。さらに、導入初年度となる今年度一年間の教育活動の実践とそこから見えてきた学生の課題、そして今後への展開についてもお話しいただきました。   ▼ご講演いただいた関口洋平先生   ご講演後の質疑応答の時間では、多くの教職員から挙手があり、活発な意見交換が行われました。アカデミック・スキル涵養の意義や重要性について、教職員で共通認識を持つことができた良い機会となりました。   ▼質疑応答の様子   今回のお話は本学での取り組みを理解し、今後の学生の教育活動へと活かしていくためにも、大変示唆に富む内容であり、実りの多い時間となりました。 ご講演いただきました関口先生に厚く御礼申し上げます。   【関連記事】 2023年度 教職課程FD研修会を開催しました。 教職員対象「令和4年度 FD研修会」を開催しました。 令和4年度SD研修を実施しました。 令和2年度 遠隔授業説明会(研修会)を開催しました。 平成30年度FD研修会を開催しました。 平成29年度「FD研修会」を開催しました。 教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。 平成27年度FD研修会を開催しました

2023.06.08

2023年度 教職課程FD研修会を開催しました。

2023年6月1日、教職課程FD※研修会を開催し、80名を超える教職員が参加しました。今回は奈良県教育委員会教育長 吉田育弘先生を講師としてお招きし、「今、求められる教員」をテーマにご講話いただきました。   ※教職課程を有する大学が行うFD(ファカルティ・ディベロップメント:教員が授業内容や方法を改善し、向上させるための取り組み)です。       はじめに、今後の県内教員採用予定数と今後の教員に求められるであろうことについてお話がありました。小学校、中学校、高等学校の各校種では、学級数、教員採用数が少子化により右肩下がりである中、特別支援学校の需要は今後も伸び、学級数、教員採用数は大きな変動がない予測であるとのことでした   そして、小学校についてはインクルーシブ教育の充実が、中学校、高等学校についてはすべての教科の教員を各学校に効率的に配置することが重要になってくるとのお話がありました。   続いて、今問題となっている教員の勤務の状況について、「学校における働き方改革推進プラン」についてのご説明がありました。教員が過重な負担なく子どもと向き合う時間を確保し、教育の質の向上を図ることを目的とし、勤務時間の割振りが可能な対象業務の拡大、休日の学校部活動の段階的な地域移行、教育研究所に「メンタルヘルス推進室」を設置する等により、教員をサポートできる体制づくりをすすめておられることが紹介されました。   最後に、これからの教員に求められる資質について、県内学校で実施している「人権を確かめあうアンケート」の回答内容を示され、教員として一番大事なことは「想像力」、すなわち目先の事象だけを見るのではなく、その先のことをイメージして子どもたちと接していく力であるとのお話がありました。       研修を受講した教職員からは、 奈良県教育のリーダーである教育長が、10年先を見据えて考えていることを直接伺うことができ、AIに負けない想像力のある教員を養成していきたいと思いました。 奈良県の教育行政のトップから、奈良県学校教育の現在の状況や求められる教員の姿を伺うことができて、業務内容の参考になりました。 等の感想が寄せられました。 ご講話くださいました吉田先生に、厚く御礼申し上げます。 畿央大学では、「生命への畏敬の念と子どもに対する深い理解と愛情を持ち、専門的な知識と実践力を備えた『タフで元気な教員』を養成する」という目標を掲げています。今後は、本日お話しいただいた「時代が要請する教員像」をもしっかりと認識し、豊かな「想像力」をもち、さまざまな現場で、より高い実践力を発揮できる教員の養成を推し進めてまいります。     【関連記事】 教職員対象「令和4年度 FD研修会」を開催しました。 令和4年度SD研修を実施しました。 令和2年度 遠隔授業説明会(研修会)を開催しました。 平成30年度FD研修会を開催しました。 平成29年度「FD研修会」を開催しました。 教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。 平成27年度FD研修会を開催しました

2023.02.27

教職員対象「令和4年度 FD研修会」を開催しました。

2023年2月21日(火)に本学教職員(非常勤教員含む)対象の「FD研修会」を開催し、43名の参加がありました。FDとはFaculty Development(ファカルティ デベロップメント)の略で、授業の内容や方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称です。     今回のテーマは、「学生の声に耳を傾ける~学生授業評価の理論と実際」と題し、米谷 淳先生(兵庫学習センター客員教授/神戸大学名誉教授)をお迎えし、ご講演いただきました。米谷先生には、2019年度のFD研修会(2020年3月)でも本学へお越しいただく予定で準備を進めていましたが、予想だにしなかった新型コロナウイルス感染症の発生により、急遽中止となりました。今回のFD研修会の講師依頼においても快諾いただき、3年の月日を経てようやく本学でのご講演を実現することができました。   ▼ご講演いただいた米谷淳先生     今回のテーマでもある「学生の声に耳を傾ける」ということに関して、 ●対人コミュニケーションの基本は、まず相手(授業の場合は学生)の声を聞くことから始まる。 ●特に、自分が相手に送ったメッセージに対する相手からの送り返しをしっかり受け止めることが大切。 ●学生の声を生かすためには、事後対応としてのフィードバックではなく、事前準備としてのフィードフォワードができるようになることで、授業がより良いものになっていく。   と、米谷先生のご専門である社会心理学の視点も踏まえながら、分かりやすい言葉でお話いただきました。 本学では毎学期末、学生の皆さんに授業アンケートへの協力をお願いしています。そこで寄せられる皆さんの真摯な声にどのように向き合い、どう生かしていくかをより深く考える貴重な機会になりました。     これまで大学教育や看護教育、保育士養成等、様々な分野の研究をされてこられたご経験に基づくお話は、実学教育を実践し学生を育てていく本学にとって、大変学びや気づきの多い研修会となりました。 ご講演いただきました米谷先生に厚く御礼申し上げます。   【関連記事】 令和4年度SD研修を実施しました。 令和2年度 遠隔授業説明会(研修会)を開催しました。 平成30年度FD研修会を開催しました。 平成29年度「FD研修会」を開催しました。 教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。 平成27年度FD研修会を開催しました

2022.03.07

FD活動

学生の学びを総合的に支援するFD活動を展開 畿央大学は、教育力向上のためのあらゆる活動を広い意味でのFD(ファカルティ・デベロップメント)活動ととらえており、学生の学びを総合的に支援しています。 たとえば、毎学期全開講科目を対象にした「学生の授業評価アンケート」およびそれを生かした教員の授業改善、授業公開、研究授業、授業研究会、FD研修会などを行っています。 またビデオ教材開発や遠隔教育システムの整備、地域連携による教育システム(インターンシップや授業での地域連携)の開発など、教育力向上のための環境整備にも積極的に取り組んでいます。 畿央大学の「授業アンケート」について 畿央大学では開設された平成15年度から毎学期「学生による授業アンケート」を実施しています。 対象は非常勤講師を含む全教員が担当するすべての開講科目(卒業論文・卒業研究、校外実習等を除く)で、その結果は担当教員にフィードバックし、それを基にした教員による「授業改善アンケート」も実施しています。この授業アンケートは、マークシート用紙による選択回答方式(一部記述回答を含む)で、授業の後半の時期に実施し、担当教員はその結果を反映したコメントを授業中に学生に伝達することになっています。 授業アンケートの質問項目や実施方法については、全学組織である「教育推進室」で協議し、たえず改善が行われています。学生による授業アンケート結果、教員の授業改善アンケート結果については教育推進室の授業改善専門部会、各学科・研究科において分析が行われ、FD活動をはじめとする教育力向上のための一連の活動に生かされています。 NEWS FD+(FD活動紹介) 2023年4月号 2022年4月号 2021年4月号 2020年4月号 2019年4月号 2018年4月号 2017年4月号 2016年4月号 2015年4月号 2014年5月号 2013年4月号 2011年8月号 2011年3月号 2010年12月号 2010年9月号

2022.03.07

教職課程

教員養成の目標及びその目標達成のための計画 畿央大学の教員養成がめざすもの 教員養成に係る組織及び教員数、各教員が有する学位・業績並びに担当する授業科目 教職課程科目を担当する専任教員一覧 教員養成に係る授業科目ごとの方法・内容・年間計画 シラバス(2023年度) 卒業者の教員免許状取得状況 卒業者の教員免許状取得状況(平成30年度~令和4年度) 卒業者の教員への就職状況 卒業者の教員への就職状況(平成30年度~令和4年度) 教員養成に係る教育の資質向上に関する取り組み 教採・公務員対策室 2023年度 教職課程FD研修会 教職課程自己点検評価報告書 令和4年度教職課程自己点検評価報告書 [資料Ⅰ-1]畿央大学の教員養成がめざすもの [資料Ⅰ-2]教職課程科目を担当する専任教員一覧 [資料Ⅰ-3]学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー) [資料Ⅰ-4]教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) [資料Ⅰ-5]教職課程ハンドブック2022 [資料Ⅱ-1]教務委員会規程 [資料Ⅱ-2]ボランティアセンター規程 [資料Ⅱ-3]教採・公務員対策室規程 [資料Ⅱ-4-1]2021(令和3)年度授業アンケート総括表(前期) [資料Ⅱ-4-2]2021(令和3)年度授業アンケート総括表(後期) [資料Ⅱ-5]2021(令和3)年度卒業時アンケート回答集計結果 [資料Ⅱ-6]入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー) [資料Ⅱ-7]2022(令和4)年度教員採用試験・公立幼保採用試験対策計画 [資料Ⅱ-8]教員採用試験合格率推移 [資料Ⅱ-9]2022(令和4)年度3月卒業生の進路先 [資料Ⅱ-10]教育課程表 [資料Ⅱ-11]シラバス [資料Ⅱ-12]マミポコ・キッズ [資料Ⅱ-13]マミポコ・親子ひろば   令和4年度教職課程自己点検評価報告書完了証

2020.09.15

令和2年度 遠隔授業説明会(研修会)を開催しました。

9/9(水)と9/10(木)16:00からKB04講義室にて「遠隔授業説明会」が開催されました。非常勤の先生方を含む教員・職員を対象に、学生支援センター・教育学習基盤センターが共催で企画し、今年度のFD研修会も兼ねる形での開催となり、2日間で約90名の教職員が参加しました。     本学では4月以降、対面での対応が不可欠な授業を除いて遠隔授業を実施してきました。後期の授業は「科目の性質等に応じて対面授業と遠隔授業を併用する新たな授業運営形態(ハイブリット型)をとる」こととなり、本学で活用しているOpenCEAS(授業支援型ラーニングシステム)の使用方法を改めて確認することや、遠隔授業に使えるツールの紹介、その他様々な遠隔授業に関する情報共有を行いました。特に学生の皆さんから寄せられた声に全員が耳を傾け、教員の苦労や工夫、成功例を共有することで、後期からの遠隔授業をより円滑に進めていくことを目的としました。     第1部では、前期末に学生の皆さんにお願いした「遠隔授業アンケート」についての紹介がありました。このアンケートは前期の遠隔授業について振り返りを行い、実態を把握するとともに、後期に向けた改善点や課題を見出すことを目的にしたものです。まず、前平泰志先生(教育学部長兼 教務委員長)より総評があり、その後、学生アンケートの結果を全員で共有しました。このアンケートの回答総数は934件、回答率は42.7%でした。web試験や最終レポート提出と重なる時期の実施であったにもかかわらず、多くの回答を得ることができました。以下はその一部です。     遠隔授業の受講については、「快適とまではいえないが、大きなストレスを感じることはない」が46.8%ともっとも多く、「特にストレスを感じることはなく、快適である」と合わせると6割近い皆さんが概ね順調に学修を進めているようです。一方、残り4割の皆さんは何かしらのストレスを抱えていることになり、今後の課題として真摯に受け止めるべきであると確認しました。     遠隔授業は「課題提示型」「オンデマンド型」「双方向型」の大きく3つに分けられますが、今回のアンケートで最も支持を集めたのは自分のタイミングで自由に視聴できる「オンデマンド型」で、課題提示型と双方向型はほぼ同数という結果になりました。その他、対面授業よりも質問がしづらいと感じた学生が半数にのぼること、フィードバックの有無が満足度に影響していることなどを共有しました。 ご協力いただいた学生の皆さん、本当にありがとうございました。今後の授業実施にあたって、大変参考になるものでした。アンケートのまとめについては学内メールで配信していますので、ご確認ください。     また、福森貢先生(健康科学部 理学療法学科 教授兼 教育学習基盤センター長)よりOpenCEAS機能の新たな改良点についての説明と、Microsoft365やZoomといったツールや便利な機能の紹介がありました。   第2部では、前期に実施された遠隔授業の中で、評価が高かった授業の事例報告がありました。今回紹介されたのは、大久保賢一先生(教育学部 現代教育学科 准教授)が担当されました「特別支援教育入門B」です。授業で実際に使用された音声画像つきのパワーポイント動画を提供いただいて視聴しました。多くの先生が遠隔授業は初めての経験で、前期は試行錯誤の日々でしたが、普段目にしない他の先生の授業は後期に向けて大変参考になったようです。   ▼説明会は録画して、全教職員で後日共有できるように     最後に、参加した教員間で、遠隔授業の経験談や、遠隔授業に関する疑問点などについて様々な意見・情報交換が行われました。予定した時間を超えてご相談される先生方もいらっしゃいました。学生の皆さんの声を真摯に受け止めるとともに、後期の遠隔授業運営にむけて、貴重な意見交換の場となりました。     9月現在、新規感染者数の推移は一時に比べると少し落ち着いているようです。大学としても、少しずつ対面授業を増やしていく予定ですが、感染リスクを無視して楽観視しすぎることはできません。遠隔授業は通常の授業と比較すると失われるものはあると思います。しかし“元に戻るまでの我慢”と悪いところだけに目を向けるのでなく、遠隔授業の新しい可能性を最大限まで高める努力を行い、対面授業とのバランスをとりながらこれからの授業を進める予定です。今後もこのような研修会が開催できればと思います。学生の皆さん、先生方にはご苦労、ご不便をおかけしますが、ご協力をよろしくお願いします。

2019.01.04

教育・教授活動に関する自主学習会を行いました~看護医療学科教員レポート

平成30年12月25日(火)行われた全学FD研修会に引き続き、14:40から16:00まで、K204ゼミ室において教育・教授活動に関する自主学習会を開催しました。 助言者として、鈴木克明先生(熊本大学教授システム学研究センター長・大学院教授システム学専攻長)をお招きしました。 参加者は、看護医療学科、健康栄養学科、人間環境デザイン学科、現代教育学科の教員など15名が参加し、日々の教授活動に対する質問や授業や演習設計など教育上の悩みなどフリートークの機会としました。鈴木先生からはまさに「目からうろこ」といった斬新的なアドバイスを頂き大変、有意義な時間を過ごしました。     鈴木先生が何度も強調されたことは「基礎から教えるのではなく、応用から学修して基礎にもどる」ことの意義でした。従来の看護医療学科のカリキュラムでは、1回生は「人体の構造と機能」など専門基礎科目と「基礎看護学」を中心にカリキュラムが組まれています。その後、2回生で専門基礎科目の「疾病の成り立ちと回復の促進」で病態や治療などについて学び、専門科目である「成人看護学・母子看護学・老年看護学・精神看護学・地域看護学」の対象論で概論的なことを学びます。更に2回生の後期から3回生の前期にかけて援助論でそれぞれの対象に対する援助の実際を学び、3回生の後期から臨地実習の中で今まで学んできたことを統合し、実践に役立つ知識と技術を身に付けます。しかし高校を卒業したばかりの1回生にとって、最初に学ぶ専門基礎科目は医学用語ばかりで難しく、またその知識が看護にどのように結びつくかイメージし難いため面白みに欠けます。 鈴木先生のご提案は、2回生・3回生で学ぶ各領域の看護学を1回生で学びます。その際、1人の模擬患者の事例を提示して、病態や治療など自分達で調べるようにしておきます。すると、学生は自ら学び、知識が深まるというものです。その後に専門基礎科目を学修すると、一度自分で調べた医学用語なので理解しやすく、知識の定着が容易にできるということです。 更に、講義についても、「教員がかみ砕いて説明している間では学生は自ら学習しない。毎回小テストを先に行い、自分で調べるようにすると理解が進み、学習したことも忘れないし国家試験対策にもつながる」、また演習科目については、「小テストの代わりにパフォーマンス課題を実施することも効果的である」との助言をいただきました。   演習や実習などにおいて、少し先に体験した学生(先輩が後輩に)にその内容を説明すると、説明を受けた側(後輩)、説明した側(先輩)ともに学びが深まる『ピアチューター』が効果的という報告もありました。このことは、本学の健康支援学生チームTASKが実践している方法であり、認知症カフェや学外ボランティア活動などのフィールドワークにおいても、活用できる教授方法だと考えました。   今回の自主学習会を通して、学生を惹き付ける魅力的な授業について深く考える機会となりました。また、学生の学びが深まるように、授業に対して様々な工夫を凝らし、日々悩み模索しながら学生に関わっている教員の皆様に感銘を受けました。 今回の学びを今後の糧として自己研鑽していきます。   看護医療学科助手 島岡昌代 ●畿央大学FD研修会についての記事はコチラ!

2018.12.26

平成30年度FD研修会を開催しました。

12月25日(火)13:00から、P202講義室にて、教育推進室主催「2018年度 教員FD研修会」が開催されました。 FDとはFaculty Development(ファカルティ デベロップメント)の略で、教員が授業の内容や方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称です。     今年の研修会のテーマは、よりよい授業を設計するために必要なインストラクショナルデザイン(Instructional Design: ID)について学ぶことです。そこで、熊本大学教授システム学研究センター長・大学院教授システム学専攻長の鈴木克明先生においでいただき、「学生の学びを助ける授業をデザインする」と題してご講演いただきました。   ▼ご講演いただいた鈴木克明先生   研修会は、向後千春先生(早稲田大学人間科学学術院教授)が提唱されたマイクロフォーマット形式に沿って、「レクチャー→グループ内の対話→全体シェア」の流れを繰り返すかたちで進められました。はじめに、IDとは何かについて鈴木先生からレクチャーがありました。鈴木先生がおっしゃるには、IDとは教育のお悩みを解決する道具であるとのことです。学生が一生懸命学びたくなるような授業を作りたい、そのためにこれまでの自分の教え方を変えたいと思った時に役立つのがIDであり、大学教員が共有すべき、いわば教育に関する共通言語に相当するのがIDであるとのことでした。     その後、鈴木先生から参加者に対し、「1)大学は講義と定期試験を続行すべきか否か」、「2)DP・CP・APの公表でカリキュラムが見直されたか」、「3)基礎からの積み上げ方式という非効率的・惰性は払拭できるか否か」という刺激的な命題が提示され、これらに対するグループディスカッションをはさみつつ講演は進んでいきました。     1)大学は講義と定期試験を続行すべきか否か 大学の授業を学生にとってより魅力的なものへと変えていくためには何が必要か。この問いに対し、鈴木先生は講義と定期試験の2つをやめることであると指摘されました。鈴木先生はご自身の授業において、指定したテキスト(初期はプリント)を学生に事前に予習して来るよう指示し、毎回授業の冒頭に予習範囲に関する確認テストを実施されているそうです。テキストがあるならば、わざわざその内容について授業中に説明するのはナンセンスであり、授業の時間は学生一人ではできない学びを経験させることに使うべきとのことでした。ただし、テキストを事前に読んで来るよう学生に指示するだけでは当然うまくいかないので、きちんと読んで来させるための工夫として毎回の確認テストをおこなっているとのことでした。授業をこのかたちにしてから学生はよく学ぶようになり、寝ている学生もいなくなったとのことです。   2)DP・CP・APの公表でカリキュラムが見直されたか 学生の実力(知識・スキル・態度)には、入口(入学時)の状態と出口(卒業時)の状態の間にギャップがあります。このギャップを埋めることこそが学生の成長プロセスであり、それを支援することが大学教育の役割であると鈴木先生はおっしゃいます。また、卒業生に身に着けさせる実力は、学問分野を参照基準として決めるのではなく、業界標準や就職先の卒業生への満足度、同窓生の追跡調査による有用度や新たなニーズを参照基準として決めるべきであるとのご指摘でした。入学時の実力と卒業時の実力のギャップを埋めていくために存在しているのがカリキュラムなので、カリキュラムを編成するにあたっては学生をスタート地点からゴールまでどう導くのかを考える必要があります。そのためには、各教員が担当する科目の責任範囲について話し合い、自分の担当科目の前後にどのような科目があるのか、自分の担当科目の役割はどこからどこまでなのかをしっかりと理解する作業が不可欠とのことでした。   3)基礎からの積み上げ方式という非効率的・惰性は払拭できるか否か これまで大学のカリキュラムは「基礎から応用へ」というかたちで編成されるのが一般的でした。しかし鈴木先生は、最初に学生に伝えるべきことは「大学で学ぶことで、自分がどんな人間になることができるのか」という具体的イメージであり、そのためにはまず応用から入るカリキュラムが必要であるとのご指摘でした。たとえば鈴木先生は、学生がある企業の新入社員になったという状況を可能な限りリアルに設定し、次々と降り注ぐ上司の指示に対処するためにどのような知識・スキルが必要かを考えさせ、それらの知識・スキルを各科目において獲得することで、課題をクリアしていくというストーリー仕立ての学びを実践されているとのことでした。大学で学ぶ知識・スキルがどういうところでどのように役に立つのかを学生自身にリアルに実感させてこそ、学生は具体的なビジョンを持って主体的に学ぶことができるのであり、失敗の過程で自らに基礎的な知識・スキルが不足していると認識すれば、学生は自ら進んで基礎的な知識・スキルを学ぼうとするとのことでした。     これからの大学教育にとって重要なのは、学生の実力の入口と出口のギャップを効果的・効率的かつ魅力的に埋めて、教員が教えるのではなく学生が学ぶ仕組みを作ることであると鈴木先生は述べられていました。そのためには今まで漫然と続けてきた教育について一度立ち止まって再検討したり、自分の大学について学生の学習環境としてどうなのかという視点から見直したりする必要があるとのことです。また、何より大事なのは学生を自分で学べる人に育てることであり、そのためには学び方を学ばせる必要があり、学生に実際にやらせてみて自分は何ができて何ができないかを認識させる(Learning by doing, Learning by mistaking)ような学びのあり方が重要になってくるとのご指摘でした。     会場からしばしばどよめきが起こるなど、鈴木先生のお話には私たちの固定観念を根底から揺さぶるような内容が数多く含まれていました。学生の学びを助け、より魅力ある大学を作っていくために私たちはどう変わっていくべきなのか、深く考えさせられる研修会となりました。ご講演いただきました鈴木先生に厚く御礼申し上げます。   【関連記事】 平成29年度「FD研修会」を開催しました。 教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。 平成27年度FD研修会を開催しました。

2017.07.07

平成29年度「FD研修会」を開催しました。

7月7日(木)16:20からP棟203講義室において、教員対象の「FD研修会」が開催されました。 FDとはFaculty Development(ファカルティ デベロップメント)の略で、教員が授業の内容や方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称です。      今回のテーマは「公正な試験実施に向けて―共通理解の促進と防止策の共有―」でした。 試験は授業を通して得られた知識や考え方の定着度、到達度を知る大切な機会ですから、つねに公正に実施できるよう教員側も学生側も努めなければいけません。カンニングなどの不正行為は、そうした試験の公平性を阻害し、失わせる重大なルール違反です。 本学ではそうした事例は決して多くありませんが、「どうすれば不正行為を未然に防ぐことができるか」「そもそもなぜ不正行為に走ってしまうのか」といった問題を今回は取り上げました。 参加した教員は50名。全員が事前に配付された資料を読み込んで研修に臨みます(「事前学修」が大切なことは授業等で先生方も学生の皆さんにお伝えしているとおりですね)。 当日は10班に分かれてグループワーク。公正な試験実施によって正しい評価を行うために自分たちができることは何か?という課題について、真剣に議論を戦わせました。     その後は各班の意見発表。不正行為は決していい加減で不真面目な学生だけが行うわけではなく、むしろ真面目な性格ゆえにこそであったり、あるいは切羽詰まった状況に置かれていたがゆえであったりといったケースも少なくありません。しかし、だからといって不正行為を行っていたのでは結局、自身の到達度を正しく知ることができないばかりでなく、足りない箇所についての適切なフォローを受ける機会さえ失ってしまいます。ルールを守るという最低限のモラル、意識はもちろんですが、安易な方法に走ることによって結果的に学生自身が不利益をこうむってしまうことに気づいてもらうことが大切なのでは?といった意見が交わされました。     皆さんの貴重な「学び」の機会を不正行為という残念な形で損なってしまわないよう、教員側も真摯に向き合う必要性を改めて確認し合いました。受ける側も受けさせる側も「フェアプレー」の精神で試験に臨みたいものですね。 (なお、当日の発表に用いた資料は教員全員で共有し、研修後の「事後学修」に役立てられるようになっています)。   【関連記事】 全教職員対象「FD・SD研修会」を開催しました。 教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。

2017.02.23

教職員対象「平成28年度FD研修会」を開催しました。

2月23日(木)13:00からP棟301講義室で「平成28年度FD研修会」が開催され、教職員70名(教員52名/職員18名)の参加がありました。FDとはFaculty Development(ファカルティ デベロップメント)の略で、授業の内容や方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称です。     今回は系列校の関西中高等学校で教頭をつとめておられる金沢 良一先生を講師にお迎えし、「いま畿央大学に入学してくる学生は、どのような学習履歴を経てきているのか」というテーマで講演を行っていただきました。 予備校や高等学校、大学等で豊富な教育経験をお持ちの金沢先生から、昨今の社会的な背景などを踏まえた「いまの学生たちが置かれている状況や特質」を紹介していただき、それらを汲み取ったうえでひとりひとりの持っている力を最大限に引き出すためにはどういったことに気を付けながら授業を行えばよいか、どのように学生たちに自信ややる気を持たせ、積極的な「学び」へ導くことができるか、について数々の示唆に富んだご意見を頂戴しました。     時代によって変化する学生の気質や特徴を正しく理解することは、よりよい授業づくりの一助となるに違いありません。そういった意味において大変有益な機会が得られたものと思います。