photo01 2008年4月の看護医療学科開設を記念して、「第2回 畿央大学高校生エッセイコンテスト」を開催しました。本コンテストでは畿央大学のキーワードであり、自分自身や家族、そして社会の将来にとって大きな意味を持つ「健康」と「教育」に関する6つのテーマについて、高校生のみなさんの思いを形に変えるエッセイを募集しました。  2回目となる今回は、全国から昨年を大きく上回る多数の作品が寄せられました。応募総数1,004作品の中から、審査の結果入賞13作品と、学校特別賞2校を決定しました。多数のご応募、誠にありがとうございました。
   

 入賞者発表

テーマ タイトル 受賞者 高校名・学年
最優秀賞 1 祖母の生き方 小原 拓真 クラーク記念国際高等学校3年
優秀賞 4 祖母の梅干し 白井 愛子 大阪府立千里高等学校3年
優秀賞 1 預かった命 服部 真子 三重高等学校3年
優秀賞 2 時間の重み 村上 友梨奈 奈良県立西の京高等学校3年
優秀賞 4 幸せをつなぐ 本薗 佳奈 大阪府立千里高等学校3年
優秀賞 1 命って…。 横山 千桃 樟蔭高等学校3年
佳作 2 十五年生きているもーふのはなし 荒堀 みのり 京都府立嵯峨野高等学校1年
佳作 6 人との出会い 上坂 裕子 加藤学園暁秀高等学校2年
佳作 6 温もりが拓く未来 小林 里美 富山県立魚津高等学校3年
佳作 6 「いただきます」を言える人に 坂本 真衣 青森県立弘前高等学校2年
佳作 1 タイの子供達 藤井 彩加 鈴峯女子高等学校3年
佳作 6 運命の看護師をめざして 吉村 実紗 育英西高等学校3年
佳作 4 あの頃の味 米村 萌心 奈良育英高等学校3年

(優秀賞・佳作は五十音順)

学校特別賞
大阪府立千里高等学校  大阪府立八尾翠翔高等学校 (応募点数が多く、かつ1次・2次審査を通過した作品が多かった学校を選出しました)  
最優秀作品
「祖母の生き方」 小原 拓真(北海道クラーク記念国際高等学校3年) 僕達の日常の中で、命の重さを実感する機会はあまりない。日々のテレビや新聞で命の重さが報じられても、新たなニュースでどんどん流されていき、結局は分かったつもりになっているだけのように思う。又最近は、がん患者さんによる闘病記等から、より主観的に命の重さを考える機会が与えられている。しかし、祖母ががんを患うまでは、やはり僕は命の重さを身近な事として考えた事はなかった。 祖母は今、肝門部胆管癌という、いわゆるやっかいな場所にできたがんと闘っている。手術、粒子線治療と可能な限り治療に挑み、数ヶ月の入院期間を経て自宅に戻った。そして次に祖母は抗がん剤治療をするか否かの選択をせまられていた。家族なら当然その治療も受けてほしいと思っていたが、祖母は副作用を懸念してまだ返事をしていないらしい。僕は検査のために数日間入院した祖母を見舞った。折しも神戸の花火大会の日で、照明を消した病室で僕は祖母と花火を見ていた。 暗い病室の中に祖母の明るい声が響いた。「花火のような人生もいいわね」常々枯れるように死にたいと言っていた祖母の、思いがけない言葉だった。とっさに返事はできなかったが、祖母が抗がん剤治療を断るだろうと僕は悟った。 命は長さか質か、と問われたら何と答えるべきだろうか。もし、自分でそれを選択しなければいけないとしたら、と祖母の立場になって考えてみた。なくしそうになって、初めて僕は命の重さを感じた。

数日後、祖母から抗がん剤治療は断ったと連絡がきた。花火のような人生を選んだ祖母は、今一日一日を忙しそうに大切に過ごしている。そんな生き生きした祖母を見ていると、祖母が選んだのは花火のような儚い死に方ではなく、最後まで大輪の花火のように輝き続ける生き方なんだと思った。

テーマ
  • 1、「いのちの重さ」
いのちの重さはみんな同じ。軽く扱ってよいいのちなどありません。あなたが感じたいのちの重さや、いのちの重さを感じる瞬間を、エッセイで表現してください。
  • 2、「わたしの一番大切なもの」
    人にはそれぞれ大切に思うものがあるはず。もの、ひと、こころなど、あなたの一番大切なものを伝えてください。
  • 3、「こんな先生に私はなりたい」
    学校、幼稚園、保育園などの先生をめざすあなた。あなたがめざす理想の先生像について聞かせてください。
  • 4、「おいしい記憶」
    誰でも一つや二つは覚えのあるおいしい記憶。あなたにとって思いで深い、忘れられない味を教えてください。
  • 5、「気になるデザイン」
    あなたの身のまわりや街中、旅先などでみかけたちょっと気になるデザイン。ユニークなもの、不便なもの、ユニバーサルデザインなどなんでも結構です。
  • 6、「自由テーマ」
    「健康」または「教育」に関するエッセイならどんなテーマでも構いません。あなたの思いをエッセイに託してください。