畿央大学の教育・研究・キャンパスライフをリアルタイム配信!

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教育学研究科

2017年8月3日(木)

教育学部の古川恵美准教授は東日本大震災以降、継続して宮城県の気仙沼で活動されています。

「気仙沼で学生がボランティアできる活動がある」と古川先生から聞いて、古川ゼミ4回生の竹内さやか、児玉歩美、宮尾春花、辻本真理奈の4人で、6月8日(木)~10日(土)まで3日間、ボランティアで気仙沼を訪問しました。多くのことを学ぶ機会をいただいたので報告させていただきます。

 

気仙沼ブログアップ1

 

1日目、仙台駅から高速バスを利用して気仙沼駅へ到着したとき、新しく綺麗な駅や街の様子を見て「ああ、復興は進んでいるんだ」と感じました。しかし電車の線路が震災によって被害を受けたため、現在は仮復旧として列車の代わりにBRT(Bus Rapid Transitの略語)というバスが運行していることを聞き、震災による被害の大きさや、復興には長い時間がかかるんだと感じました。

 

また、タクシーの運転手さんに大川付近を案内して頂いたのですが、この辺りは建物がほとんどなく、かさ上げ工事が行われている様子に唖然としました。このとき、まだ復興途中であることや今もなお仮設住宅で暮らしている人がいること、津波の被害を受けた学校の生徒は仮設校舎で学校生活を送っていることを、決して忘れてはならないと強く思いました。

 

気仙沼でよく目にするのが『東日本大震災,津波浸水深ここまで』という目印です。「こんなところまで津波が来たんだ。」と声に出してはいるものの、建物の二階を飲み込むような津波の恐ろしさに、実感が伴いませんでした。

気仙沼ブログアップ2

 

被災された方々が「津波を見て、何が起きているのか、実際に起こっていることなのか分からなかった。」とお話をされていましたが、まさに“ありえない光景”であったことを想像させられました。また、地震や津波の恐怖は、実際に被災された方々にしか分からないものだと思いました。

 

「何か起きたときのための備えをしておくことが大切だ」

 

これは、きっと誰もが聞いたことがある言葉ですが、分かってはいても「自分には関係ないだろう。」という気持ちからか、日頃から備えが出来ていない人もいると思います。気仙沼向洋高等学校の先生方から多くのことを教わりました。誰もが日頃から、少し気を付けておけば出来る「携帯電話を充電しておく」「ガソリンが1/4を切る前に給油をしておく」など、私にとって、普段の生活を見直す良い機会でした。

 

最終日に訪れたリアス・アーク美術館では、東日本大震災に関する展示が行われています。気仙沼向洋高等学校の畠山先生が、一枚一枚の写真について当時を振り返りながら、そのときの状況や思いをお話ししてくださいました。実際に見た津波の恐ろしさ、高校の屋上で死を覚悟したこと、ぐちゃぐちゃになった建物や車、臭い等、写真を見るだけでは想像できないことや思いを知ることができました。

 

気仙沼ブログアップ3

 

自然を甘く見ないこと、少しの油断が生死を分けること等を、実際に被災地を訪れることで以前より強く思うようになりました。また、被災地の学校にスクールカウンセラーが派遣されていること、養護教諭の加配措置がなされていることから、子どもの心身の健康を支えることの重要性を身に沁みて感じました。災害発生時の子どもの心のケア、子どもや教職員の心身の安全の確保、養護教諭とスクールカウンセラーの連携など、時間が足らず、学べなかったこともたくさんあります。今回の3日間のボランティアで終えるのではなく、また気仙沼を訪れて学びたいと思います。

 

現代教育学科4回生 竹内さやか、児玉歩美、宮尾春花、辻本真理奈

【関連記事】

気仙沼でのボランティアレポートvol.1

気仙沼でのボランティアレポートvol.2

気仙沼でのボランティアレポートvol.3

気仙沼でのボランティアレポートvol.4

2017年8月2日(水)

近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。

 

7月25日(火)に今年度6回目のマミポコ親子ひろばを開催し、以下の内容で交流を楽しみました。

 

〇自由遊び

〇絵本「いいこいいこ」「だるまさんと」

〇ふれあい遊び「ばすごっこ」

 

今回は2組の親子、どちらも姉弟、姉妹で参加してくださいました。自由遊びでは、おままごとをしたり、柔らかいボールを投げて遊んだりしていました。また、今回は異年齢の関わりもありました。少しずつ活動をしていく中で、お互いに関心を示す行動が増えてきたように思います。

 

マミポコ親子ブログ最終画像

 

絵本は「いいこいいこ」と「だるまさんと」の2冊を読みました。「いいこいいこ」では、お母さんに頭をなでてもらい、恥ずかしがりながらも嬉しそうにしている子どもたちの姿を見ることができました。また、「だるまさんと」は、だるまさんシリーズを好きな子どもが多く、楽しんでいただけたように思います。

 

前期は今回の活動でおしまいです。後期にまた参加していただく際、子どもたちの成長を楽しみにしております。ありがとうございました!

 

後期の1回目の活動は、10月10日(火)に和室で行います。ご参加お待ちしております!

なお、今年度は定員にまだ余裕がありますので新規のご参加受付しております。

 

●お申し込みはコチラから!

 

現代教育学科3回生 田地野佳奈

【関連記事】

2017年度「マミポコ親子ひろば」第5回活動報告!

2017年度「マミポコ親子ひろば」第4回活動報告!

2017年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!

2016年6月23日(木)

障害児教育実践研究会夏季研究 (2) (002)

 

障害児教育実践研究会夏季研究大会を下記のように開催します。

障害児教育にかかわる多くの皆さんとともに、実践課題を語り合いたいと考えています。

会場は奈良県奈良市の「かんぽの宿奈良」で、平城宮跡の西側に位置しています。
「大和は国のまほろば」といわれる奈良の魅力を存分に味わっていただくとともに、充実した研究大会にしていきたいと思います。多くの方のご参加をお待ちしています。

 

 日時  平成28年8月20日(土)13時~21日(日)正午
 会場  かんぽの宿奈良 TEL:0742-33-2351    ※駐車場は要予約
 会費  宿泊の方 1泊2食 ¥18000(会員には研究会より1000円補助)
 学生 ¥14000
 申込・連絡先  平成28年度夏合宿事務局 渡邉健治(畿央大学教育学部)
 渡邉携帯:090-6494-3561 メールアドレス:kjwata2437@msn.com

 

【2016年度障害児教育実践研究会夏季研究大会日程】

8/20(土)

 12:30  受付開始
 13:00  開会式
 13:05~14:25(80分) シンポジウム1 特別支援学級教育の実践
コーディネーター 高橋浩平(東京都杉並区立杉並第4小学校長)
座長 高橋浩平
報告1.荒井久恵(東京都文京区立柳町小学校)
報告2. 塚田倫子(東京都世田谷区立祖師谷小学校)
指定討論 鶴田菜穂子(東京都府中けあき学園教諭)
廣内絵美(京都教育大学附属特別支援学校教諭)
 14:30~15:50(80分) シンポジウム2 インクルーシブ教育の推進
コーディネーター 丹羽登(関西学院大学教授)
座長 奥住秀之(東京学芸大学准教授)
報告1.丹羽登
報告2.半澤嘉博(東京家政大学教授)
報告3.石坂光敏(東京都日野市東光寺小学校教諭)
指定討論 中西郁(都立北特別支援学校長)
田中謙(山梨県立大学専任講師)
 15:55~17:25(80分) シンポジウム3 「知的障害教育における学力問題Ⅲ」
コーディネーター 渡邉健治(畿央大学教授)
座長 岩井雄(十文字学園女子大学教授)
報告1.渡邉健治
報告2.日高浩一(都立水元特別支援学校主幹教諭)
報告3.明官 茂(国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員)
指定討論 蓮香美園(東京学芸大学附属特別支援学校主任教諭)
大鹿綾(筑波技術大学講師)
 17:30~18:30(60分)  ポスター発表
 18:30~19:30  夕食
 19:30~20:30  入浴
 20:40~  懇親会

 

8/21(日)

 8:50  受付開始
 9:00~10:20(80分) シンポジウム4 各自治体における特別支援教育の現状と課題
コーディネーター 金澤貴之(群馬大学教授)
座長 金澤貴之
報告1.相沢雅文(京都教育大学教授)
京都について
報告2.金澤貴之
群馬県について
報告3.小林徹(郡山女子大学短期大学部准教授)
 10:35~11:55(80分) シンポジウム5 重度障害児の教育実践
コーディネーター 早川透(京都教育大学附属特別支援学校教諭)
司会 早川 透
報告1.早川透
報告2.石丸良成(都立府中けあきの森学園教諭)
報告3.後藤貴久(都立北特別支援学校教諭)
指定討論 堀口潤一郎
渡邉流理也(新潟大学准教授)
 11:55~  閉会式

 

障害児教育実践研究会夏季研究 (002)

2016年2月8日(月)

教育学部の大久保です。2015年の12月に刊行された畿央大学紀要第12巻2号に、同僚の渡邉健治先生、岡本啓子先生、古川恵美先生と執筆した「特別な配慮を必要とする児童への小学校における取り組みに関する調査」という論文が掲載されました。

 

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全国の小学校を対象として、特別な配慮を必要とする児童への取り組みについて質問紙法による調査を行いました。

結果の一部を抜粋したものをいくつかご紹介します。

 

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なお、調査で得られたデータが全て記載された論文は、PDFファイルで公開しております。ご高覧頂ければ幸甚に存じます。先生方のプロフィールによる回答傾向の違いなども分析しております。

 

これは畿央大学大学院教育学研究科のプロジェクト研究の一環として実施された研究であり、全国の公立小学校に勤務されている787名の先生方からのご協力をいただきました。お忙しいところご協力をいただきありがとうございました。この場をお借りしまして、共同研究者一同、厚く御礼申し上げます。

 

いよいよ2016年4月からは「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が施行され、公立学校における障害のある児童生徒に対する「合理的配慮」の提供が義務化されます。本研究から得られた成果が、学校における合理的配慮について検討する際の一助となれば幸いに思います。

 

教育学部 准教授 大久保賢一

 

【関連リンク】

特別な配慮を必要とする児童への取り組みに関する調査(PDF)

教育学研究科

働きながら通える「畿央大学大学院」のヒミツって?

2016年1月27日(水)

畿央大学大学院教育学研究科長の白石裕教授は2014年10月、協同出版から本書を出版されました。

 

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本書は白石先生の前著、1996年の『教育の平等と財政保障―アメリカ学校財政制度訴訟の動向と法理』の続編というべきものであり、前著では、このことに関する訴訟の生成期(1971年~73年)と展開期(1973年~80年代半ば)に特徴的な相対的公平(equity)の法理の析出に主力が注がれていました。

一方、本書では、それに続く新展開期(1989年以降)に焦点が当てられています。新展開期で特徴的な事柄は、「教育費等の相対的条件」が公平(equity)なものとなっているかどうかという問題ではなく、「教育の質」が平等なもの、つまり適切・妥当(adequacy)なものになっているかどうかが法理を解く鍵概念となったことです。先生は、教育の質の平等が具体的・現実的にどのように訴訟や判決の中で理解され解釈されていったかということを、丹念な判決文や証言内容の精査により執筆されています。それは、教育の質の平等を追及するという人間の最重要課題の地平で、アディクアシーを議論することの意義と課題を追求することでもあります。

この一連の研究は、先生が日頃から心がけておられるグローバルで高度な研究、教育実践の理論的科学的な裏づけ、現代の教育課題や教育ニーズに応える教育研究の促進、地域の教育の発展等々の文脈の中で創出された精力的な研究であろうと考えられます。そしてこの「量的相対的平等」から「質的適切妥当性追求」へのこの転換は、教育上のアディクアシーがエクイティーを考慮したものでなければならないということから考えても、真に意義深い発展的転換期の研究といえるものであろうと思います。

 

先生は、「おわりに」で「アディクアシーの概念が多義的で際限のない解釈論に陥る可能性があるとすれば、裁判所はアディクアシーの問題に踏み込むのを躊躇するということがあるであろう」と将来の危惧を表明されておられます。確かに、教育の目的・価値観やアウトプットに関する概念は多義的であることには間違いないところであって、アディクアシーの議論は司法判断にはなじまず議会や行政の役割であるという考え方も成り立つと思われます。しかし、この問題は教育学の自律性に関わる問題であり、教育の専門性に関わる課題であると考えられます。何よりも問題なのは、教育のプロセスや目的に、議会や行政という教育外の領域からの判断がわがもの顔に導入されてしまうところにあると思います。法理の哲学と哲学の法理で教育の目的やプロセスを研究するものにとっては、訴訟や裁判の根拠となりうる理論と科学的実証的な成果を確立し共有することが課題であろうと思われます。そうした観点からも、先生のこの研究は、哲学的な世界にも強いインパクトを与えるものと考えられます。

 

畿央大学大学院特任教授(教育学研究科)杉峰英憲