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助産学専攻科

2017年12月27日(水)

平成29年12月17日(日)に大阪大学中ノ島センターにて開催された大阪母性衛生学会学術集会・研修会に助産学専攻科の学生と教員が参加しました。

 

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午前中は「重症脳性麻痺児の保育」をテーマに池下久弥先生から保育園の現状を、佐々百合子先生から実際に脳性麻痺児を出産したときから育児を通して感じた事を聞く機会を得ました。その中で重症脳性麻痺児の自宅療養の限界、行政の対応の課題についての話をされる中で改善の余地が多く残されている現状を知ることになりました。そして療養をする中でも地域や友人・家族に支えられた経験から、寄り添うことの必要性、助産師としての声かけのあり方についても知る機会となり、多くのことを学ぶことができました。

 

午後は学術集会でした。助産学専攻科9名はグループに分かれて4月から行っていた文献研究4題の発表を行いました。

 

「不妊治療後の母親の母親役割獲得過程と支援についての文献検討」

晩婚化や晩産化などの時代背景により、不妊治療によるトラブルや母親の不安や悩みも比例して増加しており、母親役割獲得過程にむけた支援が重要視されている。そこで、文献検討から、不妊治療後の母親の心身の特徴を明らかにし、母親役割獲得への支援を考察した。不妊治療後の母親の心身の特徴は【心理状態】【自己概念】【対人関係】【家族からの支援・家族関係】【イメージ化】【児との関係】の6項目に分類することができた。不妊治療後の母親は、母親としての自己を獲得するための支援が医療者に限らず家族など多くの人からの支援の必要性が示唆されていた。

 

青山加奈・川北明日香・川渕ひかり・上原麻利先生

 

 

「産後うつ病における高年初産婦の特徴と支援についての文献検討」

高年初産婦は産後うつ病のリスクが有意に高いことも示唆されていることから、文献検討により、高年初産婦の特徴と産後うつ病の発症を予防する支援のあり方を考察した。その結果、予防のための支援として、高年初産婦をとりまくサポート体制を把握し、個人にあった支援を調整することで、入院中から退院後を見据えた、産後1か月までの切れ目のない支援が重要であることがわかった。さらに、具体的な支援として、早期からの睡眠支援・夫への支援・社会資源の情報提供・2週間後の再評価・母親役割獲得の支援が重要であることが示唆された。

 

佐藤美沙都・高瀬和・戸田千枝先生

 

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「骨盤ベルトを使用した骨盤支持における支援の文献検討」

妊産褥婦の骨盤ベルトの使用状況から骨盤ベルトの使用方法や効果の周知不足について、文献検討を行った。骨盤ベルトなどによる骨盤輪固定は「妊産褥婦の腰痛軽減や産後の子宮復古など様々な面でよい影響を与え、妊娠から子育てにおいて前向きな経過を辿るとこが分かった。しかし、使用方法が不十分であれば効果は期待できないため医療者が妊産褥婦に対して積極的に関わり、対象の日常生活における個別性を考慮したうえで適切な装着方法の指導が必要であることが明らかになった。

 

高脇優衣・山下夏美・戸田千枝先生

 

「青年期の避妊の現状とその心理に対する助産師の性教育の課題」

青年期の望まない妊娠や、人工妊娠中絶、性感染症を減少させるための有効な性教育のあり方について明らかにすることを目的に研究を行った。青年期に対して助産師が行う性教育には、『自身の性行為や避妊に関する意思や責任をもち、性における自己決定能力を高めるための支援』『自分やパートナー、仲間を大切にし、男性と女性の双方が性行為や避妊の意思を共有し尊重できる、集団の良好な関係形成のための支援』『一方的な指導ではなく学生が主体的に性について考えられるための支援』が必要であると考えた。性教育の実施にあたっては、対象の発達段階を踏まえ、発達段階的特徴や精神発達を考慮した内容、方法をとることが重要な意味をもつことが明らかになった。

 

甲村弥生・塩原紗也夏・中居由美子先生

 

無題

 

助産学専攻科 髙瀬 和

 

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2017年10月10日(火)

助産学専攻科の中居です。医歯薬出版「母乳育児支援」にて、乳房マッサージの実験研究に関して執筆協力させていただきました。

 

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「母乳育児支援」の著者である宮下美代子先生は、横浜市で、みやした助産院を開業されており、幅広くご活躍されています。特に母乳育児支援は年間3000件ほどケアされており、この度この活動が認められ、第69回保健文化賞を受賞されました。

助産師の乳房ケアは、35年程前から施術されていますが、見様見真似で学ぶことから、大変個人差のある手技です。宮下先生は多くの助産師にご自身の手技を参考にして学修して欲しいと切望されており、私も助産師の技をデータにして可視化でき、今後の発展につなげたいと願っていました。

 

私は、現在、乳頭乳房マッサージの圧力と動作分析測定を、理学療法学科の福本貴彦先生の助言を受けて実験研究しています。昨年、宮下先生に本学に来校して被験者として参加いただき、同時に、助産学専攻科の学生に母乳に対する助産師の思いを語っていただきました。

 

この本の出版に当たり、私が宮下助産院に訪院し、乳房模型と授乳婦に乳頭乳房マッサージ時の宮下先生の指腹の圧力測定とDVDによる動作分析させていただきました。そして、執筆した結果を4ページにわたり掲載していただいています。

今まで具体的に表現できなかった手技を研究により解析し、授乳婦と乳児のニーズに合った母乳支援できる助産師の育成に努力を続けます。この本の出版をスタートとして、今後も研鑽してまいります。

ご支援いただきました宮下美代子先生に感謝いたします。

助産学専攻科教務主任 中居由美子

2017年7月25日(火)

熟練助産師江口先生から分娩介助の応用

「側方介助法及び肩甲難産時の介助など」を学んで

2017年7月20日(木)特別講演で、谷口病院の病棟師長であり、分娩介助件数3,000件近くの経験をされている江口美智子先生から「側方介助と肩甲難産時の分娩介助」を教わりました。助産学専攻科3期生の先輩の山本果歩さんと谷口病院で勤務されている助産師の木内さんが、聴講と学生指導のために参加してくださいました。

 

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江口先生の分娩介助は、左手で児頭の娩出を1~2ミリずつ骨盤誘導線に沿ってコントロールして、会陰裂傷しない母児にとって安全な分娩介助の技でした。左手と右手の力を巧みに交互に使い分け、ベビー人形が、まるで本当の胎児のお産のように見えました。

 

▼講師でお招きした江口美智子先生

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今までの分娩のとき、左手は児頭に添えているだけでしたが、今回の講義を通して左手での児頭の支えと分娩介助の姿勢の大切さを学びました。左手は児頭が飛び出すのを防ぎ、産婦の娩出力との調和をとりながら、陰唇が裂傷しないよう少しずつ娩出させることが重要であると学びました。そして、児頭が恥骨より上にならないように左手でしっかり支えることは想像よりも困難で、腰への負担がかかることを実感しました。

 

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また、助産師は自分の体を守るためにも、腰を下げる体勢が重要であり、陣痛時には会陰から常に目を離さないことが大切であることも同時に学びました。

パニックに陥った産婦での分娩では、産婦の呼吸が乱れ娩出力が強くなり児が飛び出してくることがあるため、どのような時でも助産師が呼吸法を積極的に促し、調節していくことが重要であり、分娩介助の練習をする際には、実際の産婦をイメージし実施していくことが大切であると気づくことができました。

 

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全体を通して、江口先生の手技に驚かされるばかりでしたが、実際にやってみることで、児と産婦の安全のために一つ一つに根拠があり、今後その技術をしっかりと身につけ、どのような状況にも対応できる精神力を養っていきたいと思いました。

 

▼最後は全員で集合写真

 

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この度は、有意義な講義が実現できたことに、江口先生はじめ学生指導を行ってくれの方々に感謝いたします。皆様、本当にありがとうございました。

 

助産学専攻科学生

 青山加奈、川北明日香、川渕ひかり、塩原紗也夏、高脇優衣

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2017年6月20日(火)

6月19日(月)、開業助産師でインストラクターある森田婦美子先生からベビーマッサージマタニティヨガを教えていただきました。

 

ベビーマッサージ

ベビーマッサージは肌と肌で触れ合う親子のスキンシップのひとつであり、幼児まで行うことができます。

 

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体が作られていく過程で神経と表皮は密接な関係にあり、赤ちゃんにとってお母さんやお父さんに触ってもらうことは非常に良い刺激となります。そして胎児のころからの生理的な成長からベビーマッサージは行われます。通常赤ちゃんは頭から足に向かって、中心から末梢に向かって成長していきます。このベビーマッサージも同様に頭から足、中心から末梢に向かって行うことで脳や体の成長発達を促します

 

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また赤ちゃんに触れることはお母さんにとっても赤ちゃんをかわいいと思えるような愛着の形成にもつながるため、助産師がベビーマッサージを伝えることで、赤ちゃんとのスキンシップを実践してもらうことができ、親子との絆を深めることにつながるということを学び非常に良い経験となりました。

 

マタニティヨガ

マタニティヨガは出産に備えた体力を養い、出産への精神的不安を軽減させ、心身ともにリラックスを図っていきます。体に負担のかからない運動を中心とし、骨盤を広げ出産時に適した筋肉を養うことを目的としています。

 

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妊婦には陣痛時での呼吸の仕方やリラックスした状態でお産を迎えるための準備、心身を安定させ、姿勢や骨盤の歪みを整え、赤ちゃんにとって安心した子宮内空間を提供することにつながります。そして産婦には産後の下腹部の回復を促し、疲れを軽減させます。また心身のリラックスによって精神的にも安定した状態で子育てに前向きに向かってもらうために行います。

 

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ヨガの最中は赤ちゃんに愛情を感じながら行ってもらうように、助産師からの巧みな声掛けの技術が重要であることを学びました。マタニティヨガはお母さんと赤ちゃんにとって気持ちの良い運動にしてもらうように心がけることが必要ということに気づきました。

助産師の役割は健康教育やお産を取り上げるだけでなく、ベビーマッサージやマタニティヨガなど改めて幅が広いことを知りました。今回の講義によって将来の助産師としての活躍の可能性を広げていきたいと思う、良いきっかけとなりました。

 

助産学専攻科 川北明日香 高脇優衣

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2017年6月15日(木)

6月11日(日)武庫川女子大学で開催された「第19回日本母性看護学会学術集会」に参加してきました。

 

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現在、助産学専攻科では助産研究の科目において4つのグループに別れ、それぞれに興味がある分野の研究を行っています。

今回は、さまざまな先生方の発表を聞き、自分たちの研究の学びとすることを目的に学術集会に参加しました。年のテーマは「ライフサイクルにおけるセクシュアリティ支援~多様性の意識化と実践~」でした。セクシュアリティについては講義などで勉強していたつもりでしたが、実際の現場における問題や、支援の幅広さを学びました。特に印象に残った講演は、学校現場におけるセクシャルマイノリティの実際についての講演です。「セクシャルマイノリティ」という言葉はだんだん知られては来ていますが、学校現場ではまだまだ理解が広まらない実際などを知りました。性と向き合う助産師としてのあり方についても考えさせられました。

 

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ほかにも、一般演題の口演や、ポスター展示、ランチョンセミナーなどもあり、さまざまな研究発表の形があることを学びました。助産師として女性を支援していく上で、その人の文化や環境、家族とのかかわりなど幅広い目で対象を捉えることの大切さを学ぶことができました。

これらの学びを生かし、助産研究を進めて、各々が理想とする助産師像に近づけるように勉強していきたいと思います!

助産学専攻科 高瀬和