2009.01.31 

苦労の味もしたマシュマロ~高大連携「i-seek講座:森のプロジェクト」~

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関西中央高校と畿央大学の高大連携による「i-seek講座:森のプロジェクト」では、炭焼窯を製作し、実際に竹炭を焼くという授業を1年間進めてきました。
1月31日はその最終日で、本格的なドラム缶窯で焼いた炭を取り出しました。
班ごとに全部で8基製作しましたが、うまく焼けた窯があった反面、ほとんどの竹が燃えてしまった窯、炭にならず竹のまま残ってしまった窯もありました。
炭焼きの難しさと出来上がったときの喜び、労働の尊さを高校生と大学生が学びあった1年でした。

参加したのは、
関西中央高校の2年生と畿央大学健康科学部人間環境デザイン学科の学生たち。
授業の前半は、一斗缶を使ったミニ炭焼窯を作り、竹炭を焼きました。
  前半の様子は高大連携で、竹炭を焼きました ~関西中央高校の森林環境教育をサポート~
後半は、その経験をもとに本格的なドラム缶による大きな炭焼窯を製作、奈良市吐山の奈良県立野外活動センターに設置しました。昨年末に火を入れ、今回最後の授業で待望の窯出しとなったのです。
 
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炭焼きは、プロでも窯を開けてみないと出来がわからないと言います。
 ポイントは・・・
1)窯の中に酸素を多く入れないこと、2)窯の中の温度を高温に保つこと、3)冷めないように保熱をすることです。
 木や竹は酸素のない状態で高温に保つと、化学分解して炭素になります。酸素があると、燃えて炭ではなく灰になってしまうのです。燃やさないように高温にするというのはある意味矛盾があります。窯の入口で燃やして熱だけを伝えるというのですから、うまくいったりいかなかったりするのです。窯が高温になったら、入口を閉め、次いで煙突もふさぎますが、このタイミングが一番難しいと言われています。
1年前は動きが悪かった生徒たちも自分たちから動くようになりました。小雨の中でも竹を切ったり、窯を設置したりの作業をしました。
 
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その記憶を振り返りながら、最終日のこの日は出来上がった炭を使ってマシュマロを焼いて食べました。小さなマシュマロですが、口に頬張ると焼いた感触が絶妙で、口の中で溶けていきます。その幸せ感は苦労の味も加わってけっこう大きかったようです。
 
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