2009.10.21 

執筆本の紹介 『国際看護への学際的アプローチ』

健康科学部 看護医療学科 講師 堀内美由紀

 

前回のブログでは、ソロモンにおける保健医療協力の様子を報告させていただきました。
そこで「国際保健」や「国際協力」に関心を持ってくださった方々へ、私が分担執筆および編集をした本『国際看護への学際的アプローチ』日本放射線技師会出版会, 2009 (2940円税込) を紹介させていただきます。
 

堀内先生の本.png

 
この本は10章から構成されます。今春の看護基礎教育カリキュラム改定で組み込まれることが推奨された「国際看護」のテキストとして企画され、1年間かけて完成しました。
 
日本のような先進国で最新の医療にどっぷり浸かっていると、医療職者だけで人々の健康を支えているような錯覚に陥ることはないでしょうか。私自身NICUに4年近く勤務をしていて、500グラムにも満たなかった低出生体重児が危機を乗り越え自力でミルクを飲み始める、そんな光景を自分たちの「手柄」のように感じることも多かったと振り返ります。
しかし実は、人間の安全保障を含む安定した国の政治や経済、基礎教育、文化など、医療技術以前に健康に関係する要因はたくさんあります。
 
『国際看護への学際的アプローチ』は、そうした意味で、経済学、文化人類学、教育学、政治学を背景に世界で活躍する方々にご協力いただき、それぞれの分野から健康へのアプローチについてご執筆いただきました。執筆者には、大学や研究所に勤務する方、国連などの国際機関に所属して活躍する方、もちろん看護学を専門とする方もおられます。(執筆者プロフィールもなかなか興味深いです)
私は、第6章で「開発とリプロダクティブヘルス/ライツ」を執筆いたしました。                            国際看護のテキストというより、読み物として大変面白いと思います。ぜひ、一度、手にしてください。                                                         

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