2009.12.21 

看護医療学科2期生頑張っています!

学生自らの「考える力」「思いやりの心」で看護技術を体得
~看護医療学科の授業を紹介します~

 

看護医療学科はうまれてまだ2年目の、畿央大学ではもっとも新しい学科です。まだ2回生までしかいませんが、1年次から専門科目や実習・演習も組まれ、看護に関する考え方や技術を学んでいます。今回は1回生の演習科目「療養生活援助技術」で、学生が患者さんの手や足を洗って清潔を保つときの技術を身につける授業の様子をレポートします。

 

グループで議論し、患者役と看護師役になって技術を体験

 

清潔援助4.jpgこの授業は2限連続(180分)で日常生活援助の基本技術を学ぶもので、4人の教員が約45人の学生を指導しています。12月のある日、看護実習室では学生が看護師役と患者役になり、実際に技術を体験する演習を行っていました。どの学生も真剣な表情でベッド周りに立ち、議論し、試している姿がありました。私語をしたりふざけたりする学生は見られず、全員が熱心に「どうすれば、患者さんにとって安楽か」を話し合い、グループごとにいろいろ試しています。その様子はみんなとても楽しそうです。
ときどき、学生の間をまわって指導している先生が全員に向けて説明をする場面がありました。そのとき、それまでは患者さんへの対応を議論し、試していた学生のざわつきが一斉に静まり、動きが止まって、先生の言葉に集中します。また、授業途中の発表会になると、複数グループの手が上がって積極的に発表していました。

 

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学生がしきりに書き込んでいる授業メモや演習記録をのぞくと、授業の前に学習してきた内容がびっしりと記入されています。学生に聞くと、講義の空き時間にグループで集まり、自主的に技術予習も行っていることを誇らしげに答えてくれました。
 
 「まね」ではなく、「自分たちで考え出した方法」から学びを始める
この授業をコーディネイトし、指導の中心になっている澁谷幸先生は次のように話しています。
「この授業では、『個々の患者さんに合った最適な援助を工夫し実践できる力』を育てることを目標とし、学生が主体的に技術を工夫・創造ができるように考えています。
教員のデモンストレーションを見て、まねをするという従来の看護技術の学び方ではなく、どういう患者さんに対応するか、ケアの原理・原則はなにかを学んだ後、まず学生自らがその患者さんにあった方法を考えて実施し、その後教員が補足・説明するという形をとっています。
学生は日頃の自分の生活行動を振り返ることで、それが出来なくなっている患者さんの苦しさを一生懸命考えます。どうすれば患者さんの役に立つかを考えることを通して『ケアを創造する力、対象の状況に合わせてケアを応用する力』が育つことを期待しています。」
学生たちは試行錯誤しながらも教科書には載っていない方法を自らの力で生み出し、教員を驚かせることも少なくないそうです。実際にこの日の授業でも、あるグループが患者さんに使うお湯の温度が低くならないようにと自分たちで『密封式足浴』を考え出したグループがあり、発表していました。個々の患者さんにもっとも合ったやり方を考える「相手を思いやる心」を持った看護師が育てられていると実感しました。
 

療養生活援助技術5.jpg 療養生活援助技術4.jpg

 

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