2010.09.24 

「チーム医療ふれあい実習」レポート

理学療法学科・看護医療学科・健康栄養学科では、1回生の8月の次期に、5日間の病院実習『チーム医療ふれあい実習』を行っています。この実習は、学習のモチベーションを高めるために、早い時期に現場に触れること(アーリー・エクスポージャー)を目的としています。
 
今回は、理学療法学科1回生の辻本尚さんから、実習のレポートが届きましたので、紹介します。
 
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私は、8月23日から27日までの5日間、奈良県にある平成記念病院で「チーム医療ふれあい実習」を行って来ました。
 
チーム医療2.jpg
 
この5日間で、たくさんの事を学び、体験することができました。その中で一番印象に残っているのは、やはり患者さんとのコミュニケーションです。
 
初日は、何を喋っていいのかわからず、笑顔も作る事ができませんでした。聞き取りづらい言葉に、ただただうなずくことしかできませんでした。しかし、先生方のアドバイスを受け、自分自身でこういう喋り方をすれば良いのかなどを考え、実行することができました。
 
そして日が経つにつれて少しながらスムーズに話ができるようになったと感じています。  
                                            

最終日に、ある一人の患者さんと話をさせていただく機会がありました。
その方は鼻から栄養チューブを入れておられましたが、大変元気で明るい方でした。趣味や家族のことでどんどん話が盛り上がりました。「チューブが取れたら何がしたいですか。」という私の問いかけに「飯が食いたい、今日の検査結果次第でこれ(栄養チューブ)外れるんや!!それに釣りもしたいんや!!」と笑顔で答えていただいたことや、「人生、要はとらえ方やで。そう考えると妻や子供達が近くにいてくれるし一生懸命私の病気を治そうとしてくれる先生や看護師さんもいるし、確かに治療は辛いけど私は幸せ者やわ。」とおっしゃっていたのが強く印象に残っています。
私たちにしてみれば、食事を取ることは食べる物さえあれば何でもないことなのに患者さんにとっては食べる物があっても食べられないことや食べることを目標に治療している方がいることを実感したと同時に、一生懸命に治療している医師や看護師などの姿を患者さんはしっかり見ているし、「家族」という大きな支えがあることを感じました。
 
そして検査の時間がきたので、患者さんが検査に行かれるのを見送って次の見学に行きました。
正直なところ見学をしている間患者さんの事が少し気になっていました。見学を終えてナースステーションに戻る途中で、検査を終えて戻ってこられた患者さんの姿を見て、一瞬固まってしまいました。明るい笑顔で私に向かって手を振っていてくれていました。鼻には栄養チューブはありませんでした。その後に込み上げてくる嬉しさと言葉に表せない程の感情は計りしれないものでした。私はあまりの嬉しさに我を忘れ気付いたころには患者さんに「○○さん!!良かったですね。」と話かけ、自分自身に起こった事のように喜んでいました。
 
今回の実習は、私にとって大変得るものが多く、貴重な時間を最大限に生かせたと思っています。限られた時間の中で学んだ事、体験した事は、この先絶対に忘れる事ができないし、これからの大学での4年間の生活の糧になると思っています。それと同時に私自身の小ささや人間としての未熟さに気付くことができました。
 
最後になりましたが、ご指導いただいた平成記念病院の皆様には感謝しています。この実習は私達にとって最初の実習で、緊張していた私達にたくさんのことを学び体験させていただいた事、未熟な点については時間を裂いて、きちんと注意していただいた事など、全てが大変良い経験となりました。短い間でしたが本当にありがとうございました。

理学療法学科1回生 辻本 尚

 

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