2011.02.23 

小学校1日見学 <教育学部>

教育学部1回生の小学校1日見学について報告します。

 

 教育学部では、教育現場における指導の実際を、実践的、体験的に学ぶことを目的として、平成21年度まで幼稚園教員免許及び保育士資格取得者は本学付属幼稚園での見学実習を、また、小学校及び養護教諭免許取得希望者は同幼稚園での1日見学を実施してきました。
 
平成22年度からのコース変更に伴い、小学校及び中・高等学校免許取得希望者が大幅に増加したため、大阪教育大学及び同大学附属天王寺小学校の協力のもと、小学校1日見学を実施することとなりました。教員養成大学である大阪教育大学の附属小学校は、教員を目指す大阪教育大学の学生の教育実習指導をも担当されており、学生指導のノウハウについては長年の蓄積をもっておられます。また、教育実習とともに各教科等の指導や教材等の研究にも取り組まれ、その成果は毎年、研究発表会で公開され、全国から多くの参加者があります。このような多様な研究活動に取り組まれている同校での学習及び生活の指導の実際を見学させていだくことで、畿央大学生にも多くの成果が得られることを期待しました。この取り組みは一先ず3年を目処に継続・発展させていく予定になっています。
 
 2月7日(月)、登校する小学生に交じって畿央大学生68名が、附属天王寺小学校に到着、視聴覚教室で同校の教育実習指導担当の先生から、心構え等のお話を頂き、その後、全学年・学級18クラスに分れて1日見学を始めました。
 
では、その様子の紹介です。
 

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授業中、教室の後ろで座って見ていた学生に、担任の先生が授業の見方をお話し頂いているところです。また、学生が学習する児童の間を回り、直に児童の学習の仕方を見せて頂く様子がどの教室でも見られました。
 

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休み時間は、児童と交流しました。児童から積極的に関わってもらった学生や、生活科の時間に収穫した水菜をお土産に頂いた!学生もいました。
 

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給食の時間や掃除の時間も、見学させていただきました。給食の時間では、児童とともにマスクをして児童と一緒に並び、配膳して頂きました。掃除の時間では、縦割り掃除に取り組んでおられ、高学年の児童が低・中学年の児童と一緒に掃除に取り組んでいる場に参加し、自らも床を掃いたり、机を運んだりしました。
当日、各教室でマスクを貸して頂きました。担任の先生方にはお礼を申し上げます。このことは、準備を怠った畿央大学側の反省点として来年につなげるようにします。
 

小学校一日見学4.jpg

 
午後は、同校副校長先生から講話を頂きました。自ら国語科を研究されてきた成果や教員を志望する学生指導をされている経験をもとに貴重なお話を伺いました。
午前中から緊張して授業を見学させて頂き、元気いっぱいの児童と関わってきた学生の中には疲れからか、うつらうつらとする者もいて少し残念でした。そうした自分を教壇から見たとすればどう感じるか、教員を目指す学生として課題が伺える場面でもあります。
 
今回、畿央大学の学生に貴重な経験をさせて頂く機会を与えて頂いた大阪教育大学及び同附属天王寺小学校の先生方に心よりお礼を申し上げます。この取り組みを学生の将来に活かしていけるよう、畿央大学では取り組みの改善を図るとともに、私たち教員もまた、学生たちと一層の努力を重ねていきたいと思います。
 
最後に、課題として作成した1日の実習記録から学生の振り返りの内容を紹介します。
 
● 一番よかったことは、小学校という将来目指している場所で実際に子どもたちに触れ合えたことです。今回は1年生の学級を見ましたが、子どもたちは皆が一斉に話しかけてきてくれるので、対応の方法がとても難しかったです。今までのイメージでは低学年はまだいろいろと世話をしてあげるものと思っていましたが、今日の見学を通してそれは間違いだと感じました。 中略— 甘やかせることと大切にすることは違うんだと痛感しました。
 
● 今回の見学で一番感じたのは担任の先生の授業や指導のうまさだった。全ての授業を通して楽しくする時は楽しくクラスの空気を和ませて、注意する時は頭ごなしに叱りつけるのではなく、だめだったところを自分で考えさせ、理解させるような注意の仕方だった。さらに担任の先生が心かげておられたことは児童自身で考えさせることだと思います。できているか見回っている時でも、答を教えるのではなく、ヒントを出して自分で解けるようにされていました。
 
● まず思ったのは「指導の難しさ」だった。ひとりの人間として児童をかわいく思ってしまうが故に嫌われることが怖い、叱ったら嫌われるのではないか、そのような不安を感じた。副校長先生がおっしゃっていた「子どもが好きだから」というだけで教師になるのは違うと思った。子どもを指導する、つまり悪い方向へ行ってしまった場合にそれを正さないといけない。自分にそれができるとは思えなかった。改めて現場で働く先生方はすごいと思った。
でも、感じたのは無力感だけではなかった。朝、教室に入った時に「先生」と呼ばれたことがうれしかった。まだ学生であるが、子どもたちには実習生であったとしても「先生」であることに気付かされた。まだまだ未熟だし、だめなところもたくさんある。教育実習生として学校へ行く時には、もっと自分を向上させて臨みたいと思う。 中略— 帰る際に言われた子どもの「先生になってね」「また来てね」等の言葉がただただうれしかった。

 
● 実際の現場で子どもたちと触れ合うことはやはり楽しいと感じた。交流できた時間は少しだったがとても楽しかった。自分は子どもが好きということも改めて強く感じたし、教師への思いも強くなった。しかし、講話でもうかがったように、書き順や基本的なこと、得意科目をつくることなど、好きなだけではだめなんだということを強く感じた。今回の見学で学んだことを今後に活かせるようにこれからがんばろうと思った。今回の見学で経験したことを実習ではしっかり活かせるよう、またこの見学がよかったと感じることができるようにしていきたい。
見学させて頂いた先生方の授業はとても参考になったし、子ども達にとってわかりやすいものになっていた。黒板の字も本当にきれいで正直自分があのようなレベルになれるか不安も増えたけど、最後の講話でおっしゃっていたように、これ以上やりがいのある仕事もなかなかないと思うので、自分のためにしっかり準備していきたい。

 

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