2011.05.27 

産学連携でまちづくり~桜で有名な吉野町を「エコカーテン」で彩る社会実験がスタート~

奈良県の中央部、吉野郡の北部に位置する吉野町。春には下千本、中千本、上千本エリアに豪華絢爛に咲き乱れる桜の名所で沢山の観光客が訪れます。歴史的文化財が多い吉野の景観整備・町並みづくりのため、畿央大学人間環境デザイン学科では三井田康記教授とゼミ生が「吉野まちづくり協議会」に参画、連携しています。

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今回は同学科佐藤昌子教授とそのゼミ生3名が、中千本エリアを中心として観光ウォーキングコースの左右に集中する旅館や商店の軒先に、奈良の伝統産業である蚊帳地や寒冷紗を素材とする「エコカーテン」を設置する社会実験をスタート。
2011(平成23)年5月26日朝から事前に了解を得た5軒のお店や旅館を回り、ご主人から設置場所、サイズや柄について打合せました。
金峯山寺蔵王堂から徒歩10分、天女魚すし「枳穀屋(きこくや)」ご主人(中央)と佐藤教授
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学生たちがミシンで手作りのミニチュアで説明      旅館さこやのご主人(左)と丸山繊維社長(右)
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門前町商店街上には多くのテント地の日避けと鉄骨が張り巡らされており、美観を損ねています
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奈良は古くから奈良蚊帳や布巾、襖地の生産地でしたが、時代の移り変わりとともに農業用資材としての寒冷紗製造が主になり、また需要も減少し廃業する業者も多いのが現状です。その中で天理市に本社を置く丸山繊維産業㈱(丸山欽也社長)は、奈良蚊帳生地の一貫生産(糸を仕入れ巻にして機織り、染色)を奈良で唯一手掛ける企業です。また奈良市もちいどの商店街・ならまちの一角に、各種ラッピング用品や文具生活雑貨染色製品を開発・販売するアンテナショップ「ねっとわーくぎゃらりー ならっぷ」をオープンしています。畿央大学は同社とコラボして寒冷紗や蚊帳生地、襖地をアレンジし現代風に甦らせようと、新規用途開発に挑戦しています。
多くの観光客が集まる7月1日~7日の「七夕笹飾り」、8月13日~15日「吉野桜燈火」のイベントに間に合うよう今回協力いただく5軒の旅館・商店にご希望の採寸・図柄でのエコカーテン(仮称)を設置し、ビフォー・アフターの室内外温度測定や、周辺住民・観光客のアンケート調査を行う予定です。

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