2012.03.05 

現代教育学科1回生 小学校1日見学報告!

将来、小学校教員をめざす学生の小学校1日見学を実施しました。場所は、大阪教育大学のご配慮により、昨年度からお世話になっている同大学附属天王寺小学校です。今年度は参加者の人数が多く、2月21日・22日の2日間に分かれての実施となりました。
教員養成大学である大阪教育大学の附属小学校は、大阪教育大学の教育実習の受け入れ校として毎年多くの教育実習生の指導にあたられるとともに、教育研究校として各教科等の指導や教材開発等の研究に取り組まれ、その成果は毎年、研究発表会で公開され、全国から参加される多くの先生方に新しい教育のあり方を提案されています。
同校での先進的な学習及び生活の指導の実際を見学させていだくことで、畿央大学生の学習意識の向上と目標の具体化を期待しての実施です。
8時30分から附属小学校の先生からのオリエンテーションに始まり、午前中4時間の授業参観、昼食を挟んで清掃指導の参観、午後2時からは同校副校長である八木義仁先生から将来教員をめざす学生に必要な心構えや具体的な学習内容についての講話を頂きました。
では、見学の様子を写真で紹介します。
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教室の前で部屋に入る準備。担任の先生は、学生が自分から声をかけることを、待って下さっています。中には「失礼します」の声をかけられず、長い間立ちつくしたままの学生も。
授業参観中は、先生方の学習指導や子ども達の発言や反応などを、学生は観察しメモをとります。このメモが1日の記録を作成する資料となります。

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活動的な学習では、子どもたちの間に入らせていただきます。
図工の時間、児童の工夫を実現できるよう、学生も一緒に試しています。音楽の時間では、学習中の歌を子どもたちに教えてもらって一緒に歌えるようになりました。

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読書の時間では、担当の先生の読み聞かせを一緒に聞かせていただきました。子どもたちの熱心な態度が印象的です。2年生の算数の時間では「長さ」の学習の発展として、紙から必要な長さの羽根を切り出し、グライダーをつくる活動をされている様子を学生は真剣なまなざしで見ていました。
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体育では同校で開発された独自のゲームに取り組まれていました。コートもルールも独創的で、学習の進行に合わせて子どもたちが自分でルールをつくる場面もあります。
同校では常に新しい学習のあり方を実践しています。子どもが自ら考え、対話を通して学習を深めていく様子から、学生はとても多くのことを学ぶことができました。

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また、学生の様子を見ていると、大学で学んだことを実行しようと、子どもの目線で表情を伺い、児童の心情を読み取る様子が見られました。

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休み時間は子どもたちに誘われて一緒に遊びました。けがをさせないように、鬼ごっこ等の激しい活動は自粛です。
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午後は八木副校長先生の講話でした。大村はま先生の「熱心と愛情、それだけでやれることは、教育の世界にはないんです」という引用から始まる実践経験に基づいた内容に、多くの学生が心を打たれました。講話終了後に学生が1日の活動をまとめた文章からもそのことが伺えました。

では最後に、学生のまとめから学びが伺える文章をいくつか紹介します。※ 大学1回生が短い時間でまとめたため、用語が適切でないものもありますので、最低限の訂正を加えています。
とても緊張して教室に入りましたが、児童たちの温かい姿勢に助けられ、クラスのほぼ全員と話すことができました。休み時間はガヤガヤと元気よく、にぎやかにはしゃぎながら、授業が始まると、ほとんどの児童が静かに授業に集中している様子でした。—中略— 授業を見学させていただいて気付いたことは、すべての授業の構成に共通部分がありました。初めにその授業の目標、到達点をしっかり説明し、どのように展開していくのかをわかりやすく示したうえで、授業が進められるものでした。
授業中の先生方は、叱ることよりほめることを中心に考えておられる気がしました。児童の発言に対しても、何かしらの形でほめてから次に進むという感じでした。児童の「できた」の一言から「よくがんばったね、せっかくできたんだからみんなに教えてあげようか」など、言葉をかけてコミュニケーションが広がっていたと思います。児童も達成感や満足感を得た雰囲気でした。
書写の時間に、児童が3枚書いたものを先生に見せにいって「どれが一番いいですか」とたずねている場面がありました。その質問に対し先生は「自分はどれが一番いいと思うの」と聞き返していました。すぐに答えるのではなく、まず自分の意見を言えるようにするという対応がとてもいいともいました。
理科の「ものと重さ」の単元で「形を変えたら重さはどうなるのか」という実験を、粘土や紙、アルミホイル等で行っていました。物質の質量は形を変えても変化しません。けれど「変化した」という子どももたくさんいます。先生はその意見をすべて聞き、結論やまとめを押し付ける形ではなく、実験をもう一度行い、子どもたちが理解できるようにしておられました。こうすることで子どもたちは本当にこの問題を理解することができるのだなと思いました。
最後に副校長先生のお話を聞きましたが、今から自分ができることが想像以上にたくさんあると思ったので、少しずつでもいいから始めていけたらなと思いました。特別なことをしなければと考えてしまいがちな自分がいるので、本当に日常的なことから取り組んでいき、特別だと感じていた物事も、日常の身近なものとして行っていけたらいいなと思いました。1日でたくさんのことを学びました。そして、何よりとてもかわいい子ども達と触れ合って、元気をもらい、絶対に教師になろう!と改めて思うことができ、本当に貴重な時間になりました。ありがとうございました。
文責 教育学部現代教育学科 西尾正寛

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