2012.03.19 

被災地支援の体験を、畿央生が講演!~兵庫県ユニセフ協会「子ども未来プロジェクト」

2012年2月25日(土)、コープこうべ生活文化センターにて、兵庫県ユニセフ協会が主催する「子ども未来プロジェクト―知ることからはじめよう!報告会『福島の子どもたち応援キャンプ』」が開催され、東日本大震災支援のボランティアに参加した学生の代表6名と有志教員4名が参加しました。

P1010470.JPG

「子ども未来プロジェクト」とは、子どもたちの命と健やかな成長を守りたいという気持ちをカタチに、そして行動につなげるために兵庫県ユニセフ協会が10年前から取組んでいるプロジェクトです。現在は、東日本大震災で困難な状況にある子どもたちに何ができるか、「子どもの権利」の視点から、生きること、育つこと、守られること、参加することについて、様々な形で学ぶことに特に力を入れておられます。

今回、その取組みの一つとして、畿央大学ボランティアが行ってきた2011年8月宇都宮・冒険活動センター「のびのびキャンプ」、2012年1月福島・二本松市「ひらそるウィンターキャンプ」での活動を通じて、学んだこと、感じたことをお話しさせていただく機会をいただきました。きっかけは、昨年の畿央祭で行った『東日本大震災被災地支援プロジェクト報告―福島の子どもたちと畿央生が出会った―』の報告会。ご覧になった兵庫県ユニセフ協会のスタッフが、学生たちが被災地の子どもたちとの関係に悩みながらも、一人ひとりの心に寄り添う姿に感激され「ぜひ、ユニセフでも報告してほしい」とおっしゃってくださったのです。

まず、教育学部の良原先生からのびのびキャンプの概要と目的などをお話された後、理学療法学科2回生の山根悠加さん・横山みさきさん・吉川歩実さんがのびのびキャンプ2011の報告を行いました。

P1010488.JPG

キャンプ中の写真をたくさんお見せすることでキャンプ中の様子がわかる内容にし、発表原稿も丁寧に用意していたところに彼女たちの熱意を感じました。キャンプ中に困難を感じたこととして、子ども同士のトラブルに対しどのように収束をつければよいか、また発達上の問題などで周囲の子どもたちと比べ遅れを取る子への対応の方法に悩んだことを取り上げていました。そして、子どもたちと心を通わせることができた喜びと、別れのつらさを学生の言葉で語ってくれました。

P1010484.JPG

その後、2012(H24)年1月7日(土)~8日(日)の1泊2日で実施した「ひらそるウィンターキャンプ」の報告を、教育学部3回生の稲垣美久さん、大林祥子さん、竹森加奈さんが行いました。このキャンプは、夏に実施された「のびのびキャンプ」に続く企画であり、畿央大学の有志学生12名と有志教員3名が参加しました。主に企画をされたのは、共に「のびのびキャンプ」を企画したふくしまの笑顔をつなぐボランティアグループ“ひらそる”でしたが、「のびのびキャンプ」で、学生たちが子どもたちの心に寄り添い、笑顔を引き出していたその力に感激され、「ぜひまた福島の子どもたちに会いに来てほしい」とのラブコールを受けて実現。キャンプ翌日には仮設住宅に訪問し被災者の方々との交流も実現しました。

P1010517.JPG

キャンプの報告では、再会した子どもたちが5か月の間に大きく成長していたり、逆に震災のために我慢を強いられ子どもらしさを失っていた子どもが、子どもらしく元気に遊んでいたことに喜びを感じたことを語ってくれました。仮設住宅訪問の報告では時折涙を流しながら、住民の方々と交流し感じたことを語る学生たち。

「今まで自分が考えてきた支援というのは自己満足だったのかもしれない。大事なのは『してあげる』ことではなく、『一緒に何かをしようという気持ち』なのだということに、今回の活動を通して気づくことができた。」

「支援に行ったつもりだったが、毎回子どもたちの笑顔にこちらが元気づけられて、温かい気持ちになれた。」

「被災地と、奈良を含む被災していない地域ではどうしても温度差が出るのが自然。被災地支援に関わった私たちができることは、風化してしまわないように『伝え続けること』なんだと思う」

と一言ずつ丁寧に語り、若く素晴らしい感性と、熱い思いを自分の言葉で語る姿に感動し、未来を担う若者たちの力を感じました。

講演終了後の質疑応答も熱気あふれるものになりました。福島の子どもたちと接点を持ったきっかけや、募集方法などハード面に関すること、キャンプ中の子どもの様子、放射能の影響を気にしているか…など多岐にわたる質問が飛び交い、それに対して学生や教員が真摯に対応しました。

ユニセフ質疑応答風景.jpg

<講演を終えて(所感)>

仮設住宅に訪問した際、住民の方は初対面の若い学生にも関わらず、放射線の為に愛する故郷に帰れない無念さや、家族を失った苦しみ、光の見えない辛い避難生活について語って下さりました。学生は、そのあまりにも重い現実に衝撃を受け、一瞬言葉を失ったと言います。しかし、私はその思いを受け止め、じっと耳を傾け、寄り添う学生の姿を見ました。そして、学生が住民の方々の笑顔を引き出す力に感動しました。ある住民の方は「こうやって楽しいことがあると前に進める気がする」とおっしゃっていました。本学は決して大きな大学ではありませんが、だからこそ教員間・学生間との距離が近く、また東北の方々と1人1人が距離を縮めることも可能だと思います。今後も、他の教職員と共に学生達の「何かしたい!」という熱い被災地への想いを支援していきたいと思います。

看護医療学科 石田めぐみ

P1010581.JPG

この記事をシェアする