2012.07.03 

被災地支援「のびのびキャンプ」に向けて③~福島の大学生と事前研修で交流!

福島大学・いわき明星大学・畿央大学の学生が、事前研修で交流!

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福島の子どもたちのために奈良で開催される「のびのびキャンプ2012」の事前研修第3回、「“素朴な”こころのケアセミナー」が2012(H24)年6月23日(土)に、に実施されました。

のびのびキャンプ2012は畿央大学の教職員・学生有志に加えて、福島大学災害ボランティアセンターといわき明星大学人文学部心理学科と共催で実施します。当日はキャンプに参加する学生が来学し、「福島の学生からみた福島」というテーマで講演をして頂きました。

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その後、3大学の学生が交流を深められるよう、本学教育学部4回生細川君によるアイスブレイク(初対面の参加者同士の緊張や抵抗をなくすグループワーク)を展開。

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最後にグループに分かれて、プレゼンの感想やキャンプについて学生同士でシェアリングし、最後に全体発表…という充実した1日になりました。

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後日、福島から駆け付けて頂いた福島大学の安達さんからセミナーに参加しての感想が届きましたので紹介させて頂きます。


はじめまして。福島大学人間発達文化学類4年生の安達隆裕と申します。昨年より学生団体「福島大学災害ボランティアセンター」が発足し、現在代表を務めさせていただいております。今回、畿央大学・福島大学・いわき明星大学三校合同事業、「のびのびキャンプ2012」に参加する貴重な機会に恵まれたことを嬉しく思います。

6月23日のセミナーでは、福島の学生から見た「今の福島」を報告し、それを受けてワークショップを行い、共通の目標・意識を立てることができました。セミナー開始、アイスブレイク、ワークショップの中で強く印象に残ったことは、「先生・職員と学生の仲の良さ」でした。真面目に話を聞く時は集中し、くだけた空気では一緒に盛り上がる。このメリハリから信頼が生まれているのかな、と感じました。アイスブレイクは大学に戻ってから少し使わせていただきます。とても面白かったです!

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福島大学から参加した学生は、畿央生について口をそろえて「みんないい人ですね!」と話していました。奈良を訪れて福島へ戻る時間はとても短い時間でありましたが、セミナーで出会えた学生は密な関係を築くことができたと思います。それも、畿央大学の皆さんが温かく迎えてくれたことが大きな要因だと思います。私たち福島大学チームもみなさんと同じくらい密な関係を築いて本番に臨みます。

プレゼンでは、私が考える福島についてお話させていただきました。昨年の東日本大震災より、被災三県と取り上げられる岩手県・宮城県・福島県は非常に大きな損害に見舞われました。地震から津波被害に繋がり、今でも沿岸部はガレキが大量に山積みにされています。福島県は二つの被害に加えて「放射能問題」が存在します。放射能については未だに終息する兆しすら見せません。
「まだ福島県に人がいるの?」「夏でもマスクを着けてるんだよね?」「もう被爆してるんでしょ?」などと言った意見を耳にします。割と広い福島県は一括りに危険と思われる。人によって提示される線量の値も受け止め方が違い、その結果県外に避難する人が生まれる…というように問題が派生していきます。福島県には人がいます(大学生はみんな普通の生活をしています)。マスクを着けてる人はほとんどいません(関心が薄いのか、現状に麻痺しているのかわかりません)。被爆も多少はしてるでしょう(とよく分からなくもなく思います)。このように、特に大学生はどの情報が正しいのか、危険だとしても県外に出ることはできるのか、と踊らされているままなのではないかと思います。大学生から見た福島の「今」とは、普段の生活は漠然と情報を受け止め、大多数の学生は沿岸部の様子を見たことがない、こういった状況なんだと思います。

以上が学生の、私個人から見た福島です。個人で考え方も異なるものだと思います。その中でも子どもを抱える親御さんの心境はとても推し量られる事ではありません。

【情報が錯綜し、常に子どもに気をかけてしまう。】

仮設住宅に住む方から、このようなお話をお伺いしたことがありました。これが例のように、福島県にすむ未就学児~中学生は県内でも、県外からでも支援の対象として見られています。その結果、昨年の夏・冬は多くの団体(行政、NPO、etc…)が福島県にアプローチを仕掛け、未就学児~中学生対象のキャンプ事業が乱立し、子どもは引っ張りだこでした。私も昨年度は3つのキャンプ事業に加わりました。その中で、多くの子どもの笑顔に触れられたこと、一回の出会いであったとしても大切な思い出としてもらえたこと、そして大学生たちも楽しみながら活動に取り組めたことが非常に印象に残っています。

福島県の「今」について書かせていただきましたが、県外にすむ皆さんにはこの文章からどのように映るかわかりません。もしかしたら放射能問題への意識は徒労かもしれませんし、深刻かもしれません。しかしそれは何十年も先の結果の話であって、今支援を必要としている子どもがいることは確かです。同じ小学生でもなく、大人でもない大学生の私たちですが、私たちにしか見せない顔・態度があるということを去年の経験から確信しています。個人では何もできないかもしれません。出来るとしても狭い範囲でしかないかもしれません。しかし、この企画に参加して、笑顔に出会えることだけは絶対に否定してはいけないことだと思います。大多数の一人であっても、同じようにアクションを起こす学生がいれば、人海戦術に倣って多くの子供に笑顔を提供できるのではないでしょうか?多くのキャンプがあり、今回の「のびのびキャンプ2012」もその一つだと思います。キャンプ事業そのものにこう考えるからこそ、やるからには全力で、子どもも学生も楽しめるような素敵な時間にしたいと思います。

文章ではお堅くなってしまいましたが、私は子どもと一緒にまくら投げをして周りのお客さんから苦情をいただいた実績を持つ学生です。昨年通りに自分も楽しみたいと思います!セミナーで新しく出会えた畿央大学・いわき明星大学のみなさん、福島大学のメンバーとともに、これから一生懸命この企画を練り上げていけるように頑張ります!

【関連URL】

被災地支援「のびのびキャンプ」に向けて②~被災地支援サークル「ホープフル」の発表!
https://www.kio.ac.jp/information/2012/07/post-531.html

被災地支援「のびのびキャンプ」に向けて①~事前研修を兼ねたセミナーが開講!
https://www.kio.ac.jp/information/2012/07/post-528.html

学生団体福島大学災害ボランティアセンター
http://fukudai-volunteer-center.jimdo.com/

畿央大学のびのびプロジェクト facebookページ
http://www.facebook.com/nobinobiproject

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