2012.08.13 

小学生5・6年生向け「ひらめき☆ときめきサイエンス」を実施しました。

小学生高学年と保護者17組が調理科学と運動科学を学びました!

2012(平成24)年8月11日(土)、独立行政法人日本学術振興会への応募採択事業「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~『お母さんの手作り料理の味は一生忘れないってホント? 調理科学の不思議体験』を開講しました。
遠くは大阪府から、奈良市、橿原市、御所市はじめ地元広陵町、香芝市等から元気な小学校5・6年生17名(保護者同伴)が朝10時から夕方4時まで、講義・実習・実技など盛り沢山の授業時間割にそって、食と運動について楽しく学び、夏休みのよい思い出づくりになりました。

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▲受講後、冬木智子学長(前列中央)・スタッフらと記念撮影

午前10時からの開講式(ご挨拶、オリエンテーション)に続いて、1限目は畿央大学健康科学部健康栄養学科教授山本隆先生による講義「なぜ好きな食べ物、嫌いな食べ物ができるのだろう?」。
食べ物の好き嫌いにはいろいろな原因がありますが、決定的なことは食べた時に「おいしかった」「楽しかった」といった喜びの感じ(快感)が生じると好きになり、「まずかった」「食べた後で気分が悪くなった」といういやな気持(不快感)が生じると嫌いになります。そして、これらは幼児期の経験が成長するにつれても尾を引きます。小さい頃に食べさせてもらった愛情豊なお母さんの味は、一生忘れない好きな味になります、と保護者であるお母さん方に語りかける場面も多くありました。

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小学生受講者は前の方、保護者は後ろの席で一緒に受講!

そして、本イベントの実施責任者でもある健康栄養学科助教上地加容子先生による「味覚の測定」実験を行いました。
「しょっぱい、すっぱい、うまみ、あまい、にがい」などの五味の他にも「からい、しぶい」などがあり、こく、香り、歯ざわり、温度、色、つや、形など舌・歯・目・耳・環境や雰囲気、体調などによっても味覚の感じ方は変わります。
味覚の感じ方を1~5段階レベルで測定し、レーダーチャート化します。
結果は3限目の上地先生の授業で説明されました。
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2限目は上地加容子先生、金一玲先生、新谷実希先生、学部生11名による「調理をサイエンスする」。
手作り料理実習で、調理の方法によって味ってこんなに変わるんだってことを体験してもらいました。
カレーのルウを、調味料(ウスターソース、濃い口しょうゆ、ケチャップ、はちみつ、塩)を(A)混ぜただけのもの と(B)よく炒めたもの、2種類に分けて作り比較しました。
また、子どもの苦手なキノコや人参なども、みじん切りにしたり煮ることにより加熱し味付けをすることで食べやすくなります。この日は5つのグループに分かれてカレーと野菜ジュースのゼリー(デザート)をみんなで作りました。
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ランチタイムは畿央大学の学生食堂地階で、受講生は自分たちが作ったカレーを保護者の方々、学生スタッフらと一緒に賞味。初めて子どもが作った料理を食べたという保護者の方は格別な味がしたそうです。
ここでも洋食に使われる“だし”を3種類味わってどれが一番おいしいか、味覚のテストをしました。
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午後の3時限目は上地先生の授業「おいしさをサイエンスする」。
おいしく食べるには?「おいしい」ってどういうことかを学びました。今日の昼食を振り返って、どう調理したらおいしくなったのか、隠し味には何が入っていたのか、夏バテしないための食事摂取方法など、子どもと保護者に一緒に考えていただきました。
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4時限目の授業は、理学療法学科助教松本大輔先生の「おいしく食べるための健康体操」。
奈良県の小学生は、学力テストでは全国12位前後ですが、体力では最下位というのが現実です。
全力で走ったり、筋トレで頑張るのでなく、食後はゆっくり休んでからストレッチやジョギングなどを定期的に継続して行うことが大切と教えていただきました。
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最後は、畿央大学学長冬木智子先生から一人ずつ「未来博士号」の修了証書の授与式と学長講話があり、脳(ひらめき)と心(ときめき)を使って、なぜを追及(サイエンス)した畿央大学での素敵な学びの思い出を大切にしてくださいと話されました。その後、受講生、保護者、教職員スタッフ全員が冬木学長を囲んで記念写真を撮りました。
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受講後のアンケートでは、小学生からは「料理のことでいろいろ学べて楽しかった。」「他の学校の友達と仲良くできて良かった。大学のお姉さんやお兄さん、先生がとてもやさしかった。」など。
また保護者の方からは「食べ比べしたり実習したり、楽しい講義を聞かせていただいたりと、内容がこくわかりやすく食に対して興味を持ってくれたと思う。」「1日子どもと一緒に楽しく過ごせた。」「家ではキノコの味がすると言って食べませんが、カレーの風味と楽しい雰囲気で喜んで食べてくれました。」「盛り沢山の内容で充実した1日でした。冬木学長先生のお話しは心に響きました。」などたくさんのありがとうの言葉をいただき、スタッフ一同遣り甲斐を感じました。
今年で4回目を迎えた「ひらめき☆ときめきサイエンス」ですが、また来年も元気な小学生をお迎えできればと思っています。

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