2012.10.13 

平成24年度 学校インターンシップ中間報告会を行いました。

本年度、大学と協定提携している近隣の市町および奈良市、堺市、八尾市で学校インターンシップ活動をしている学生対象に中間報告会が10/11(木)に行われました。
前期は広陵町10名、香芝市27名、大和高田市14名、八尾市20名、上牧町・安堵町・宇陀市・田原本町・奈良市・堺市あわせて16名、計87名が活動に参加しました。
平成24年度学校インターンシップ中間報告会1.jpg
全体会では教員から前期活動を終えて、諸注意および確認事項についての講話を行いました。下記の内容について指導が行われました。
・ 各自、後期の時間割に応じて研修校・園と打ち合わせた日時で活動を継続する。病気、怪我等で欠席の場合は必ず連絡をする。
・ 活動記録は活動毎に記入して、担当教員に提出する。
・ 学校インターンシップは大学と教育委員会の連携のもとで研修していることを十分理解し、子ども達は皆さんが学校や園に来てくれていることを楽しみにしているので、その期待に応えられる存在として活動に励む。
・ 3学期終了時まで継続して参加する、など。
その後、各分科会に分かれて、各自の活動について発表し合いました。学校や園の現場で、子どもに間近に接することにより、楽しいことだけではなく、たくさんの苦しいことや困ったことにも出合ったことも報告されました。分科会の最後には、担当教員からの全体講評、後期の活動に関する留意点について確認がなされました。
それぞれが自分で考えたり、研修校園の先生方に助言して頂いたりしたことをもとに、課題を解決に取り組んできたことが伺えました。報告会を通して様々な経験や知識を共有できたことと思われます。依然解決できない課題を抱えたまま後期の活動に入る学生もいます。目の前にある課題から目を反らさず、粘り強く取り組むことで、実りある研修にして欲しいと考えています。

以下に、分科会における学生の報告内容をいくつか紹介します。
■幼稚園での研修生の声
平成24年度学校インターンシップ中間報告会3.jpg3歳児のクラスに入っています。けんかの仲裁がとても難しいと感じています。なぜ、けんかをしないほうがよいのかを分かるようにするときは理由の一つ一つを丁寧に話すことが大切であることに気付きました。子どもならではの感性をしっかり見極めたい。
3歳児が分かる言葉の選び方に苦戦しているが、よい学びになっている。
保護者との会話の中で、自信を得ることも経験した。
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園では「話を聴く」ということを大切に保育がされています。その理由は、小学校では話を聴く場面が多いのでそれを意識していると教えていただきました。幼稚園と小学校のつながりを考えて指導されていることに感心しました。
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5歳児クラスで補助をさせていただいています。初めて3歳児クラスに言ったときには、3歳児と5歳児の発達の差に驚きました。毎週継続して関わることで、この子にはどう対応したらよいのかわかるようになってきています。また、1週間ごとの成長の早さにも驚きました。3月の卒園までインターンシップを続けるので、子どもたちがどこまで成長できるのか見届けるのが楽しみです。
■ 小学校での研修生の声
1年生から6年生までいろいろな学年を担当しました。そこでまず気付いたのは、学年の間の差が想像以上に大きいことでした。同じ小学生でも、1年生と6年生では発達の段階が違うので、教え方もまったく異なります。1年生に教える時にはやはり、細かなステップを用意することが必要です。もう1つ気付いたのは、個人の間にも差があることだった。同じ学年の児童でも、一人一人が持っている知識や理解の進み具合に幅があるので、それによって教え方を変えないといけないことが分かりました。教え方を工夫して児童が理解してくれた時の笑顔がとても素晴らしくて、これからも頑張ろうと思えました。
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行く回数が増えるごとに挨拶をしてくれる子が増えてうれしいです。授業中は、担当の先生のお手伝いをしていますが、それ以外にも授業の準備など裏方の仕事も多く、如何に先生方が大変な仕事をしておられるのかがよくわかりました。また、プール水泳では、安全が第一でそのためには、目配りが重要であることもわかりました。後期は、話しかけてこない子どもたちへも積極的に話しかけていけるようにしたいと考えています。
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平成24年度学校インターンシップ中間報告会2.jpg3年生の女子児童の支援を担当した時のことです。その児童はいつも、授業が始まっているのに教科書を出さずに遊んでいます。何度か教科書を出すように注意しましたが、まったく言うことを聞いてくれず困り果てていました。そこでいったん気持ちを切り替えて、児童の相手になり一緒に遊んでみました。そのうちに打ち解けてきて、児童の方からも少しずつ話をしてくれるようになりまいした。ある時「なんで教科書を出さないのかな?」と尋ねてみたところ、「算数苦手やねん・・・」という返事が返ってきました。この時初めて、その児童はただ単に教科書を出すことに反抗していたのではなく、苦手な教科を勉強するのが辛くて教科書を出したくなかったのだということが分かりました。児童の行動の裏には必ず理由があること、それを理解するためにはまず児童との信頼関係を築きコミュニケーションをとっていくことが大切だと感じました。
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ある日、特別支援学級の児童が家庭科のテストを受けるというので、その児童の横について支援しました。テストの結果は正解が4つでしたので、その時私は、「ああ、4つしか解けてないな・・・」と思いました。しかし担当の先生はその児童に「4つも解けたんだね!」と言葉をかけていました。その言葉に児童はとても喜んでいたし、勉強への意欲もわいたと思いました。「4つしか」と「4つも」の違い一つで、児童に与える影響がまったく変わってくるのだなと驚きました。児童と向き合うに当たって、ものごとの捉え方、表現の仕方の重要性に気付きました。

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