2013.02.21 

「香芝市マミつどいの広場」に育児支援活動の一端として参加しました!

○校外教育活動を活用した授業展開について
 
小児看護の対象は、子どもと家族(同胞を含む)です。看護医療学科の学生はみな3回生後期からの病院における「母子看護学実習」で、子どもの最善の利益を守る小児看護について考え実践します。そのための準備として、2回生前期は「小児看護学対象論」で健康な子どもについて学び、2回生後期は「小児看護学援助論Ⅰ」で健康障害のある子どもについて学びます。3回生前期では「小児看護学援助論Ⅱ」の学内演習を通して健康障害のある子どもの看護に必要な援助技術を学びます。
しかし、私が小児看護学の講義で学生さんに伝えたいのは、テキストに書かれている専門知識だけではありません。対象である子どもに興味・関心を持ち、実際に子どもに触れ合う必要性です。子どもにはテキストや授業では理解しきれない特徴が多々あります。
そのため私は、学生に少しでも子どもに興味・関心を持ってもらうチャッカマンのような授業を意識して心がけています。日頃、子どもに触れ合う機会が少ない学生が多い時代です。私がチャッカマンをただ振りかざしても学生の導火線へは思うように引火しません。学生が「子どもって○○なんだ!」って分かるまで火をつける関わりは、至難の業です。
そこで、香芝市が育児支援事業の一環で取り組んでいる「香芝市マミつどいの広場」に学生を参加させて頂き、広場を利用する母子と関わらせてもらうことを考えました。つまり、授業に校外教育活動を取り入れることで学生の導火線に自然引火する方法です。学生はつどいの広場で実際に五感を通して子どもの特徴を知ることになります。学生自身が体得した子どもの特徴だからこそ、自分が講義で得た情報と結びつけたり、大人の自分とは違う子どもの物の見方や行動が、各機能の未熟性つまり発達過程にあるということが分かったりします。「そういうことか!」と既習の知識と結びついたとき、学ぶ楽しさを知ることでき、理解を深めることができるというわけです。
 
つどいの広場.20130221-1JPG.JPG
つどいの広場を利用する母子からも「畿央大学のお兄ちゃんやお姉ちゃんに遊んでもらって助かる」と喜んでいただいています。最近では口コミで利用される母子の数が増え、育児支援活動の一端を担えるようにもなってきています。学生からも「母子が関わる場面を実際に見ていたら、子どもにとっての母親、母親にとっての子どもの存在がとても大きいということが分かった」「母親から育児についていろいろな話を聞かせてもらって育児をする母親の大変さや気持ちが知れて良かった」など、学生の広場への参加が地域貢献につながり、学生にとっても母子の理解を深めるよい学びの場になり、相互によい時間となっています。

今年で、つどいの広場に参加した学生が病院での「母子看護学実習」に臨むのは3度目となりました。学生は皆、子どもに対して優しいまなざしと態度で接し、子どもにとっての最善の利益を考えた関わりができています。とても嬉しく感じています。子どもたちの笑顔が学生や母親を幸せな気持ちにし、学生の笑顔が子どもたちや母親を笑顔にしてくれています。子どもたちと学生両方の笑顔が見られる私はとても幸せです。これからも小児看護学が楽しく学べるように子どもの力を借りながら頑張っていきたいと思います。

                                               子どもが大好きな小児看護学准教授 弓場紀子

 
○「つどいの広場に参加して」 (学生の声)
私たち看護医療学科の学生は、小児看護学の授業時間に7~8名ずつ子育て支援サークル「マミつどいの広場」に参加しています。「マミつどいの広場」とは、主に0~3歳の幼稚園や保育園に通うまでの子どもと親が自由に参加できる広場です。お母さんだけでなく、お父さんやおばあさんなども子どもたちと一緒に参加しています。たくさんのおもちゃや絵本などが置いてあり、子どもたちが親子や同年代のお友達と一緒に遊んだり、運営スタッフの方と一緒に歌・手遊び・体操などをしたりしています。
私は、夏休みから週に1度ボランティアとして、子どもたちと一緒におもちゃで遊んだり絵本を読んだりして楽しく参加させていただいています。広場では授業で習った子どもの発達の「個人差」というものを目の当たりにできます。同じ1歳でも立つことができる子とできない子がいますし、子どもは好奇心が強いといいますがその程度も性格などによって異なります。小児を看護する際に、年齢だけを見ていてはその子に合った看護はできませんし、発達だけを見ていても看護はできないと学ぶことができました。
また、お母さんやお父さんと話をさせていただくと、子どもの怪我や発達の程度などで多くの不安を持っておられることを知りました。私はまだその悩みを解消できる返事はできませんが、病院に行くほどの悩みではないが悩んでいる方が多いということを知りました。
このように、私たちは「マミつどいの広場」に参加させていただくことによって、小児看護では不可欠ですが座学では足りない、子どもとの接し方を学ぶことができています。

                                                                看護医療学科学生 中川香里

                                                            

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