2013.05.16 

海外ボランティアレポート~カンボジアで村の小学生に体育を教える活動

こんにちは、教育学部2回生の西川実輝です。先日の春休みに海外ボランティアとしてカンボジアに行ってきました。その時の報告をいたします。

 

私は教師になる上で、多様な視点から物事を考えられるようになりたい、視野を広げたいと思い、今回「カンボジアの村の小学校の子どもたちに体育を教える活動」という海外ボランティアに参加しました。カンボジアの小学校は午前と午後の二部制です。そのため子どもたちは1日4時間しか勉強できず、読み書きを優先すると体育の授業をする余裕がありません。丈夫な体をつくることだけでなく、勝敗による嬉しさ・悔しさやルールを守ること、最後まで諦めないことを伝えるためにも、私たちは運動会の開催を通して体育という授業を伝えてきました。また、遊具の少ない校庭にタイヤの遊具も作りました。

 

タイヤを使った遊具をつくり、遊び方を伝えました

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カンボジアの子どもたちは元気で活発でした。石や貝殻などがたくさんある校内を裸足で走り回ります。それでも怪我をしないことには驚きます。子どもたちとの交流の中で一番感じたのは、どこの国であれ子どもは子どもだということです。男の子にくすぐると、くすぐり返してきます。女の子には「行こう!行こう!」と手を引かれ、何度もすべり台をすべりました。いたずら好きな子もいれば恥ずかしがって後ろの方から見ている子もいます。机の中にあったノートには落書きがありました。

 

裸足でかけっこする子どもたち

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 カンボジアの母語はクメール語です。ほとんど会話ができないので初めはどのように関わっていこうか戸惑いましたが、3人の子に「スォスダイ(こんにちは)」と話しかけると他の子も集まってきて、いつの間にかたくさんの子どもと輪になり遊んでいました。私が笑うと子どもたちも嬉しそうに笑い、私もそんな彼らを見て笑います。言葉が通じなくても子どもたちと笑って遊んでいる中で、笑顔は世界共通だと感じました。

 

そんな子どもたちは「勉強が好き」「家族が好き」「カンボジアが好き」「今が幸せだ」と迷わず言います。私はこれまで恵まれている国にいることだけで優越感のようなものを持っていたことに気付きました。でも考えてみると、日本の子どもにおいて不登校やひきこもり、自殺などの問題があるのが現実です。また、自殺者は日本の方がずっと多いのです。日本のすべての子どもたちに「今、幸せですか?」と聞いてみたいです。物質的な豊かさは世界でもトップであり、何不自由ない日本で今が幸せだと迷わず言える子どもはどれだけいるのでしょうか。当たり前の生活の中で、恵まれていることに気付くのは難しいと思います。でも日本は今よりもっと幸せを感じられるはずだし、感じるべきだと思います。カンボジアは確かに貧しい国でした。しかし、カンボジアってどんな国?という問われたとき、私は、笑顔の溢れるとても素敵な国だと答えます。私はカンボジアから生きていく上で本当に大切にすべきものを教わったように感じます。

 

「今 幸せですか?」という問いに答える子どもたち

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この活動では、全国から参加した26人の仲間と出会いました。運動会で行うオリジナルの応援合戦や準備体操をみんなで考え、夜には自分の思いや夢を語り合いました。同世代ということもあり、彼らから強い刺激をもらいました。活動後も今度は日本で何かできることはないかと話し合い、日本やカンボジアについて自分たちの感じたことや学んだことを、多くの人たちに伝えようということになりました。この方法は唯一私たちができることであり、さらに日本だけでなくカンボジアへのボランティアにも繋がるのではないかと考えています。

 

 男組女組に分かれての綱引きの前に、応援合戦 (男の子に向かって応援中)

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私はこの活動から、子どもたちに夢を与えられる教師になりたいと感じました。そのためには自分がたくさんのことを知らないといけません。

そこでまず、畿央大学で自分の専攻に加えて他の専攻も学ぶことを始めました。自分と違った夢をもつ人たちとも関わり、違った世界を見る。自分の視野を広げることが、子どもたちの夢を広げることに繋がると考えています。

これからも目標の教師像に向かって、様々なことに挑戦し、経験を重ねて成長していこうと思います。

現代教育学科2回生 西川実輝

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