2014.06.06 

本学大学院生の論文が「Behavioural Brain Research」に受理されました。

現在、畿央大学神経リハビリテーション学研究室(大学院:森岡研究室)に在籍しております、博士後期課程の大松です。
 
先月、私がまとめた論文、“Activation of the serotonergic system by pedaling exercise changes anteior cingulate cortex activity and improves negative emotion.”が“Behavioural Brain Research (IF: 3.327)” に受理されました。
 
この研究は、私が修士課程の時に行った実験を論文にまとめたものです。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=ohmatsu+s
 
ohmatsu
 
本研究は、運動の日課がある人に対し中等度のペダリング運動を行うことで、緊張・不安といった不快情動の軽減、活力といった快情動の増強といった情動面に対する効果に関して、主観的な情動面の変化、尿中セロトニン生成量、EEGの測定(前頭葉非対称性、sLORETA解析によるhight-alpha波帯域での前帯状回の活動減少)から検証しました。
今回の結果から、ペダリングといった周期的運動により5-HT神経が活性化され、その結果ACCの活動が低下し、情動の変化をもたらすのではないかと示唆されました。今後、森岡研究室では運動による下降性疼痛抑制のメカニズムの解明につなげて発展させていく予定です。
 
この論文が受理されたBehavioural Brain Researchは、行動神経科学の分野における国際的かつ複数の学問から構成される学際的な学術雑誌で,IF3点代と比較的影響度の高いものとなっています。自分の研究が,世界の方々の目に触れることに感動すると同時に、さらなる研究に励んでいきたいと身の引き締まる思いです。修士課程入学当時は、全く研究をしたこともなく、漠然と臨床現場で疑問に思うことを少しでも明らかに出来たら嬉しいという思いでした。当時思い描いていた研究の内容とは少し形が変わりましたが、周囲のサポートにより徐々に形になっていきました。研究について全くの素人だった私が、国際雑誌に自分の論文が掲載されたのは、教授の指導や授業による知識はもちろん、異なる専門性や知識を持った研究室のメンバーと多くのディスカッションを行っていく中で、より良いものに作り上げていけたからだと強く感じます。
 
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最後に、この研究や論文作成の全過程で指導して下さった森岡周教授をはじめとする、本学の神経リハビリテーション学研究室のメンバー、また尿中セロトニンに関して助言や指導して頂きました坂田進教授、西井康惠助手に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、今後も研究室のメンバーとリハビリテーションの専門家として互いに切磋琢磨し、少しでも社会に貢献できるような研究を行えるよう前進していきたいと思います。

畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程
大松 聡子

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