2014.09.24 

大学院生が「第2回日本赤ちゃん学会研究合宿」で講演を行いました。

大学院生の浅野さんが第2回日本赤ちゃん学会研究合宿(http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/hiroki/baby-science-young-researcher/)で講演を行いました!
 
以下は、浅野さんがレポートしてくれた内容です!
 


 
今回、講演者としてよばれたのは、兵庫県立リハビリテーション中央病院の中井昭夫先生、そしてカリフォルニア工科大学の下條信輔先生、そして私でした。
 
日本の発達性協調運動障害(DCD)研究の第一人者でもある中井先生の講演では、発達障害児の知覚世界や診断や分類についての基本的な知識についてわかりやすく解説してくださいました。
 
知覚や意識の研究で世界的にも著名な下條先生の講演では、先生ご自身が学生時代からどのような研究を進められてきたのかについて研究成果を紹介しながら解説していただき、赤ちゃん学研究の限界点や今後の期待について述べられていました。
 
私はというと、身体表象の発達からリハビリテーションへの応用について症例を中心に話させていただきました。実際の臨床の場で障害をもつ子どもたちが変化していく様を映像で見せることで少しでもさまざまな障害をもつ子どもの世界をわかっていただこうと思い、そのような構成にしました。最後には多くの質問や大きな拍手をいただいて非常に嬉しかったです。
 
asano blog
 
質問のなかには、やはりその効果について、数名の症例発表での限界点について指摘も受けましたが、それに対して講演後に下條先生に以下のような心強いお言葉をいただきました。
「私が以前にアメリカの学会でラマチャンドランがあの幻肢痛に対するミラーセラピーの効果について一症例の発表をしたときにその場にいた参加者のなかから一事例のうまくいった症例についての報告に対して批判的な意見が出た。そのときにラマチャンドランはこう返した。『ここに突然、言葉を話すブタが一頭現れたとしよう。そのとき皆はその脳内メカニズムについて一生懸命調べようとするだろ?』それは半分冗談交じりだったかもしれないが、すごく説得力のある反論だった」と。そして、一症例の圧倒的な成果を見せることはすごく重要だ、と言っていただきました。
下條先生は、現象学を知ってから知覚の研究に進まれたということでしたので、その辺の理解があるのだと感じました。
 
夜のポスター発表では、深夜の遅い時間まで皆さんとディスカッションでき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
 
今回、さまざまな分野で活躍されている研究者と交わりながら貴重な経験をすることができ、企画された日本赤ちゃん学会若手部会の先生方には本当に感謝しています。
最近はリハビリテーションとは異なる分野からの講演依頼が多いですが、今後も異分野の研究者との意見交換や交流を積極的に広げていき、視野を幅広く持てるように講演や発表など続けていきたいと思います。また、臨床現場において障害をもった子どもたちと今後も根気よく向き合っていきたいと思いました。
 

畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室

修士課程 浅野大喜

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