2015年2月10日の記事

2015.02.10

看護医療学科の学生が日本公衆衛生看護学会で発表しました!

看護医療学科4年生 亀田さとみさんが、平成27年1月10日(土)~11日(日)に 神戸市国際会議場で開催された第3回日本公衆衛生看護学会で、卒業研究の成果を示説(ポスター)発表しました。   テーマは、「わが国における在宅難病療養者に対する災害対策の現状と課題」で、先行研究および自治体の公表資料から難病療養者の災害対策の現状と課題を明らかにし、今後の難病療養者に対する支援や防災対策のあり方について検討しました。     研究を始めた動機は、3年次の在宅看護学実習で訪問看護ステーションの看護師と難病療養者の訪問をした際に、対象者の方と家族は災害に被災されたときにどうなるのだろうと考えたことでした。   このことは、4年次の保健師の実習である地域看護活動論実習の実習施設が難病者支援を行う保健所設置市となったこともあり、実習のテーマにも設定して難病者に対する保健医療福祉の対策の実際を学び、災害時対策について積極的に聞き取りをするなど、学ぼうとする意欲と姿勢が一貫していました。   日本は地震を筆頭に自然災害の多い国であり、平常時から災害発生時の地域住民の生命保護のための対策が重要です。そのため災害対策基本法では、都道府県や市町村の責務が明確化されており、避難する際に支援を必要とする「要援護者」名簿の作成が義務づけられています。一方で難病療養者の実態については,保健所や在宅医療で関わる職種にしか把握されていない状況が考えられ、その状況を示す先行研究も限られていました。   今回の亀田さんの発表の特徴は、文献検討だけでなく、全ての都道府県のホームページに公開されている災害時要援護者ガイドラインの対象者に「難病」と明記されているか、一県ずつ確認してリスト化し、さらに日本地図上に示してその分布がひと目でわかるように可視化したことです。また近い将来に起こると予想されている東海地震被災地域の状況も保健所管轄別に可視化し、都道府県および市町村における難病者の災害対策については地域格差があることが明確になりました。 このことは、日本の災害対策の中でも、支援が必要な「要援護者」に対する対策について、東日本大震災後3年を経た現状を示すもので大変意義のあるものです。阪神・淡路大震災後20年を迎える被災地の神戸で開催されるこの学会で、ぜひ多くの地域保健医療福祉関係者に伝えるべき内容だと思い、発表への後押しをしました。   演題登録のための抄録作成、ポスター作製と国家試験の勉強に追われる中での作業でしたが、ヒントを示すと非常に短時間ですいすいと作っていけるので、指導する私がびっくりした次第です。 発表日が保健師の国家試験模試の翌日ということもあり、発表準備に思うような時間がとれない状況でしたが、当日は落ち着いて発表し、座長からの質問にも適切に答えることができました。多くの学会参加者が立ち止ってポスターを見てくださり、また大学等の研究者からも声をかけられ、用意した配布資料も全てなくなりました。   これから卒業後臨床で看護を実践していくうえで、支援を必要とする人々に対してケアを行う者としてきちんと状況を把握し、何をすべきかという視点を持ち続けていける看護者になってくれるものと多いに期待しています。 研究ゼミ担当教員 看護医療学科准教授 松本  泉美   [本人の感想] 在宅看護実習で生まれた疑問を地域から全国まで視点を広げて調査をすることで、日本の災害対策の現状や各都道府県・市町村での取り組みを学ぶことができました。災害時要援護者については明確に記載されていますが、難病についてはまだ病気や生活の困難さなどに対する認知度も低く支援も難しい状況です。 先行研究論文や難病者が書かれた手記を読んでいく中で、難病療養者の方々が自分の病気について知られたくないという思いがある実態なども見えました。このような方々を支援するためにも私たちは難病療養者の方々だけではなく、一般の方を含めた地域全体への働きかけが必要であることに気づきました。  今回初めて学会発表させていただき、発表を通して伝えたいことを人に伝える難しさを感じました。これから卒業後臨床で看護研究を行うにあたって、とても良い経験をさせていただきました。きっかけを与えてくださった松本先生に感謝いたします。 看護医療学科4回生 亀田  さとみ