2016.03.03 

小学校一日見学を実施しました!~現代教育学科

小学校一日見学 平成28年2月24日 -大阪教育大学附属天王寺小学校-

 
平成22年度より大阪教育大学並びに大阪教育大学附属天王寺小学校のご厚意で、「小学校一日見学」をさせていただいています。今年も貴重な一日を見学させていただきました。参加者は、123名でした。
早朝、身だしなみを整えた畿央生が、清々しい表情で校門をくぐってきました。どの学生も期待感をもっているような表情です。
全員の控室である視聴覚室で簡単な諸注意を受け、各教室に向かいました。運動場では、耐寒かけ足が実施され、全学年の児童が元気に走っている様子を目にしました。
午前中4時間の授業を観察させていただき、その後、給食指導、清掃指導も見学しました。午後のプログラムは、副校長講話です。ベテランの先生ならではの貴重なお話を聞かせていただくことができました。最後は、一日を振り返りレポートにまとめて実習を終えました。
 
一日の様子を写真で見てみましょう。
 
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諸注意の後に、講堂から椅子をお借りして配当された学級の教室に移動しました。その各教室では、担任の先生のご配慮により、自己紹介の機会を頂きました。
 
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学習参観では、授業の進行により様々な形で関わらせて頂きました。教室の後ろでメモを取りながらの参観が基本ですが、活動が中心の授業では、各机を回って、児童に直接話しを聞いたり、感想を伝えたりしました。体育の授業の前には、ゲームのコートの準備を手伝う機会もありました。
 
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休憩時間には、児童と一緒に遊びます。2年生の教室では、生活科で学習している遊びを紹介してもらいました。校庭では「おにごっこしよ!」という声が多かったのですが、危ないので学生は遠慮し、その代わりに遊具やボールで遊びました。
 
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掃除の時間には、各教室で児童と一緒に掃除に取り組みました。何事も児童に教えてもらいながらです。
 
実習を終えた学生の感想の一部を紹介します。
 
●驚いたのは、子どもたちの発言する力です。子どもたちが発表者の意見を聞いたり、教科書を見たりして、自分がなぜこのように感じこのような考えにいたったかを全体の場で堂々と発言していたのです。自分の考えを明確にし、根拠を示しながら発言するというのは、そう簡単なことではありません。3年生の子どもたちがここまでできるのは先生の授業スタイル、教室の雰囲気にあるのかなと感じました。先生は、少しずれた意見を捨てるわけではなく、他の意見との共通点を指摘し、追加点を教えていました。そのようにすることによって、子どもが自信を失わず、「こうすればいいのか」と感じることができ、次につながるのかなと思います。
 
●最も深く考えたことは、先生方の児童に対する目配りでした。3人の先生の授業を参観しましたが、どの先生にも共通していることは、児童が挙手して意見を発表する際に多くの児童があたるようにまんべんなく指名していることです。あまり自信がないように小さく手を挙げていても見逃さずに指名していた場面から、授業の際に広い視野をもち、目配りができているんだと感じました。また、どの先生も板書がとてもていねいで見やすく、ぜひ見習いたいと感じました。
 
●児童と触れ合い、観察する中で思ったことは、附属天王寺小学校の子ども達はしっかりと自主性や「自分」というものをもっているんだということです。授業中、あまりたくさんの発言をしない児童でも「自分はこう思います」という意見をしっかりもっていることに感心しました。また休み時間に児童と触れ合う中で聞かせてもらった、子ども同士のリアルな人間関係というものも体験することができました。複雑な子ども達の心境や人間関係に現場の先生方はどう対応されているのかという疑問も浮かびました。
 
今日一日の見学をして考えたことは、教師は子ども達へよいパスをつなぐことのできる存在を目指すべきであるということだ。なぜなら、子ども達は最後に自分でできることを増やして成長していく存在であると考えるからだ。見学させて頂いた先生は最後まで答えを言ったり、こうしなさいと指示をするシュートのような言動はなさらなかった。そのかわりに「今、何をする時間かな」と問いかけて、気付かせたり、正しいことを行っている児童をほめることで、児童が自発的に考えることができるような最高のパスをつなぎ続けているように感じられた。
 
(転出した友人への贈り物について話し合う場で……)寄せ書きとDVDどちらにするかと話しが止まった時に、なぜ寄せ書きがよいか(悪いか)、なぜDVDがよいか(悪いか)を考えさせ、それをもらった子がどう思うか、それぞれに考えさせていた。しかし途中で、話しの内容がそれてしまい、先生が「主語は自分じゃない。相手にどんなことをすれば喜ぶか」と子ども達に問いかけ、話題を戻していた。また、授業の最後のまとめとして「相手の立場に立って考えることは大切。普段の生活に置き換えても考えて欲しい。自分の意見を押し通してばかりでは話し合いは進まず、相手も嫌な気持ちになるよね」と話し合いを通して相手を思いやる心を育んでいたことに気付いた。
 
今回の小学校1日見学は、前回に行った小学校1日見学とは違った視点で取り組むことが出来たのではないかと考えます。理由は2つあって、まず1つ目は大学での学びです。後期の授業では、各教科の概論をはじめ、教育心理学、前期より深く自分の将来について考えたキャリア形成セミナー等がありました。そういった学びは、今回の学習参観、児童観察の中で、「これ授業で学んだことや!」と実感しながらさらに学びを深めることができたと思います。2つ目は自分の教師になりたい気持ちについて、改めて考えている所だったからです。時間が過ぎているのに、先生の所に来る子どもに対して、先生は厳しく「どうしたらいいと思う?」とおっしゃっていて、その時、自分の考えていたことが変わりました。好かれる先生を目指すのではなく、教育者であることを忘れないことという点です。第1に子どもの事を考え、考えた上で叱ることができ、子どもが考えられるようにヒントや手助けを与えられる、そんな先生になれたらいいのだろうと考えました。その中で、自分に何が必要かを考えながら、自分の教師になりたい気持ちについて考えたいと思いました。
 
授業の参観で気づいたこともたくさんあり、授業も大切であるが、発表したり、それにふさわしい態度で聴いたり、挨拶や服装を正すなど、生活上大切にしたい指導が多く、大切だと気づいた。また、道徳で、内容を要約するという国語の学びや算数で、はさみの使い方など図工の学びを生かすなど、合科的に扱っている場面が見られた。友だちのよい所を取り入れたり、自分の経験を内容に結びつけたりするなど学年の特性を活かした授業内での工夫も見られた。このようにただ教科書を学ぶのではなく取り組む態度や学びや経験を活用させながら内容を深め、学校生活や学習を一つの流れとして捉えることが大切だとわかった。
 
 

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