2016.08.24 

第47回日本看護学会-急性期看護・看護教育-学術集会参加レポート~看護医療学科

看護医療学科3年次配当「急性期看護学実習」では、高度救命救急センターでの1週間の臨地実習を行っています。3回生の学生は、生命危機に瀕する事故や外傷、疾患のために救急車電搬送された患者さんに施される初療の見学や一命をとりとめたあとの集中治療室における看護の実際にふれ、多くの学びや医療人として命の尊さを考える機会を持っています。
そこで、昨年度の実習に参加した学生を対象に高度救命救急センターでの初療に対してどのようなイメージを持っているのか、またその実習が学生に与える影響がどのようなものかを演題に実習を担当した教員が、研究成果を発表しました。
 
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まず、7月15・16日に沖縄県宜野湾市で開催された急性期看護の学術集会では、急性期看護学の林田麗准教授が、『看護大学生の高度救命救急センター初療に対するイメージと実習の影響』という演題で「生命の危機状況にある患者さんや家族を取り巻く医療現場に対して抱いたイメージが、〈難しい〉〈複雑な〉というものである一方、〈真面目な〉〈立派な〉〈尊い〉〈誇らしい〉という肯定的な捉え方もしていること」「この実習のあと看護師になろうという思いが強くなっている」という結果を報告しました。
会場では、「自分たちの学校でも救命救急センターの初療実習をしたいと考えている」という教員や「学生を受け入れる場合、臨床指導者に何が求められるか」など臨床側からの意見や質問をいただき、活発な議論を行うことができました。
 
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会場のある宜野湾市は、真っ青な空と海がとてもきれいでした。しかし、爆音を響かせて飛行するオスプレイの往来を目にし、沖縄が抱える深い問題を考える機会となりました。
 
続いて、8月4・5日に滋賀県大津市で開催された看護教育の学術集会では、基礎看護学の林有学教授が、『高度救命救急センターでの実習指導のありかた』という演題で「学生は、救急看護の実習に対して、逃げ出すことなく頑張ろうという姿勢で臨んでいたこと」「初療見学の体験がある学生は、医療現場をよりリアルに感じる機会を得ていたこと」などを報告しました。こちらの会場でも、「現在、自分の学校では初療見学を行っていないが、是非今後取り入れることを検討したい」という前向きな意見交換ができました。
 
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夏の琵琶湖は、休日を楽しむ外国人や子供たちで賑わっており、その様子をみることで心が癒されました。これから始まる急性期看護学実習への士気が高まった私たちでした。
 

健康科学部看護医療学科 大友絵利香

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