2016.11.28 

第9回日本運動器疼痛学会で大学院生5名および教員が発表!~健康科学研究科

第9回 日本運動器疼痛学会(東京)で大住倫弘特任助教、今井さん(博士後期課程)、片山さん(博士後期課程)、西勇樹さん(修士課程)、西祐樹さん(修士課程)、私(重藤隼人 修士課程)が発表して参りました。教育研修講演では森岡周教授が「慢性痛の脳内メカニズム」というテーマで、慢性痛の病態を前頭葉・頭頂葉の2点に着目し、研究室のメンバーの研究成果も踏まえてとてもわかりやすく説明していただきました。今回の学会では、特別講演で衆議院議員の野田聖子さんに「一億総活躍のための痛み対策」と題して、我が国における慢性疼痛に対する政治活動についてお話していただきました。講演では野田さん自身の疼痛体験も踏まえながら一億総活躍社会のために日本国民、特に高齢者の痛みを減らして健康寿命の延伸を図っていくことの重要性を述べられていました。日本における政治活動としては慢性疼痛に対する議員連盟が2年前に発足し、慢性疼痛という言葉が「ニッポン一億総活躍プラン」の閣議決定の文章に含まれるところまで活動が進んでおり、法律になるまではまだ時間はかかるものの徐々に政治活動においても慢性疼痛に対する取り組みが進んでいる現状を知りました。講演の最後に野田さんから慢性疼痛の治療・研究に取り組んでいる方々からのエビデンスの強い情報を提供していただきたいというメッセージをいただき、今後の研究活動を通して少しでも貢献したいという思いになりました。
 
我々の演題名は以下であり、いずれも様々な意見をいただき多くの議論ができたと感じております。
 
<ポスターセッション>
大住倫弘「運動恐怖が運動実行プロセスを修飾する-運動学的解析を用いて-」
今井亮太「橈骨遠位端骨折術後に腱振動刺激による運動錯覚を惹起させた時の脳活動-脳波を用いた検討-」
西勇樹「疼痛刺激による交感神経活動の時間的変動と内受容感覚との関係について」
 
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<一般演題>
片山脩「感覚-運動の不一致による異常感覚および機能的連関-脳波を用いた検討」
西祐樹「痛み関連回避行動と人格特性の関連性」
重藤隼人「徒手牽引が有する鎮痛効果に関連する因子の検討」
 
近年は慢性疼痛に対する心理面に着目した講演内容が多い印象がありましたが、今回の学会では整形外科医の方から運動器の疼痛を解剖学や運動学の観点から介入した内容も含まれていたことが印象的でした。解剖学、運動学、神経生理学、心理面や社会的背景など様々な観点から痛みを捉えていく必要性をあらためて感じた学会でした。
研究室の痛み研究メンバーも研究内容は多岐に渡っているので、幅広い観点から研究活動に取り組み、私たちの研究が一人でも多くの方の痛みを解決することにつながり、エビデンスの強い情報を提供できるように、今後も研究室の仲間と協力しながら日々努力していきたいと思います。
 
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畿央大学大学院 健康科学研究科

修士課程 重藤隼人

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