2017.04.28 

救急蘇生法の演習を行いました!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」

新学期がはじまってそろそろ1か月が経とうとしています。学生の皆さんは、春休み気分から学修モードに切り替わって、頑張っておられることでしょう。
看護医療学科3年次前期配当「急性期看護学援助論Ⅱ」では、救急医療の現場で危機状態にある対象への適切なケアができること、そして、外科的に手術療法を受けた対象が、無事に健康を回復していく過程での援助ができることをめざして、3年生後期に始まる臨床実習に向けた授業が始まりました。
 
▼心臓マッサージの演習に取り組む3年生
 
急1
 
実習に向けた授業の中には、実習室での演習を多く取り入れています。そのなかの一つである「心肺蘇生法」の演習について紹介します。心肺蘇生法の演習は「街中で意識をなくした傷病者を発見した」というシナリオのもと、学生は、心肺停止の傷病者に見立てたモデル人形を相手に、胸骨圧迫による心臓マッサージや人工呼吸、応援者を呼んでAEDを準備してもらい、電気刺激を加えて、救急車の到着までのBasic Life Supportのトレーニングをするものです。
 
▼胸骨人工呼吸の練習をする学生とモデル人形の肺のふくらみを確認するメンバー
 
急2
 
「実際に自分たちが実施してみると、1分間くらいで疲れて力が入らなくなった。」「胸骨が5㎝沈むまで圧迫するのは、相当な力がいる。」と、実施した学生たちからは効果的な胸骨圧迫には体力を要することを実感させる言葉が聞かれました。
また、人工呼吸の練習でも、モデル人形の肺が膨らむまで生きを吹き込もうとするのですが、なかなか思いどおりに行かないことが多いようでした。
 
▼傷病者の体位を整え、安全確保~学生が傷病者役を務めます
 
急3
 
2004年7月以降日本では、一般の人が、AEDを使用した救命処置を行うことが認められており、心肺蘇生法の講習会などを受ける機会も増えています。このような講習会に参加する人は年間100万人を超えており、その影響で、2010年には、救急隊到着までに一般市民の応急処置を受けていた心肺停止者は約半数近くにのぼっていたそうです(消防庁統計)。
しかし、いまだに、毎年約7万人近い人が、心臓突然死で亡くなっています。医療人となる看護学科の皆さんは、質の高い心肺蘇生法を身につけるだけでなく、救急現場でリーダーシップが取れることや、一般市民に向けて心肺蘇生法を普及する役割も担っています。今回の演習での学びを実践に役立てるように振り返ってください。
 
▼AEDを装着し、心電図の解析を待つ様子
 
急4
 
これから実習までは、厳しい演習やグループワークが続きます。しかし、実習先で皆さんを温かく迎えてくれる指導者さんや患者さんの期待に応えられるように課題に取り組んでほしいと思います。急性期看護学では、「実践に役立つ知識の活用」「課題を克服して回復に向かう対象を理解する」ことができるよう学生をサポ-トしたいと考えています。
 

急性期看護学 林田麗・大友絵利香・加藤由加・菊谷美代子

この記事をシェアする