2017.07.25 

「災害に強い大和の町づくりネットワーク」平成29年度第1回研修会を開催!~看護医療学科教員

平成29年7月22日(土)の午後、本学L202講義室に災害に強い町づくりネットワークの今年度第1回研修会を開催しました。テーマは「どうやって積み重ねる?発災時に求められる看護師の知識と技術の学び」です。
 
2017年度 第1回災害に強い球との街づくりネットワーク 研修会
 
災害に強い大和の町づくりネットワーク奈良県下の防災・減災・災害対策強化に関する経験や学び(知識や技術)の共有を目的としております】は、立ち上げから5年が経過し、今年度は、これまでの活動の中で得られた経験や知見を体系的に整理し、臨床に役立てるものとして返していきたいと考えています。
 
災害に強いブログアップ2
 
奈良県下の臨床や教育機関、行政におられる看護職28名が集い、発災後概ね24時間の病院勤務看護師に求められるコンピテンシー(役割を遂行するための能力)を養うためにはどのような学びが必要か、欲しいと思う教材は?について意見交換をしました。
 
今後30年以内に震度6以上の地震が起こる可能性が14%(昨年の熊本地震に関係した断層が16%でした)と報告されている断層が奈良県にはあります(その端は広陵町にも近いところです)。そうした危機的な状況にあることを受け、県内医療機関の多くで、耐震・免振工事や対応の見直しを急いでいますが、その中でも重要なのは人材育成です。
 
阪神淡路大震災発生以降、災害看護学は確実に歩み進めてきましたが、非日常的な災害時の看護は学びの積み重ねが難しく、その一方、あちこちで次から次に多くの大規模災害が発生し、検証が追い付いていない帰来もあります。ワークショップ前半の第1部では、「所属機関が大きな被害を受けている状況を想定した対応はこれまでもシミュレーションしたことがあるのでイメージしやすいが、所属機関に被害は無く、すぐ近くで多くの傷病者が発生している。つまり、すぐにも大勢の傷病者が一気に運ばれてくる対応はイメージが難しい」などの言葉が聞かれました。また第2部では、「コンピテンシーを養うべく学びのコンテンツは抽出できても、どのような教材が適しているか具体的にすることは難しい」という意見がありました。それでも、他施設での取り組みについて情報を得て発展させることで教材案が出された項目もあり、有意義な時間でした。
 
0725堀内先生1
 
 
うだるような外の暑さにも負けない参加者の熱いディスカッションが、これからの奈良県下医療機関の看護師に対する災害看護教育に活かせるように、ネットワークのコアメンバーで形にしていきたいと考えています。
 
災害に強いブログアップ3
 
ご参加いただきました各施設の皆様、サポーターとしてご参加くださった防災士会・広陵町の東様、看護4回生富本くん、ありがとうございました。
 
なお本研修会は、学術研究助成基金助成金「災害初動における臨床看護師のコンピテンシー開発およびオンライン学修支援環境の構築」(課題番号17K12198)を受けて開催しました。今後は、先行研究や災害看護の事例などからコンピテンシーの妥当性を検証して、eラーニングを活用した効率的で効果的な学び方についても検討して参ります。
 

      看護医療学科教授 堀内美由紀  教育学習基盤センター助教授 宮崎誠

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