2017.08.24 

看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.5

昨年に続いて、看護医療学科ではオーストラリアのメルボルンで「海外インターンシップ」を行っています。2017年8月19日(土)から27日(日)の日程で、2回生7名、4回生4名の計11名が参加しています。大学や高齢者施設での講義や施設見学、現地の方との交流などを通してオーストラリアの看護と教育、緩和ケア、認知症ケアなどについて理解を深めながら、健康課題や保健医療事情を比較し、看護の在り方をグローバルに考えます。
現地レポート第5弾です!
 
【8月23日(水)】
この日はさまざまな認知症ケアを行っているNPO、Alzheimer’s Australia VICを訪問しました。
本日の学習目標は、
・施設見学を通してメルボルンの高齢者ケア(認知症ケア)の最新の知見を得る
・Alzheimer’s Australia VIC の概要・機能と役割を理解する
・認知症に関する最新の知見を理解する
・VDEを体験することで認知症の人の世界を理解する
の4つを掲げました。
 
朝から電車に乗ってメルボルン市内にある Royal Park Zoo 駅から徒歩でAlzheimer’s Australia VICを訪れました。午前中は認知症に関する講義を聴講しました。講義では、認知症は脳の障害部位により症状が異なるため、認知症の人それぞれ個々の病状に合わせたパーソンセンタードケアが重要であると学びました。
 
海外インターンシップ最終日1
 
また、認知症の症状の原因としてCAUSEDについて学びました。CAUSEDとはCommunication(コミュニケーション)、Action(行動)、Unwell(健康を害している痛みなど)、Story(過去)、Environment(環境)、Demencia(認知症)のこと。看護師はこれらに焦点を当て、サポートしていくことが大切だと学びました。
 
午後からは、VDE: Virtual Dementia Experience(認知症人の世界を体験)をしました。
 
Alzheimer’s Australia VICホームページのスクリーンショット
 
VDE
 
 
VDEでは、2回のテストを実施しました。
 
【1回目のテスト】
赤いライト、騒音、靄のかかったような映像が流れている部屋に移動し、そこで学生同士がお互いの「名前」と「物」と「好きな芸能人」について聞いて、それを時間内に覚えてテストをしました。3つすべての項目を覚えることは難しく、学生全員の項目を書くことはできませんでした。
 
【2回目のテスト】
緑のライト、穏やかな音楽と映像の中で行いました。また、項目を三つから「名前」と「物」の二つに減らし、紙にメモをしながら行いました。その結果、学生全員の項目を把握することができました。
 
このことから、認知症の方たちに接する時は言葉だけではなく、視覚からも理解できるようにしたり、選択肢を減らすようタスクを簡単にしたり、落ち着いた環境に調整することが大切であると学びました。
 
▼VDE体験後の風景
 
海外インターンシップ最終日2
 
次に、認知症の方の世界をリアルに再現した映像が流され、2人のスタッフがそれぞれ、映像に合わせて認知症患者役・その息子役を演じているのを見ました。映像の内容は認知症患者が部屋からシャワーを浴びるまでの流れでした。これらを見て、認知症は色のコントラストによって幻覚が見えたり、選択肢が多いと混乱してしまったり、急かされると不安になることを、身をもって知ることができました。その後どのように改善するべきか意見交換しました。
 
それらを踏まえて、家族の対応や環境を改善したところ、認知症の人は無事にシャワーを安全に穏やかに浴びることができました。患者だけでなくその家族に認知症という病気について理解してもらうように説明することや、環境では色のコントラストを考え、患者が目でわかるような目印をつけるなど安全で安心できるような環境に整えることが大切であることを学びました。
 

看護医療学科 4回生 梶実 花子・五島 愛永

 
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