2018.05.01 

メルボルン大学の研究チームとしてイギリスへ!~理学療法学科瓜谷准教授

昨年度メルボルン大学で1年間にわたり在外研究を行っていた理学療法学科瓜谷准教授が、同大学の研究チームとともにイギリスを訪問!現地のレポートを寄稿いただきました。
 
2018年4月22日(日)~4月29日(日)の日程で、客員研究員として1年間所属したThe University of Melbourne, Centre of Health, Exercise and Sports Science (CHESM)のメンバーとしてイングランドに行ってきました。
初めにKeele University Primary Care Centreを訪問し、Krysia Dziedzic教授が率いる研究チームとの研究交流会を行いました。Dziedzic教授とお会いするのは、私のメルボルン滞在中にDziedzic教授がCHESMを訪問された時以来2回目でした。研究交流会ではイギリス、オーストラリア、オランダの研究者が会し、各国の変形性関節症の現状や、それぞれの研究者の研究内容の紹介とディスカッションを行いました。
 
CHESM イングランド1-1
 
私は「Burden of Osteoarthritis in Japan」というテーマで、日本の特に変形性膝関節症の現状を、欧米の研究や文化などと比較しながら20分ほどプレゼンさせてもらいました。日本ではほとんどの場合、海外のエビデンスを援用することで理学療法の評価や治療が行われていますが、日本と海外の疫学的な違いや生活習慣、文化的な背景による心理的特徴の違いなどをお話しし、日本でのエビデンスを構築していくことの重要性をお話ししました。Dziedzic教授からは、Keele Universityが中心となってヨーロッパの複数の国をまたいで進められているような実践的研究を日本でも推進していくことを勧められました。
 
CHESM イングランド2-1
 
次にリバプールへと移動し、4月26日(木)~29日(日)まで、変形性関節症に関する世界最大の国際学会であるOARSI2018に参加しました。
 
CHESM イングランド3-1
 
こちらでは「The association between physical activity and psychological characteristics in people with knee osteoarthritis」という題で、メルボルン大学滞在中に行った、変形性膝関節症患者の日々の身体活動量と心理的な特徴との関係についての研究結果を発表しました。我々の研究に対して欧米や南米の研究者の方が興味を持ってくださり、深いディスカッションをすることができました。
 
CHESM イングランド4-1
 
学会では変形性関節症に関する基礎研究からリハビリテーションに関する研究まで、幅広い研究が紹介されていました。日本人で発表者として参加していた理学療法士は他にも数名いらっしゃったようですが、リハビリテーションあるいは理学療法分野での研究は残念ながらまだまだ日本は諸外国と比べて圧倒的に遅れを取っていると言わざるを得ない状況だと改めて痛感しました。
 

それと共に今回のKeele University訪問とOARSIへの参加を通じて、これからやりたいこと、やらなければならないことが少し見えてきたような気がしました。CHESMのKim Bennell教授やKeele UniversityのDziedzic教授との共同研究という形で、日本でも諸外国に負けない水準で日本に合ったエビデンスを構築していきたいと考えています。

 

理学療法学科准教授 瓜谷大輔

 
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