2018.07.02 

日本老年看護学会第23回学術集会に看護医療学科教員・健康科学研究科院生が参加・発表しました!

2018年6月23日(土)~24日(日)に福岡県久留米市にて行われた、日本老年看護学会第23回学術集会(約1,980名参加)に、老年看護学領域の教員4名が参加しました。
 
日本老年看護学会第23回学術集会1-1
 
 「つなぐ つくる つたえる 老年看護の創出―より豊かに生きることを支え合う-」をテーマに、様々な分野で活躍されている諸先生方の講演や一般演題発表が行われました。
認知症になっても暮らしやすい地域づくりやその人らしく生きるための意思決定支援など、高齢者が住み慣れた地域でより豊かに生きるために欠かせない倫理的な問題や課題、取り組みについての講演を拝聴させて頂きました。
また、人生の最終段階における医療・ケアについての講演、発表が多くみられました。
これは高齢多死社会の進行に伴う地域包括ケアシステムの構築に対応する必要があることや、英米国を中心にACP(アドバンス・ケア・プランニング)の概念を踏まえた研究・取組が普及してきていることを踏まえて、今年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が改訂されたことに関連していると考えられます。
 
今回、畿央大学大学院生の島岡、尼﨑が示説発表を行いました。
尼﨑のテーマは「高齢者施設における終末期ケアの意思決定支援に関する文献検討」でした。
海外のACPのガイドラインがどのようなものかという質問があり、今回は高齢者施設の文献検討であったこと、イギリスではNHS主催の終末期ケアプログラムの一環としてガイドラインが開発されていることを説明しました。今後も、最期までその人らしい生き方、本人の意思を尊重したEnd-of-lifeケアの実践に向けて、研究活動を進めていきたいと思います。
 
日本老年看護学会第23回学術集会2-1
 
島岡のテーマは「新オレンジプランにおける我が国の認知症カフェに関する研究の動向」でした(学術研究助成基金助成金 挑戦的萌芽研究 16K15979)
発表後に今後の研究について、「認知症カフェにはいろいろなタイプがあるが、どのような方向性でまとめていくのか」と質問を受け、「認知症カフェは主に5つのタイプに分類されるが、これをベースとして更に新しい可能性を模索し、発展させたものをモデル化していこうと考えている」と答えました。このやり取りの中から自己の方向性が再確認できました。
 
日本老年看護学会第23回学術集会3-1
 
また、今回聴講した発表の中には、認知症サポーターとなった大学生が認知症カフェを拠点にし、主体的に認知症の啓発活動を行っている紹介がありました。
 
日本老年看護学会第23回学術集会4-1
 
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若い世代の学生たちが認知症に興味を持ち、認知症を理解して当事者や家族の方たち、地域の方たちと関わることで地域のエンパワメントを高め、地域が活性化できる。また、他の同世代の若い人達に活動を紹介してくれることで更に認知症に関心を持つ若者が増えるという発表は、現在行っている認知症カフェの研究にとても役立つ内容でした。

今回の学会参加で自身の研究の発展につながる様々なヒントを得ることができ、とてもいい刺激を受けました。認知症になっても安心して暮らしていける町づくりに少しでも貢献できるように、今後も自身の研究を深めていこうと思います。

 

健康科学研究科修士課程 尼﨑裕子 島岡昌代

 
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