2018.07.11 

広陵町の町並み見学会を行いました!~人間環境デザイン学科「建築学概論」Part2

平成30年6月5日(火)と12日(火)に『建築学概論』授業内で、人間環境デザイン学科1回生と「広陵町大垣内」「馬見南」の街並み見学に行きました。
この見学会では、「建築とまち」「領域性」「家の周りの環境」に関心を持ち、旧集落と新しい住宅地の空間構成を認識・比較することを目的としており、屋外空間のスケッチや観察記録を行いました。
先日、これらのスケッチや観察記録などを授業内で発表してもらいました。今回は、その一部を紹介します。
 
外構の移り変わり
大垣内の方は、目線の高さまでブロック塀や石垣が積まれており、外からの目線が遮られ、プライベートな空間が敷地内に確保されています。馬見南の方は、塀にスリットが入っており、植木で視線を遮るような外構になっているものが多く、それぞれの家の個性・デザイン性に富んだ住宅が多くありました。
遮蔽的な空間よりもデザインを重要視するようになり、外構に求められるものが変わってきた事がわかりました。
 
建築概論第2弾1-1
 
窓に注目
大垣内の方は、窓から厳格なイメージが伝わってきて、道路に向かって開かれる窓はあまり見られませんでした。一方、馬見南の住宅には、道路に向かって小窓がいくつもあり、明るく開放的なイメージが伝わってきました。
 
建築概論第2弾2-1
 
前道路の様子
大垣内の方は、車が1台通れるくらいの狭い道路で、前方を見通せないクネクネとした道路になっていました。マンホールの数が多く、道脇に置かれている「邪魔石」が特徴的でした。昔は車を利用していなかった為、このような道路になったことがわかりました。馬見南の方は、道幅が広く直線道路でした。敷地内に必ず駐車場があり、植物の種類が多く、色が豊かでした。車道路の他に、歩行者専用の小道も設けられていました。
 
建築概論第2弾3-1
 
敷地の使われ方について
大垣内の方は、1つの敷地に何棟もの建物(蔵・母屋・離れ)が建てられており、
馬見南の方は、敷地内には1棟の住宅しか建てられていないことに気が付きました。
 
建築概論第2弾4-1
 
「窓」の外見・役割
大垣内の方には、「面格子」がついています。これは、防犯のために使われ、比較的小さな窓に設置されています。壁には、腐らないように焼かれた杉板が貼ってありました。デザイン性よりも機能性を重視していることがわかりました。
馬見南の方はいろいろな形の窓があり、それぞれの家のデザインに合った窓が設置されていました。
 
建築概論第2弾5-1
 
⑥  塀やフェンスの高さに着目
大垣内の方は、ブロック塀が積まれ、松の木など密度の高い植物が植えられています。外から覗かれることはなく、塀の内側を敷地内(住民)から観賞するような意匠です。
馬見南の方は、木製の格子が設置され、密度の低い植物が植えられています。周囲の住民も植物などを観賞することができ、共有して楽しむことができる意匠になっています。
また、防犯システムの向上により、塀を重要視する必要もなく、デザイン性に重点をおけるようになったのだと考えました。
 
建築概論第2弾6-1-down
 
表札の違い
小さな表札にも時代の変化が見られます。
表記、位置、素材、形、字体などを比べてみました。
 
建築概論第2弾8-1
 
以上7点です。
すべての作品をお見せすることができず残念ですが、全員がそれぞれ違った視点でしっかりと記録することができました。後期からは、『建築まちづくり演習』が始まり、奈良県内の古い集落を見学に行きます。
どんな発見をすることができるのか、今からとても楽しみです。
 

人間環境デザイン学科助手 中井千織

 
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