2018.07.11 

教員による研究授業レポート~看護医療学科「地域看護学概論」

平成30年7月9日(月)に看護医療学科 研究授業として、2回生を対象に松本泉美教授による「高齢者保健と看護活動」についての講義が行われ、教員12名が参加しました。
今回の授業の目標は、「高齢者保健の動向とその対策(地域包括ケアを含む)の概要が理解できる」でした。
 
研究授業1-1
 
まず、高齢化進行で課題となっている2025年問題の具体的な状況と介護する家族へ派生する健康課題、そしてそれらを社会制度として取り組むために開始された介護保険制度の概要と介護認定の動向について説明がなされました。
また、高齢者が「住み慣れた地域でその人らしい生活を継続できる」よう保健、医療、介護の連携による生活支援を充実させるための地域包括ケアシステムの構築の推進についての説明が行われ、そのあとに、認知症高齢者を支援する包括支援センターのドキュメンタリ-(DVD)を視聴しました。
DVDでは、介護保険サービス利用を拒否する認知症の高齢独居女性と認知症の妻の介護を独りでしている老夫婦に対し、他スタッフや関係機関と連携し支援しようとする介護支援専門員の活動を通して、認知症であるがゆえの介入の難しさが描かれていました。
 
研究授業2-1
 
DVD視聴後「認知症高齢者とその家族を支援する看護職として必要な役割について」を考える前提として、個人ワークでこの2事例が今後生活を維持する上で生じる課題」を考え、グループワークでの統合が行なわれました。
 
研究授業3-1-down
 
学生個人のワークでは「認知症高齢者が回りの人との関わりを拒絶すると家族との溝が生じ、制度そのものが機能しなくなる」「ますます孤立化し、家族の心身の負担が増加する」が挙げられ、グループワークでも「自ら助けを必要としないため、周りも気づかず地域との関わりが減り孤立化する」「家族の精神的、身体的、経済的負担が増加する」などが挙げられました。
また全体の感想として、「多職種と連携しネットワークを作る必要性が理解できた。認知症高齢者の話に共感し信頼関係づくりを図ることの重要性を感じた。認知症高齢者・家族それぞれの気持ちを傾聴し精神的にサポートすることが大切だと感じた。」「施設ではなく地域で暮らす認知症の方への支援について学んだ。DVDを通じて、認知症の方の理解、看護、ヘルパーなどの制度の利用が重要であることを知った。認知症の方が2025年には5人に1人になるかもしれないこと、介護保険や国、市町村の行政での支援が可能であるかが課題となっていることを学んだ。」との記載もされていました。
2事例のDVDを真剣に観る学生の様子と短時間のグループワークで考えた発表内容から、講義内容と視聴覚教材で得られた内容とが結びつき、学生の看護職としての内面の学びが得られたことを感じました。
 
研究授業5-1
 
今後、学生が地域の認知症高齢者とその家族に、病院看護師、訪問看護師、地域包括支援センターの看護師、保健師として、技術の向上を図りながら責任を持ち、保健福祉に貢献できる専門職として成長できるよう共に学びを深めていきたいと考えます。
平成30年7月12日(木)13時~14時には、教員間での授業研究が行われます。
 

                          看護医療学科助教  丸山睦

 
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