2018年9月3日の記事

2018.09.03

畿央大学夏期短期語学留学プログラム2018 現地リポートvol. 1 (イギリス出発編)

9月1日(土)から20日間、 イギリスで行われる夏期短期語学留学プログラムに参加!   畿央大学の短期語学留学プログラムは、毎年夏休み期間中に行われます。英語学習はもちろんのこと、英国文化に触れることができ、博物館見学や美術館での美術鑑賞、サッカー観戦、コンサートなど課外アクティビティを自分で計画して、イギリスでの生活を満喫することもできます。   【畿央大学夏期短期語学留学プログラム2018概要】 場  所:イギリスのカンタベリー(ロンドンの南、車で2時間程の場所にあります) 研修場所:コンコルドインターナショナルスクール 期  間:2018年9月1日から20日間 内  容:2週間英語学習(ホームステイ滞在)、その後5日間のロンドン文化体験(観光等) では、夏期短期語学留学の日々の様子を参加学生にリポートしていただきます。   2018年9月1日(土) 多くの保護者の方々やJTBの方のお見送りのもと韓国行きの飛行機に乗り込みました。 台風の影響もあり雨風が強く、9時に出発するはずが11時出発になってしまいました。無事に韓国に着いたはいいものの、イギリス行きの飛行機への乗り継ぎ時間が少なく全力で走り、なんとか乗ることができました。韓国に行くときは、あまり海外に行っているという実感がなかったですが、イギリス行きの飛行機に乗ったときは、周りに外国人の方が多くなり、いよいよこれから始まるんだと緊張しました。   ▲出発時の写真(関西空港にて)   イギリス行きの飛行機の中では、かなり揺れ、なかなかできない経験をすることができました。機内に赤ちゃんがいましたが、ずっと大きな声で泣いていました。大人には感じることのできない不安があるのかもしれないなと思いました。 機内食は、日本から韓国行きの時に軽食が一度、韓国からイギリス行きの時に昼食、間食、夕食と2時間おきに出てきました。気圧の関係で袋に詰められたものは、パンパンに膨れ上がり開けるときに中身が飛び出るといった苦労がありました(^-^; 機内食は、韓国料理が主で味付けが辛く、日本食よりも塩分が多めの料理が多かったです。でも美味しく最後のアジア料理を惜しみながら完食しました。   ▲午後6時のイギリス(ロンドンヒースロー空港、夕焼け越しのユニオンジャック)     日本時間午前5時頃(現地21時頃)無事にロンドンに到着しました。 空港から出た時は少し肌寒く感じました。匂いも日本とは違い、海外に来たことを実感しました。空港からホテル行きバスの中ではイギリスの街並みを楽しみながらも、くたくたで寝ている方が多かったです。 日本との時差は8時間あり時差ぼけを感じますが、本日よりいよいよオリエンテーションなどがあり活動開始です!   健康栄養学科1回生 秋山愛奈 現代教育学科1回生 谷口由唯   【関連記事】 畿央大学夏期短期語学留学プログラム2018 現地リポートvol.0(事前オリエンテーション編)

2018.09.03

教育学部教員による書評~森岡周教授著「コミュニケーションを学ぶーひとと共生の生物学ー」

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡周教授が執筆した「コミュニケーションを学ぶ -ひとの共生の生物学-」について、森岡教授が担当する教育学部3年次後期配当「発達障害教育特論」で対談形式の授業を行っている教育学部現代教育学科大久保賢一准教授より書評が届きました。     本書の目的は「人間」を理解することである。人と人との間で繰り広げられるコミュニケーションを主題としながら、社会の成り立ちや有り様を描き、「人間らしさ」とは何かということに迫る。著者は、様々なレベルにおける「相互作用」にフォーカスし、重要な先行研究を引用しつつ、巧みにそれらの知見について解説していく。   まずフォーカスされるのは、神経細胞間の相互作用である。細胞同士がシナプスによって結ばれることによって神経システムが形成され、様々な神経伝達物質や電気信号のやり取りが絶えず行われ、それが感覚や運動の基盤となっていることを理解することができる。つまり、「細胞間のコミュニケーション」が我々のあらゆる活動の土台となっているのである。専門外の読者には、一見取っ付きにくい内容に思えるかもしれないが、美しいイラストや様々な具体例が用いられ、わかりやすく解説されている。本書は、優れた生物学、あるいは生理学のテキストとしての側面を持つといえる。   次にフォーカスされるのは、人と人との相互作用である。本書においては、その基盤となる言語、メタ認知、記憶、共同注意、心の理論、共感、アフォーダンスといった重要な事項について、様々なトピックの中で、その基盤となるメカニズムについて解説されている。本書は、基礎的な心理学のテキストとしての側面を持つといえる。   フォーカスの対象は「集団」へと拡げられる。それは個人と集団の相互作用、集団内における個人間の相互作用、あるいは集団間の相互作用である。著者はアリを例にあげ、捕食されるリスクと餓死リスクを同時に最小化するために社会的分業を生み出した超個体(super organism)としての組織プロセスについて解説している。集団内において個体同士が相互作用し、連携・連動・分業を行いながらある目的を共有して組織として機能している様子は、個体内における神経システムのそれによく似ていると感じられる。本書は、先駆的な社会学のテキストとしての側面を持つといえるであろう。   皮膚の内側、対人関係、そして社会や組織といった様々な次元における「コミュニケーション」について分析し、「わたし」という自己に対する意識、「あなた」という他者の理解、そして人間社会の有り様を描き出し、さらにそれぞれが相互作用をしているというダイナミズムを体感することができる。さらに本書においては、より発展的なコミュニケーション論として、ゴシップ、文学、儀式、芸術、SNS、拡張現実、AI、機械学習などにも触れられており、現代的なトピックについても「コミュニケーション」という切り口から分析されている。   さらに本書の特徴としてあげられるのは、一見「コミュニケーション」という主題との関連性が見えづらい「身体」の役割について重点的に取り上げられている点である。これは著者の理学療法士としての経歴が影響しているのかもしれない。例えば「共感」といわれるプロセスにおいて、表情、姿勢、動きの同調が影響しており、乳幼児期における手さしや指さしといった身体の動きが、共同注意(joint attention)において重要な役割を果たしていることが指摘されている。   友人、家族、恋人など様々な対象において、あるいは学校や職場など様々な状況において「コミュニケーション」は重要な役割を果たしており、また同時にそれは我々の重大な悩みの種でもある。本書はそのようなコミュニケーションに関わる悩みに対して具体的に指南をしてくれるようないわゆる「ハウツー本」ではない。本書は「自然現象」としてのコミュニケーションを科学的に解説したものである。それは「なぜ人々がそのように行動するのか?」を知るための材料となり、様々な問題を抱える者の困難性を科学的に理解し、効果的に支援するための材料となるだろう。 現代教育学科 准教授 大久保賢一 【関連記事】 脳科学×特別支援教育で教員特別対談!~現代教育学科「発達障害教育特論」(2017年) 「発達障害教育特論」で理学療法学科と現代教育学科の教員が特別対談!~現代教育学科(2016年)