2018.09.25 

日本老年看護学会 2018年度 生涯学習支援研修会参加レポート~看護医療学科教員

2018年9月22日(土)~9月24日(月)の3日間、三宮コンベンションセンターで日本老年看護学会 2018年度 生涯学習支援研修が行われました。研修会では看護医療学科老年看護学の山崎尚美教授が生涯学習委員として、老年看護学の教員全員が運営協力員として参加しました。
 
日本老年看護学会1-1
 
この研修は、9月22日の基礎編と9月23日・24日の認知症看護対応力向上研修となっています。認知症看護対応力向上研修とは、2016年の診療報酬改定によって新設された「認知症ケア加算2」に対応して日本老年看護学会生涯学習委員会が主催する研修事業です。9月22日・23日の2日間、日本老年看護学会生涯学習支援委員会 委員長の北川公子先生(共立大学)もご挨拶に駆けつけて下さり、加算の要件としてのみならず、一人でも多くの方が研修を通して適切な認知症看護を知り実践してほしいという想いを語ってくださいました。
 
日本老年看護学会2-1
 
初日の基礎編では 「高齢者の心身の理解と生活機能の維持向上ケア」と題し、老人看護専門看護師の稲野聖子先生や西山みどり先生が高齢者の心身を捉える視点や摂食嚥下・排泄ケアについての援助などをご講演くださいました。
 
日本老年看護学会3-1
 
認知症看護対応力向上研修では、山崎教授をはじめ、佛教大学看護学科教授の松岡千代先生、認知症看護認定看護師の阿部慈美先生、岡山県片山内科クリニックの片山禎夫先生、兵庫県立大学看護学部教授の高見美保先生、大阪市立大学大学院看護学研究科教授の白井みどり先生、松江看護キャリアセンターの認知症看護認定看護師・髙原昭先生、大阪府立大学大学院看護学研究科教授の長畑多代先生と、多くの認知症ケアの著名な先生方がご講演くださいました。
内容は、認知症の原因疾患と病態・治療や入院中の認知症患者に対する看護に必要なアセスメントと援助技術、コミュニケーション方法及び療養環境の調整方法、行動・心理症状、せん妄への予防と対処法、認知症に特有な倫理的課題と意思決定支援、家族への支援、地域包括ケアと退院支援、チームアプローチ等多岐にわたり、講義や演習を交えて12時間の研集会でした。参加者は66名で、長時間の研修会にも関わらず皆さん熱心に聴講され、演習では活発な意見交換や、ケースに応じた具体的な対応策を考えておられました。
 
日本老年看護学会4-1
 
講義を聴講する中で、認知症の方とのコミュニケーションの取り方では、周りの環境からその方が置かれている状況を理解し、その方の心情を読み説くための想像力が必要であり、偏見を持って接しないことが大事であると改めて感じました、また、認知症の方への身体拘束では、すべての参加者の所属施設が何らかの形で身体拘束を行ったことがあるという現実を知り、医療現場での対応の難しさを感じました。しかし、この研修会に参加した方から認知症看護の認識が変わり、身体拘束をしなくても済む事例が少しでも増えればと思いました。今回の研修会では自分自身も認知症の方やそのご家族に対する接し方で刺激された部分が多々あり、また学生への実習現場の指導に役立てていこうと思います。
 

看護医療学科 助手 島岡昌代

 
【関連記事】
平成30年度第3回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科
平成30年度第2回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科
川上村健康力向上プロジェクト「認知症教室」を開催!~看護医療学科
「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科
日本老年看護学会第23回学術集会に看護医療学科教員・健康科学研究科院生が参加・発表しました!
川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科

この記事をシェアする