2018年11月13日の記事

2018.11.13

今井町“みんなでつくろう!”床几プロジェクト~人間環境デザイン学科

2・3回生が学科の枠をこえて地域の課題解決に取り組む人間環境デザイン学科の「プロジェクトゼミ」。今井町での取り組みをレポートします!     みなさんは、奈良県橿原市にある今井町をご存じでしょうか? かつて「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁栄した町で、現在も町の大半の町家が保存され、江戸時代の姿をそのまま残す今井町は、「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されています。   今井町での過去のゼミ風景を撮影した「畿央生の一日~人間環境デザイン学科編」   今回の活動の発端は、今井町自治会長さんからのある依頼からでした。 「今井町で、何か賑わいづくりができないだろうか…」 かつての今井町では、人々が縁台を出して夕涼みや付き合いを行っていました。しかし、現在はその姿が見られません…。かつての賑わいを取り戻すため、昔ながらの風景を再現するため、 街角に床几(しょうぎ)を設置してみよう と学生たちが提案しました。   【平成30年9月13日(木)】 まずは、学生それぞれが床几のデザイン案を持ち寄り、その中から厳選された6種類のデザインをもとに、10分の1に縮小したミニ模型を制作し、プレゼンテーションを行いました。     10月初旬に、今井町で部材を塗装することが決まっていたので、プレゼンテーションが終わってからは急ピッチで作業を進めました。 (必要な部材の図面を書く➡材木屋へ発注➡納品された材木に墨を引く➡細かい加工を工務店に依頼など)     【平成30年10月5日(金)】 用意した木材を今井町に運び入れ、さっそく塗装をしていきました。 色は、今井町の町並みに合うように、黒と焦げ茶の2種類を使用しました。 100を超える部材の塗装作業は3時間程で終了しました。   【平成30年10月19日(金)】 いよいよ組立作業です。 自治会の方々、地元の大工さんたちに助けてもらいながら、一緒に組み立てていきました。 図面で書いた通りに加工をしていたはずが、いざ組み立てると違う加工になっていたり、部材が足りなかったりと、ハプニングは多少ありましたが…無事6種類9台を完成させることができました!     完成した床几は、今井町内の住民の方々の協力で私有地の軒先や玄関先などに置かせていただきました。現在も、今井町内に9台の床几が設置されています。 今井町へ行かれるときは、6種類の床几を見つけてみてください。そして、ぜひ座ってみて下さい。 今回、ご協力いただいた今井町の住民の皆さん、自治会の皆さん、本当にありがとうございました!     この活動は、11月9日(金)朝日新聞の朝刊に掲載されています。     人間環境デザイン学科  助手 中井千織   【実際に制作に参加した学生の感想】 実際に自分たちで図面をおこし、木を加工するなど実践して作る機会はなかなかなく、学ぶことが多くありました。このような機会を設けていただき本当にありがたいです。 設置場所がもつそれぞれの雰囲気に合うような色やデザイン、寸法など多くのことを考えながら案を考えました。   2回生 松下茉由     床几の足の部分を橿原市の花であるクチナシの形に型を抜き、中にライトを入れ込みました。 夕涼み時になると点灯し花が浮かび上がるデザインにしました。手作業だったので花の形を抜くのに苦労しましたが、実際に完成し床几から照らされたクチナシの花が浮かび上がったのを目にしたとき言い表せない感動を覚えました。            2回生 櫻井香月     今井町のイメージである格子を背もたれに取り入れたデザインにしました。また設置場所に格子があったため格子の横幅や間隔を測り、同じ寸法になるように制作しました。この床几は格子と同じ組み立て方にするため、ビスを用いず、木にほぞ穴加工を施し、木材同士を組んでいきました。組み立て終わり設置した際に夕焼けに照らされ伸びた格子の影がとても綺麗でした。 2回生 阿部きらり