2018.11.28 

第16回日本神経理学療法学会学術集会で教員・大学院生など5名が発表!~健康科学研究科

平成30年11月10・11日(土・日)に大阪国際会議場にて第16回日本神経理学療法学会学術集会が開催されました。本学会は「次代を担う」をテーマに開催され、2000名以上の方が参加されました。
 
本研究室からは信迫助教をはじめ、植田さん(客員研究員)、高村さん(博士後期課程)、藤井さん(博士後期課程)、水田さん(博士後期課程)が発表を行いました。
 
演題名は以下の通りです。
 
<口述発表>
・信迫悟志「脳卒中後失行症と視覚‐運動統合障害に共通した責任病巣―映像遅延検出課題とVoxel‐based lesion‐symptom mappingからの証拠―」
・植田耕造「Pushingの出現に付随して自覚的姿勢垂直位の傾斜を認めた重度左半側空間無視の一症例」
・高村優作「空間性/非空間性注意の包括的評価による半側空間無視の回復過程の把握」
・水田直道「脳卒中後症例における運動麻痺と歩行速度からみた歩行障害の特性―運動学/筋電図学的な側面からの検討―」
 
<ポスター発表>
・藤井慎太郎「脳卒中患者における静止立位時の側方重心偏倚の特徴に着目した重心動揺特性分析」
 
fig.1
 
たくさんの方が参加されており、フロアでは活発な議論がされておりました。
 
また、特別公演「私らしさを取り戻すということ―身体性システム科学の視点から―」と、シンポジウム「中枢神経障害の歩行再建を担う」では森岡周教授が情報提供をされました。どちらの講演もSynofzikの論文から、感覚運動表象、概念的表象、メタ表象という3つの階層を軸に、社会的人間としての役割も含めた「私らしさ」の重要性について、行為主体感・身体所有感の視点から説明をされていました。
 
 
2日目には第52回日本理学療法学術大会と第15回日本神経理学療法学会学術集会の表彰式が行われました。
前者の最優秀賞で森岡教授,後者の学術集会長賞で信迫助教がそれぞれ表彰されました!
 
fig.2
 
近年、装具療法や電気刺激療法に加え、経頭蓋磁気刺激やロボティクスなど、様々な視点からの介入が注目されており、講演や演題発表においてもその効果やメカニズムに触れた内容がたくさんあったように思います。また、再生医療の治験に関する講演もあり、今後ますます神経理学療法の分野が広がっていくであろうことを感じました。
 
どの介入も有効性が報告されており、臨床応用されていくことが期待される一方、介入ありきではなく、病態特性を考慮した適応と限界についても考えていく必要があるのではないかと思いました。こういった場で時間を共有し、たくさん議論する中で、研究と臨床がつながるように方向付けしていくことが、より良い医療を提供するために重要であると感じた二日間でした。
 
最後に、学会運営や準備、発表や参加をしたみなさまに、貴重な時間を提供していただいたことを深く感謝いたします。
 

畿央大学大学院 健康科学研究科

修士課程 古賀 優之

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