2019.08.13 

「バーンデザイン」第4弾!葛城自動車学校倉庫~人間環境デザイン学科加藤ゼミ

人間環境デザイン学科加藤ゼミ、4回目となる「バーンデザイン」レポート

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今年度で4年目となる「バーンデザイン」は最大のピンチにおちいりました。昨年までは関屋地区の農業を盛り立てるというスローガンのもと、主に農家小屋にペイントをして環境アートをつくってきました。しかし、電車内からよく見えるという条件を満たす農家小屋はすべて塗りつぶしてしまったのです。
意気消沈して五位堂駅で降りる寸前、葛城自動車学校の倉庫が目に飛び込んできました。妻側の幅が15mもある大きな壁面です。これだ!と思い、突撃開始しました。葛城自動車学校様も初めは戸惑っていらっしゃいましたが、次第に打ち解けていきました。しかし先方様にとって、どんなものが描かれるのか不安だったと想像します。まず、昨年12月、私がラフなスケッチを持っていきデザインの方向性を示しました。
 
▼ラフデザイン案
無題
 
その後、今春からゼミ生と現場を視察し、自動車倉庫を採寸しました。次にゼミ生を4グループに分け、それぞれ1つずつデザイン案を作成し、葛城自動車学校様にもっていきました。
 
▼学生からのデザインA案
A案題
 
▼学生からのデザインB案
B

                                                                                                                                                           ▼学生からのデザインC案

C案

 
▼学生からのデザインD案
D案
 
 
A,B,C,Dのデザイン案を審議された結果、C案に決定しました。C案の原画作成者は3回生の北村航太君です。彼には総合ディレクターになってもらい、プロジェクトは進行していきました。
 
提案したデザイン画は縮尺1/50のため、実際の大きさにするためにデザイン画を50倍しなければなりません。コピー機で単純に4倍して、それを4倍してまた3.125倍するという地味な作業を繰り返し、幅15mの実寸大原図が出来上がりました。ここまで順調に進んでいきましたが、思わぬ問題が発生したのです。実はイラストの中に香芝市イメージキャラクターの「カッシー」を採用し、その利用許諾通知書(環境アートの目的として)もいただいておりました。ところが、香芝市都市環境部都市計画課のほうから「屋外広告物」にあたるのではないかという指摘がありました。その条例では、イラスト画の面積が壁面面積の1/3以下にし、かつ20㎡を超えてはならない、というものでした。つまり今のままですと条例違反になります。えーーーー、困った‼一時は今回のプロジェクトの中止も考えたほどです。
香芝市の方からも助言を受け、今回は香芝市が公共の利益のために表示するもので、自家用広告物という範疇になり、幸いにも「適用除外」ということになりました。イラストには、設置者:香芝市と明記し、「くらしば しごとば めぐりば 香芝」という香芝市のキャッチフレーズを入れることになりました。いろいろとありましたが、逆に産学官連携事業としてのお墨付きをいただいたようで再びプロジェクトは動き出しました。
 
▼作業の様子
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▼香芝市のキャッチフレーズ「くらしば しごとば めぐりば 香芝」、設置者:香芝市
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8月8日(木)、現場作業の初日を迎えました。当日は朝の9時からうだるような暑さで、熱中症が心配されました。十分な水分補給、キャンデー補給をしながら始まりました。日中は思考能力がゼロ状態でしたが、それでも3回生は暑さにめげずに頑張ってくれました。夕方からは暑さもやわらぎ、試験を終えたばかりの2回生も加わってもらい、集中して作業がはかどっていきました。当初は2日間でも完成しないのでは、と考えていたぐらいでしたが、蓋を開けてみれば日没時にすべて完成していました。
大阪方面から近鉄電車に乗られたら、五位堂駅に到着する直前に、駅北側手前(進行方向に向かって左側)にある「葛城自動車学校倉庫」を見て下さいね。
 
▼完成!
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ちなみに毎年、学生がデザインしたTシャツをユニフォームにして作業をしています。
 
▼今年のTシャツデザイン(3回生の橋本菜緒さんがデザイン)右側の写真は畿央大学の文字を書いた山下創平君です。
合成
 
▼担当者葛城自動車学校の方々と記念撮影
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※徐行の標識は自動車学校の筆記試験によく出題されます。徐行の標識を再認識していただくたため、デザインの中に取り入れました。徐行の標識は左側から2人目の八田采芽さんが描きました。
 
~参加した学生からのコメント~
●北村 航太君
旅行用キャリーバッグに貼られているステッカーをイメージしてデザインしました。ステッカーなので、時間が経って風化したとしても味がでて、いい感じになると思います。
 
●稲井 葉澄さん
作業開始前は2日間の日程でも終わらないと思っていましたが、みんな頑張って進めようとという気持ちが強く、一人一人が積極的に取り組んだので、1日で完成することができました。炎天下での作業だったので大変でしたが、みんなで楽しく会話もしながら進めることができました。
 
●陣田 真衣さん
1日中、陰が出来ない南面の壁に描いたのでずっと暑かったです。当初は2日で終わらないかもしれないと焦っていましたが、みんなで協力して、予定よりとても早く1日で出来上がりました。壁に写しとる方法に試行錯誤して原寸大コピーをしましたが、最終的にはグリッドを設けて直描きをし、仕上げることができました。誰か熱中症で倒れるかもしれないくらいほんとに暑かったです。が、誰も倒れず怪我もせず完成できて良かったです。
 
●福嶋 佳奈子さん
こんなにも大きなキャンバスに描くことは初めてで、貴重な体験ができました。達成感が半端ありませんでした。
 

人間環境デザイン学科 准教授 加藤信喜

 
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