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看護医療学科 海外インターンシップ2019 in オーストラリア 現地レポートvol.6(教員総括)

2019年9月8日(日)

看護医療学科ではオーストラリアビクトリア州のメルボルンで「海外インターンシップ」を行っています。今年度で4回目の研修になりますが、2019年8月24日(土)から31日(土)の日程で、2回生8名が参加しています。大学の講義に参加したり、高齢者施設を見学したり、オーストラリアの緩和ケアや認知症ケアなどについて学ぶことを目的にしています。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。

 

7日目:8月30日(金)

研修最終日の今日は、ワトソニア駅の近くにあるWATSONIA RSL Sub Branch Incorporated HOLDER of CLUB LICENCE を訪れ、ジュリー・ポールさんにACP(アドバンス・ケア・プランニング人生会議)やオーストラリアの医療制度、高齢者ケア、緩和ケアについての講義を受けました。

今回は、日本語通訳のモニカさんにも私たちの学習を助けていただきました。

「人生会議」は、2018年厚生労働省で決定された愛称。ACPについて

 

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▲ジュリーさん(右)、モニカさん(中央)

 

午前の部では、主に緩和ケアについての講義を受けました。

緩和ケアだけではありませんが、コミュニケーションには言葉だけでなく、たとえばカードなどのツールを使うことが有効なこともあります。写真は、カードを使って現在の自分の気持ちを表現している様子です。モニカさんに通訳していただきました。

緩和ケアは生活の質(QOL)に焦点を当てており、身体的ケアに集中しすぎるのではなく、「亡くなるまでに何をしたいか?」など、患者さんに問いかけることが大切であると学びました。緩和ケアと終末期ケアは異なっていますが、多くの人が間違った捉え方をしていることを知りました。

緩和ケアの対象となるは、慢性疾患であること、進行性であること、末期の段階があること、生活の質が大切であることが重要なポイントとなっています。例えば、緩和ケアが必要となる疾患には、がん、心不全、ALSやパーキンソン病、認知症などがあります。

ジュリーさんは、学生に、緩和ケアとはどのようなものであると考えるか、なぜ緩和ケアの重要性が高まっているのか、緩和ケアを受けるようになる疾患は何かなどを問いかけ、学生は自分の考えや意見を英語で伝えることができました。

 

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▲講義中の様子

 

昼食は、サンドイッチで、休憩時間の際にはコーヒーや紅茶、フルーツ、チーズ、クラッカーなども登場しました。

 

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▲昼食の写真

 

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▲ゲームでリラックス

 

休憩時には、移動の疲れをとり、緊張感をとりリラックスするために「ラッパすいせんゲーム」をジュリーさんが教えてくださり、みんなで楽しみました。

午後からは、主にACPやオーストラリアの医療制度についての講義を受けました。また、ペアでACP実践のための演習を行いました。

ACPについては、5月にジュリーさんが来日した際にも講演を聴きましたが、今回は少人数での講義だったため、質問をするなどして積極的に講義に参加でき、より学びを深めることができました。

ACPは患者の意思決定支援であり、その支援にはツールがよく使われます。演習では、患者役と看護師役になって、カードや冊子を使って患者の意思決定支援の練習を行いました。

 

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▲カードや冊子を使った意思決定支援の演習の様子

 

カードを使った意思決定支援は「尊厳を保ってほしい」「家族と一緒に過ごしたい」「自分が望む形で最期を迎えたい」などのカードを、「自分にとって重要な事柄である」「あまり重要ではない」「全く重要ではない」の3つにわけてもらい、治療における患者さんの意思を知るというものでした。演習を通して「自分が望む形の最期」は1人1人異なることや、延命治療は望まないといってもその人にとっての延命治療はどこまでなのか、など理由や背景が異なるため、患者さんと話し合って深掘りすることで、患者さんの生命の質を高めることにつながることを学びました。

また、オーストラリアの医療制度は3つの行政(中央・州・地方自治体)に支えられており、日本とは異なりますが、高齢化が進み、病気の人が増えているため、緩和ケアの重要性が高まり、よりACPが必要となっていることがわかり、日本と共通していると感じました。

最後には、ジュリーさんから終了証書をいただき、無事研修を終えることができました。

メルボルンで過ごした5日間で、緩和ケアや認知症ケア、意思決定支援などに対して、インターンシップに参加する前とは異なり、多方面から考えることができるようになり、各々が成長を感じたとともに、後期からの授業のモチベーションを上げることにつながりそうだと感じました。このような機会が得られたことに感謝したいと思います。

 

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▲終了証書を持って集合写真

 

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▲ポール夫妻との記念写真

 

今日は、メルボルンで過ごす最後の夜だったため、自由時間を有意義に過ごすことができました。各々、やり残しがないように、スーパーで最後の買い物をしたりして自由に過ごしました。

 

看護医療学科2回生 森永 菜緒 

 

【教員総括】8日間の研修を終えて

 

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▲香港空港でのトランジット待ち

 

8日間の研修が無事に終了しました。

今回は看護医療学科2回生8人の学生たちが参加しました。4月から学内で、日本とオーストラリアの認知症ケアや緩和ケアの実際について事前学習に取り組みました。また、ラ・トローブ大学の学生と事前にメールでのコミュニケーションを図り、現地に入ったあとも畿央大学や奈良についての英語でのプレゼンテーションの練習を行ってきました。実際に、渡豪してみたら学生たちは道に迷ったら英語で質問することができ、そして移民の国ならではの人の優しさに触れていました。

また、今までの受け身な学習態度からラ・トローブ大学の学生のプレゼンや授業を受けて「もっと勉強しないといけない」と自己の学習態度を振り返っていました。そして、自ら確認することの大切さを学び、今までの自分たちはわかったつもりでいても分かっていなかったことに気づき、新たな学習意欲につながったと思います。

認知症ケアや緩和ケアなど、まだあまり学習していない内容を、学生ならではの視点で毎日、1人1つの質問をするなど、日々の学生の成長を実感しています。

最終日のACP(Advance Care Planning)のコミュニケーションの図り方の実際を患者役と看護師役になりロールプレイを行うという演習では、積極的に英語で質問ができるようになっていきました。

 

今回の研修の成果発表は、10月5日(土)の12:00-12:30にL301講義室で行います。成長した学生たちの姿をみて、意見交換をしていただけることを期待しています。

多くの方に聴講していただきたいと思います。

 

 看護医療学科 教授 山崎尚美

  准教授 林田麗

 

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【所属カテゴリ】畿央の学びと研究看護医療学科

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