健康科学部 2023年度版
更新日:2024/02/26
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
422100
専門基礎科目
人体の構造と機能
1回生 後期
授業コード 科目名 単位
422101
脳科学入門
2
代表担当者名
大住 倫弘
科目内容
〔授業の到達目標〕
脳科学はヒトを理解するために欠かすことのできない学問です.本授業では,看護領域で対峙する脳損傷患者の問題を理解するために,ヒトの思考・感情・行動を支える脳機能について学びます.実際には,脳科学をベースにした簡易実験を取り入れながら,脳科学の理解を深め,看護実践に役立つ知識・思考力を磨いてもらいます.加えて,国家試験の演習も取り入れ,授業で学んだ脳科学がどのように看護実践で役立つのかを整理してもらいます.

〔授業科目内容の概要〕
臨床現場では,病理によって正常な脳機能が損なわれた症例と対峙することになります.そのような症例が体験している世界を理解するための材料として本授業を活用し,特に,「認知機能障害」「痛み」「精神疾患」「気分障害」「社会的コミュニケーション」について理解する時間を多く設けながら,以下のような授業計画とします。

〔授業計画〕
第1回 イントロダクション&脳の基本構造
第2回 情動・感情の脳科学‐抑うつを理解するために‐
第3回 記憶・学習の脳科学 -認知症を理解するために-
第4回 感覚・知覚の脳科学‐ヒトの脳はだまされやすい?-
第5回 痛みの脳科学(1)‐痛みは脳の影響を受けやすい?‐
第6回 痛みの脳科学(2)‐慢性疼痛を理解するために‐
第7回 注意の脳科学 -集中力が続かないワケ-
第8回 運動制御・姿勢制御の脳科学について‐脳卒中後の運動障害を理解するために‐
第9回 共感の脳科学‐ヒトは他者の痛みを理解できるのか‐
第10回 社会性の脳科学 -信頼・コミュニケーション・道徳を脳科学から学ぶ-
第11回 自己・他者の脳科学 -統合失調症の病態を深める-
第12回 言語処理と言語産出のしくみ - 失語症理解のために -
第13回 脳活動計測-簡易脳機能イメージング装置を用いて-
第14回 授業の復習・テスト対策・国家試験問題の演習
第15回 定期試験
第16回 最新の脳科学 -脳のみえる化・脳と機械をつなぐ・脳を刺激する-

〔授業外学修の指示〕
脳科学に関する著書を1冊でも良いので読む。

〔使用教材〕
坂井建雄、久光 正 監修「ぜんぶわかる 脳の辞典」成美堂出版 ISBN:9784415309996
この一般向きにやさしく書かれた教材を用いるが、より専門的な知識は必要に応じて講義中にプリントや映像により提供します。

〔参考図書〕
授業中に随時紹介する。

〔成績評価の方法・基準〕
定期試験(50%) 簡易レポート(50%)

〔学生へのメッセージ〕
「脳科学」というと難しいイメージがありますが,本授業は簡易実験を取り入れながら体験的にじっくりと学んでいくスタイルです.将来的に医療現場で出会う患者さんの理解を深めるために一緒に学びましょう.

〔教員の実務経験〕
理学療法士として脳科学のエビデンスに基づくリハビリテーションの実践および研究をしてきた経験を活かし、そこで得られた経験とデータを提示しながら、医療者として知っておくべき脳科学を学生に教示している.
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SFH1421

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(3)豊かな教養と幅広い視点を持っている。(知をみがく/知識・理解)
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