健康科学部 2023年度版
更新日:2024/02/26
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
458210
専門基礎科目
人体の構造と機能・疾病の成り立ち
2回生 前期
授業コード 科目名 単位
458211
味覚生理学演習
2
代表担当者名
山本 隆
科目内容
〔授業の到達目標〕
(1)食べ物は口から摂取するのであるから、口の重要な働きとして、咀嚼、唾液分泌の働きを理解できる。
(2)味の刺激を受け取る味蕾、味覚受容体、味の相互作用を理解できる。
(3)味の質の分析、おいしさ・まずさの判断、食べ物の好き・嫌いの発現などの脳の仕組みを理解できる。
(4)おいしい食品の開発に関する基礎的な知識を身につけることができる。

〔授業科目内容の概要〕
管理栄養士にとって、食材の栄養価やカロリー計算、それをもとにしての調理技術の獲得が基本的に重要であることは言うまでもない。しかし、それだけでは不十分であって、食べ物を味わう生体側の生理機能、特においしく味わうための味覚の仕組みを知ることは、おいしい食べ物を調理したり開発するうえでも重要である。従って、本授業では、味覚の生理学を種々の観点から楽しみつつ詳しく学び、簡便な実習を加えることにより、おいしく味わう体の仕組みをより深く理解する。

〔授業計画〕
第1回 序論 -味覚生理学演習では何を学ぶのか?-
第2回 咀嚼について 歯、咬合力、咀嚼のしくみ、咀嚼力、咀嚼能率 嚥下
第3回 唾液について 唾液の組成、分泌機構、味覚唾液反射
第4回 味わうということ 味覚、嗅覚、触覚、温度覚、痛覚、視覚、聴覚の相互作用
第5回 味覚受容体 舌乳頭、味蕾、PTC、PROP
第6回 味覚情報の伝達と中枢処理 味覚伝導路、大脳皮質味覚野、情報伝達のしくみ
第7回 味覚の修飾 対比、抑制、増強、相殺、相乗、ギムネマ、ミラクルフルーツなど
第8回 味覚閾値の測定 畿央大学式味覚テスト、ラムネ式味覚テスト
第9回 味の評価 官能評価、Visual analogue scale、Stevensの法則、Fechnerの法則
第10回 香辛料の科学 各種香辛料の種類と刺激のメカニズム
第11回 味の合成 カニの味、プリンに醤油、味覚センサー
第12回 味覚学習と食べ物の好き嫌い 嗜好調査、嗜好学習、嫌悪学習
第13回 うま味とコク MSG、IMP、GMP、和食の特徴、コクの概念
第14回 おいしさと食行動 おいしいとなぜ食べすぎる? 脳内物質の働き
第15回 おいしい食品の開発 長期嗜好の飲み物、食べ物の条件は?
第16回 定期試験

〔授業外学修の指示〕
新聞、テレビなどのマスコミで報道される食や調理に関する最新の知見にも常に関心を持って理解しておくこと。

〔使用教材〕
指定教材:『楽しく学べる味覚生理学ー味覚と食のサイエンス』山本 隆、建帛社、2017年(ISBN978-4-7679-6188-0)
教科書(指定教材)に従って講義を進めるが、必要に応じて資料等を配布し、基本的な実習を行う。パワーポイントにて説明を加える。

〔参考図書〕
『味のなんでも小事典」』日本味と匂学会編、講談社ブルーバックス、2004年(ISBN4-06-257439-X)
『続おいしさを測る 食品開発と官能評価』古川秀子、上田玲子、幸書房、2012年(ISBN978-4-7821-0363-0)

〔成績評価の方法・基準〕
授業態度とレポート課題(30%)を出し、その成績の評価も考慮しつつ、最終的な評価は定期試験の結果(70%)により決定する。

〔学生へのメッセージ〕
自主的に勉強し、教科書や提供される教材により理解を深めること。また、不明な所は質問をすること。

履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SFH1222

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)食や栄養に関する高度な専門知識・技能を修得している。(知をみがく/知識・理解)
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