健康科学部 2023年度版
更新日:2024/02/26
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
469500
専門科目
アパレル・造形
1回生 後期
授業コード 科目名 単位
469501
アパレル整理学
2
代表担当者名
川瀨 德三
科目内容
〔授業の到達目標〕
近年の繊維製品の品質向上と多様化は目覚しく、様々な新商品が販売されるなど、生活者の衣生活を豊かにしてくれている。しかし、一方では、取り扱い方法を誤ったために思わぬ失敗を引き起こすこともしばしばである。本講義では、洗濯、仕上げ、保管などの衣服の日常の管理が、どのような学理に基づいて行われているのかが理解できる。

〔授業科目内容の概要〕
日常生活と非常に関連の深い衣料品について、その素材特性から使用・保管に至る取り扱い方について、生活と密着させて考える。最初に、衣服に付着する汚れの種類や特徴について解説した後、洗剤の主成分である界面活性剤の構造とその働き、石鹸と合成洗剤の違い、洗浄の理論、洗浄の条件、漂白・増白・染み抜き、仕上げと保管などについて学習する。特に「洗浄」については重点をおき、界面活性剤の特性や洗浄メカニズムを科学的に理解するために、実例を提示しながら解説する。また、洗剤と水質汚染をはじめとする地球環境問題についても関心が持てるような授業を行う。講義は衣類の洗浄を対象としているが、住宅・設備材料などの洗浄と共通する内容を多く含んでいる。

〔授業計画〕
第1回 ガイダンス アパレル整理学の位置づけ、概要説明
第2回 繊維製品の機能低下 汚れの種類、成分と付着機構
第3回 洗濯用水と衣料用洗剤 硬水と軟水、洗剤の歴史、表示
第4回 洗剤の成分と洗浄作用(1) 界面とは何か、界面活性剤(構造と種類)
第5回 洗剤の成分と洗浄作用(2) 界面活性剤の吸着、ミセル、浸透・乳化・分散現象
第6回 洗剤の成分と洗浄作用(3) よごれ除去のメカニズム、油汚れと固体汚れ
第7回 洗剤の成分と洗浄作用(4) 洗浄剤に含まれる添加剤(ビルダー)の役割
第8回 漂白と増白、しみ抜き、糊つけと仕上げ
第9回 衣類の保管と衛生 防虫・防カビ・抗菌
第10回 洗浄力評価法(1) 汚染と洗浄率
第11回 洗浄力評価法(2) 機械力・衣類の損傷
第12回 機械力と洗濯機 歴史と文化
第13回 家庭洗濯と商業洗濯(ドライクリーニング)
第14回 取扱い表示
第15回 衣類の廃棄とリサイクル

〔授業外学修の指示〕
講義は衣類の洗浄を対象としていますが、住宅・設備材料などの洗浄と共通する内容を多く含んでいることに気づくことでしょう。生活と直接かかわる内容なので「聴いて得した」と思ってもらえるよう分かりやすく講義することを心がけています。ただ、記憶にたよるだけの授業にしたくないので、何故?を理解してもらうよう、時には科学的、化学的な説明を行います。また、自分自身の生活の中で、常に生活環境構成材料を意識し、授業内容を実践的に理解するよう心がけて下さい。

〔使用教材〕
毎授業時に講義資料を配布する。講義概要を解説した動画を提供することもある。

〔参考図書〕
『被服管理学 (生活科学テキストシリーズ) 』増子富美・齊藤昌子・小林政司他著、朝倉書店、2012年 (ISBN 978-4254606324)
その他 適宜紹介する。

〔成績評価の方法・基準〕
1.受講態度(評価 10%)(授業中の質問や応答など授業への参加度と準備度を評価する。なお,私語や無断退室など受講上望ましくない行為に対してはマイナス評価を与える)
2.講義内容に関連した課題レポートを複数回課す(評価 30%)
3.定期試験(最終試験レポート)を課す(評価 60%)
で総合評価する。

〔学生へのメッセージ〕
家庭用洗剤の品質表示を調べることにより、これらにはいかに多くの界面活性剤以外の成分が含まれているか、それらは本当に必要なのか、といったことも学習します。講義は衣類の洗浄を対象としていますが、住宅・設備材料などの洗浄と共通する内容を多く含んでいることに気づくことでしょう。化学的内容を少し含んでいますが、「化学」を勉強してこなかった人にも理解してもらえるような授業を心がけますので、興味をもって聴いて下さい。また、授業だけでなく、日常生活の中でも自分自身をとりまく素材の管理について考えることを心がけて下さい。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SSⅢ1331

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)建築・デザイン分野に関する総合的な知識と専門的視点を有している。(知をみがく/知識・理解)
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