健康科学部 2023年度版
更新日:2024/02/26
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
469600
専門科目
専門分野Ⅲ
2回生 前期
授業コード 科目名 単位
469601
アパレル材料学
2
代表担当者名
庄 健二
科目内容
〔授業の到達目標〕
「新型コロナウイルス感染症」の脅威によって、われわれの社会生活は大きく変化した。特に、「衣生活」への影響を知ることが重要になってきている。
(1)このため、健康科学部の「アパレル材料学」講義としては、過酷な環境下で使用される「医療現場で使用されるアパレル材料」に求められる基本性能を理解できることが重要である。
(2)また、その基本性能が「アパレル材料」としての天然繊維や合成繊維素材の化学的特性や物理的な微細構造等に由来することを理解できる。
(3)最後に、自ら調査、研究し発表することにより、「今後、医療現場等で必要とされる機能性アパレル材料の開発」等につながるアイデアを生み出すことを目標とする。

〔授業科目内容の概要〕
「新型コロナウイルス感染症」によって、われわれの社会生活は大きく変化した。特に、「衣生活」への影響としては「通勤・通学、外出自粛等によるアウター衣料需要の激減」や「自宅勤務・学習によるカジュアル衣料需要の増加(巣ごもり需要)」、「常に、マスク着用によるマスク商品の多様化」等が挙げられる。まず、こうした「衣生活」実態の変容を把握することが重要である。
(1)このため、健康科学部の「アパレル材料学」講義としては、まず、「医療現場で使用されるアパレル材料」、特に、「マスク」や「防護着」等に求められる「飛沫・接触感染防止」や「抗菌防臭」「制菌」等の基本性能を学修する。
(2)また、その基本性能が「アパレル材料」としての天然繊維(絹、木綿、羊毛、麻等)や合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン等)素材の化学的特性や物理的な微細構造、製造方法等に由来することを学修する。
(3)最後に、自ら調査、研究し発表することにより、「過酷な環境下の医療現場で必要とされる機能性アパレル材料の開発」のみならず、さらに究極的に過酷な宇宙空間で使用される「宇宙服(宇宙船内外活動服)の新アパレル材料開発」にもつながる斬新なアイデアを生み出すことを最終目標とする。

〔授業計画〕
第1回 「新型コロナウイルス感染症」による「衣生活」への影響
第2回 「医療現場で使用されるアパレル材料」に求められる基本性能(飛沫・接触感染防止、抗菌防臭等)
第3回 天然繊維①(絹:カイコが紡ぎ出す奇跡のタンパク繊維)
第4回 天然繊維②(木綿:インダス文明及びインカ文明に由来する最も重要なセルロース繊維)
第5回 天然繊維③(羊毛:北方遊牧騎馬民族の防寒のための動物繊維)
第6回 天然繊維④(麻:木綿が国産化する以前の最古のセルロース繊維)
第7回 合成繊維①(ナイロン:絹へのあこがれが作り出した人類初の化学合成繊維)
第8回 合成繊維②(ポリエステル:身にまとう丈夫なプラスチック繊維)
第9回 合成繊維③(アクリル:羊毛の代替品としての暖かい疑似羊毛繊維)
第10回 合成繊維④(ポリウレタン:天然ゴム糸に替わる伸びる弾性糸・スパンデックス)
第11回 織物・編物・不織布(布マスク、ニットマスク、不織布マスク)
第12回 トピックス:弾性ストッキング(医薬品医療機器法に定義された唯一の繊維製品・医療機器)
第13回 トピックス:SEKマーク(繊維上の抗菌防臭、制菌、抗ウイルス、抗カビ等の機能表示可能)
第14回 トピックス:KES(感性、感覚の物理数値化による設計指標)
第15回 発表会:調査研究して資料を作成し発表
予定テーマ:「今後、医療現場で必要とされる機能性アパレル材料の開発」

〔授業外学修の指示〕
アパレル材料学分野は広範囲にわたるので、各授業で配布した資料を基に、選択した項目についての調査研究を行い、理解を深めて発表会に備えてください。

〔使用教材〕
講義資料をCEASにアップする。教科書は使用しない。

〔参考図書〕
①『衣服材料の科学 第3版』 島崎恒蔵編著、建帛社、2017年、(ISBN978-4767910499)
②『改訂版 基礎被服材料学』 成瀬信子、文化出版局、2014年、(ISBN978-4579114757)
③『新稿 被服材料学』中島利誠編著、光生館、2010年、(ISBN978-4332100478)
④『被服材料学』 安喰功他、三協出版、2005年、(ISBN4-782701055)
⑤『被服材料学15章』 日下部信幸監修、衣生活研究会、1993年、(ISBN4-870691507)
⑥『繊維の科学』 日本繊維技術士センター、日刊工業新聞社、2016年、(ISBN978-4526076411)
⑦『はじめて学ぶ繊維』 信州大学繊維学部、日刊工業新聞社、2011年、(ISBN978-4526066313)
⑧『衣料と繊維がわかる』 日本化学会、東京書籍、2011年、(ISBN978-4487467129)
⑨『せんいの科学』 山﨑義一・佐藤哲也 ソフトバンククリエイティブ、2011年、(ISBN978-4797359923)
⑩『繊維のふしぎと面白科学』 山﨑義一、ソフトバンククリエイティブ、2007年、(ISBN978-4797349192)
⑪『知っておきたい防護具のはなし(第3版)』 田中茂、中災防新書、2015年、(ISBN978-4805916414)
⑫『看護のための感染防止アドバンス』 古川祐子・日本赤十字社医療センター感染管理室(監修)、インターメディカ、2018年、(ISBN978-4899963752)
⑬『個人防護具をかしこく選びたいときにすぐに読む本』 森兼啓太(監修)、メディカ出版、2016年、(ISBN978-4840457682)
⑭『新はじめよう! フットケア』 庄健二他、日本看護協会出版会、2022年、(ISBN978-4818025233)

〔成績評価の方法・基準〕
発表の評価100%(発表会での発表資料内容及び発表態度等の評価)

〔学生へのメッセージ〕
アパレル材料学及びその周辺領域においても最新の科学的知見が蓄積している。こうした成果に基づき論理的・数量的・定量的思考を身に付け、消費者のQOL(衣生活の質)向上の観点だけでなく、自らのQOL向上にも役立ててほしい。

〔教員の実務経験〕
奈良の地元靴下メーカーの研究開発部門にて、医療機器である「弾性ストッキング」の新製品開発や「子どもの体型サイズ計測」等に取り組んだ経験を基に、様々な「アパレル材料」に求められる基本性能を学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SSⅢ1332

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)建築・デザイン分野に関する総合的な知識と専門的視点を有している。(知をみがく/知識・理解)
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