健康科学部 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
469600
専門科目
アパレル・造形
2回生 前期
授業コード 科目名 単位
469601
アパレル材料学
2
代表担当者名
庄 健二
科目内容
〔授業の到達目標〕
(1)現在、衣服には、さまざまな「アパレル材料」が使用されており、それらの基本性能を理解し、活用できることが重要である。
(2)また、健康科学部の「アパレル材料学」講義としては、とくに、「医療現場で使用されるアパレル材料」に求められる基本性能も理解できる。
(3)次に、こうした基本性能が「アパレル材料」である天然繊維や合成繊維素材の化学的物性や物理的な微細構造等に由来することを理解できる。
(4)最後に、自ら、調査、研究し発表することにより、「今後、医療現場で必要とされる機能性アパレル材料の開発」につながるアイデアを生み出すことを最終目標とする。


〔授業科目内容の概要〕
(1)現在、衣服には、天然繊維や合成繊維等、さまざまな「アパレル材料」が使用されており、それらの基本性能を理解し、活用できることが重要である。
(2)また、ウイズコロナの時代の健康科学部「アパレル材料学」講義としては、特に、「医療現場で使用されるアパレル材料」を用いた「マスク」や「防護着・防護服」等に求められる「飛沫・接触感染防止」や「抗菌防臭」「制菌」機能等の基本性能を学修する。
(3)次に、こうした「アパレル材料」としての天然繊維(木綿、絹、羊毛、麻等)や合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル等)素材の基本性能が、その化学的特性や物理的な微細構造(分子・原子の種類や分子配列、多孔質構造等)に由来することを学修する。
(4)最後に、自ら、調査、研究し発表することにより、「今後、医療現場で必要とされる機能性アパレル材料の開発」のみならず、さらに過酷な宇宙環境で使用される「宇宙服(宇宙船内外活動服)」等の「新しいアパレル材料開発」につながるアイデアを生み出すことも目標とする。
(5)さらに、「分子・原子モデル」等の作成により、アパレル材料の分子構造を「目で見て理解できる」「触れることにより理解を深めることができる」「組立・分解することにより、視覚、触覚で把握できる」等の簡単な実習、実演を行う。


〔授業計画〕
第1回 オリエンテーション(アパレル材料学に求められる物質科学的視点)4/12
第2回 ウイズコロナ時代に求められる「衣生活」4/19
第3回 アパレル材料学基礎(「アパレル材料」に求められる基本性能の発揮メカニズム:微細物理構造、化学的特性、分子構造等)4/26
第4回 天然繊維素材①(木綿:インダス文明、インカ文明由来の最も重要なセルロースの植物繊維)5/10
第5回 天然繊維素材②(絹:カイコが紡ぎ出す奇跡のタンパク質の動物繊維)5/17
第6回 天然繊維素材③(羊毛:北方遊牧民族由来の防寒のための動物繊維、フェルト)5/24
第7回 天然繊維素材④(麻:木綿が国産化する以前の唯一の最古のセルロース繊維)5/31
第8回 合成繊維素材①(ナイロン:絹へのあこがれが作り出した人類初の化学合成繊維)6/7
第9回 合成繊維素材②(ポリウレタン:天然ゴムに替わる弾性糸:スパンデックス)6/14
第10回 合成繊維素材③(ポリエステル:身にまとうプラスチック繊維)6/21
第11回 合成繊維素材④(アクリル:羊毛の代替品としての暖かい合成繊維)6/28
第12回 織物・編物・不織布(織物:縦糸と緯糸構造、編物:ループ形成、紙・フェルト:繊維のランダム配向)7/5
第13回 トピックス:弾性ストッキング(医薬品医療機器法に定義された唯一の繊維製品・医療機器)7/12
第14回 トピックス:SEKマーク(繊維上の抗菌防臭、制菌、抗ウイルス、抗カビ等の機能表示可能)、KES(感性、感覚の物理数値化)7/19
第15回 調査結果発表及び講評、自己評価、まとめ7/26

予定テーマ:「今後、医療現場で必要とされる機能性アパレル材料の開発」

〔授業外学修の指示〕
アパレル材料学分野は広範囲にわたるので、各授業で配布した資料を基に、選択した項目についての調査研究を行い、理解を深めて発表会に備えてください。

〔使用教材〕
講義資料をCEASにアップする。教科書は使用しない。

〔参考図書〕
①『衣服材料の科学 第3版』 島崎恒藏編著、建帛社、2017年、(ISBN978-4767910499)
②『改訂版 基礎被服材料学』 成瀬信子、文化出版局、2014年、(ISBN978-4579114757)
③『新稿 被服材料学』 中島利誠編著、光生館、2010年、(ISBN978-4332100478)
④『被服材料学』 安喰功他、三協出版、2005年、(ISBN4-782701055)
⑤『被服材料学15章』 日下部信幸監修、衣生活研究会、1993年、(ISBN4-870691507)
⑥『繊維の科学』 日本繊維技術士センター、日刊工業新聞社、2016年、(ISBN978-4526076411)
⑦『はじめて学ぶ繊維』 信州大学繊維学部、日刊工業新聞社、2011年、(ISBN978-4526066313)
⑧『衣料と繊維がわかる』 日本化学会、東京書籍、2011年、(ISBN978-4487467129)
⑨『せんいの科学』 山﨑義一・佐藤哲也、ソフトバンククリエイティブ、2011年、(ISBN978-4797359923)
⑩『繊維のふしぎと面白科学』 山﨑義一、ソフトバンククリエイティブ、2007年、(ISBN978-4797342192)
⑪『苧麻・絹・木綿の社会史』 永原慶二、吉川弘文館、2004年、(ISBN978-4642079341)
⑫『新・木綿以前のこと』 永原慶二、中央公論社、1990年、(ISBN4-121009630)
⑬『木綿以前の事』 柳田国男、岩波書店、1979年、(ISBN4-003313836)
⑭『シルクへの招待』 小松計一、サイエンスハウス、1997年、(ISBN4-915572749)
⑮『真綿の文化誌』 嶋崎昭典、PHP研究所、1992年、(ISBN978-4915572531)
⑯『羊毛の語る日本史』 山根章弘、PHP研究所、1983年、(ISBN4-569211143)
⑰『新はじめよう! フットケア』 庄健二他、日本看護協会出版会、2022年、(ISBN978-4818025233)

〔成績評価の方法・基準〕
発表の評価100%(最終回にて発表会を実施、発表内容の相互・自己評価と教員の講評、評価を行い総合的に評価する)

〔学生へのメッセージ〕
アパレル材料学及びその周辺領域においても最新の科学的知見が蓄積している。こうした成果に基づき論理的・数量的・定量的思考を身に付け、消費者のQOL(衣生活の質)向上の観点だけでなく、自らのQOL向上にも役立ててほしい。

〔教員の実務経験〕
奈良の地元靴下メーカーの研究開発部門にて、医療機器である「弾性ストッキング」の新製品開発や「子どもの体型サイズ計測」等に取り組んだ経験を基に、様々な「アパレル材料」に求められる基本性能を学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SSⅢ1332

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)建築・デザイン分野に関する総合的な知識と専門的視点を有している。(知をみがく/知識・理解)
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