健康科学部 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
469800
専門科目
専門分野Ⅳ
3回生 後期
授業コード 科目名 単位
469801
消費科学
2
代表担当者名
庄 健二
科目内容
[授業の到達目標]
(1)コロナ時代によって激変した消費生活が、ウイズコロナ時代の到来によって、コロナ以前には戻らないであろうともされている。そこで、消費科学的観点により、コロナ時代からウイズコロナ時代への消費生活の変容過程を以下のアプローチによって検証するものとする。
(2)まず、消費者が製品や関連サービスを購入直後に直面する問題点における消費科学的知見や知識、考え方を理解できる。
(3)さらに、上記の消費科学分野に関連する学際分野における科学的知見や知識、考え方を理解できる。
(4)最終的に、ウイズコロナ時代における消費者のQOL(衣生活の質)変容の観点から、学修した消費科学的知見に基づき、アパレル専門家として消費者への分かりやすい啓蒙活動内容を考察する。

〔授業科目内容の概要]
(1)コロナ時代によって激変した消費生活が、ウイズコロナ時代(コロナと共存する時代)の到来によって、コロナ以前には(簡単には)戻らないであろうともされている。そこで、消費科学的観点により、コロナ時代からウイズコロナ時代の消費生活の変容過程を以下のアプローチによって検証するものとする。
(2)消費者が製品や関連サービスを購入直後に直面する問題点(購買・購入心理と行動、メンテナンス・洗濯洗浄の不具合、着心地・快適性、リサイクル・リユース・廃棄等)における主にアパレル製品の消費科学的知見や知識、考え方を学修する(狭義の消費科学分野)。
(3)上記の(狭義の)消費科学分野に関連する学際分野(アパレル材料学、繊維工学、感性工学、マーケティング、消費経済学、被服衛生学、外科学、静脈学、環境科学等)における科学的知見や知識、考え方を学修する。
(4)最終的に、ウイズコロナ時代における消費者(使用者・自分自身も含めて)のQOL(衣生活の質)変容の観点から、学修した消費科学的知見に基づき、アパレル専門家として、消費者への分かりやすい衣生活を中心とした啓蒙活動内容を考察・プランニングして発表する。
(5)さらに、「分子・原子モデル」の作成等により、「目で見て理解できる」「触れることにより理解を深めることができる」「組立・分解することにより、視覚、触覚で把握できる」等の簡単な実習、実演を行う。

〔授業計画〕
第1回 ウイズコロナ時代の消費科学へのアプローチ
第2回 消費者心理学・行動科学(コロナ下の購買・購入心理・行動の変容、最寄り品、衝動買い等)
第3回 洗濯・洗浄科学(洗濯・洗浄、クリーニング、洗濯耐久性、取扱絵表示等)
第4回 快適科学(衣服内気候、使いやすさ・着用感、保温性、吸汗・吸水性等)
第5回 アパレル・エコロジー(繊維製品の廃棄量100万トン時代、リサイクル・リユース・リデュース等)
第6回 アパレル材料学・繊維工学(被服材料としての天然繊維・合成繊維の物性、着用時の特性等)
第7回 感性工学・感覚科学(流行、ファッション、感覚計測、KES等)
第8回 アパレルマーケティング(4P・4C戦略、セグメンテーション戦略、ポートフォリオ分析等)
第9回 アパレル消費経済学(マスクの最寄り品から買回り品・専門品化、「巣ごもり消費」等)
第10回 被服衛生学・皮膚科学(スキンケア、皮膚常在菌、白癬菌、汗腺、アトピー性皮膚炎等)
第11回 血管外科学・静脈学(圧迫圧、弾性ストッキング、肺血栓塞栓症、リンパ浮腫等)
第12回 被服健康学・予防医学(抗ウイルス・抗細菌加工、SEKマーク等)
第13回 感染症学①(パンデミックの歴史、進化医学、遺伝子学、微生物学等)
第14回 感染症学②(疫学、免疫学、生活習慣病学、人獣共通感染症・動物由来感染症等)
第15回 発表及び自己・他者評価、まとめ

〔授業外学修の指示〕
消費科学分野は広範囲にわたるので、各講義で配布した資料を基に、選択した項目についての調査研究を行い、レポート課題や発表に備えてください。

〔使用教材〕
授業資料はCEASにアップする。教科書は使用しない。

〔参考図書〕
①『衣生活のための消費科学』 日本衣料管理協会刊行委員会編 日本衣料管理協会 2018年
②『消費者行動の知識』 日経文庫 青木幸弘 2010年 ISBN978-4532112226
③『マーケティング(第2版)』 日経文庫 恩蔵直人 2019年 ISBN978-4532114046
④『洗たくの科学』 花王生活文化研究所編 裳華房ポピュラーサイエンス 1996年 ISBN978-4785385163
⑤『着ごこちと科学』 原田隆司 裳華房ポピュラーサイエンス 1996年 ISBN978-4785386405
⑥『衣環境の科学』 田村照子編著 建帛社 2004年 ISBN978-4767910475
⑦『アパレル生理衛生論』 日本衣料管理協会刊行委員会編 日本衣料管理協会 2016年
⑧『アパレルと健康』 日本家政学会被服衛生部会編 井上書院 2012年 ISBN978-475023226
⑨『はじめよう!フットケア 第3版』 庄健二他 日本看護協会出版会 2013年 ISBN978-4818017832
⑩『新はじめよう!フットケア』 庄健二他 日本看護協会出版会 2022年 ISBN978-4818025233
⑪『新弾性ストッキングコンダクター』 平井正文・岩井武編著 へるす出版 2003年 ISBN978-47892697111
⑫『汗の常識・非常識』 小川徳雄 講談社 1998年 ISBN4-06-257218-4
⑬『汗はすごい―体温、ストレス、生体のバランス戦略』 菅屋潤壹 筑摩書房 2017年 ISBN978-4480069580

〔成績評価の方法・基準〕
発表の評価100%(最終週に発表会を行い、相互・自己評価と教員の講評、評価によって総合評価する)

〔学生へのメッセージ〕
消費科学及びその学際分野においても、最新の科学的・医学的成果が蓄積している。こうした成果に基づき、数量的・定量的思考を身に付け、自分自身のQOL(衣生活の質)向上にも役立ててほしい。

〔教員の実務経験〕
奈良の地元靴下メーカーの研究開発部門にて、医療機器である「弾性ストッキング」の新製品開発や「子どもの体型サイズ計測」等に取り組んだ経験及び他大学での「マーケティング」や「消費経済論」の非常勤講師経験を基に、消費科学に求められる専門知識を学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕SSⅣ1333

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)建築・デザイン分野に関する総合的な知識と専門的視点を有している。(知をみがく/知識・理解)
(7)修得した専門的知識と技術を土台として、これからの時代に必要とされる環境を適切に分析し、自ら創造していくことができる。(美をつくる/態度・志向性、総合的な学習経験と創造的思考力)
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