教育学部 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
570400
専門科目
特別支援教育に関する科目
2回生 前期
授業コード 科目名 単位
570401
肢体不自由者の心理・生理・病理
2
代表担当者名
信迫 悟志
科目内容
〔授業の到達目標〕
肢体不自由の起因疾患(脳原性疾患、脊髄疾患、末梢神経疾患)となる病理面と心理面及び生理面の特徴並びにそれらの相互作用について理解している。観察や検査を通して、脳性まひのある幼児、児童又は生徒一人一人の肢体不自由の状態や感覚機能の発達、知能の発達及び認知の特性を把握することを理解している。家庭や医療機関との連携の重要性について理解している。
本科目は、肢体不自由者の心理について須田(5回)から、肢体不自由者の生理・病理について信迫(10回)から講義するものである。

《肢体不自由者の心理(須田:5回)》
①肢体不自由児が抱えている心理的側面の理解と支援のあり方について行う講義の内容を理解している。
②発達に視点をあて「運動面の発達特性」「認知面の発達特性」「言語・コミュニケーションの発達」などについて紹介するので、実際の肢体不自由児が抱えている困難さを理解している。
③進行性の病気を持つ肢体不自由児のケース事例を通して、教育的対応と心理的理解を深める。
《肢体不自由者の生理・病理(信迫:10回)》
①肢体不自由児・者の病態(生理・病理)を理解し、肢体不自由児・者の特別支援教育に必要な知識を習得している。
②障害や肢体不自由の概念、肢体不自由を示す各々の障害分類(脳性麻痺、先天性脳奇形、進行性筋ジストロフィー、重複障害、発達性協調運動障害)や診断およびリハビリテーションを含む治療について理解している。
③肢体不自由児・者における医療的ケアや医療と教育と家庭の連携の重要性について理解している。

〔授業科目内容の概要〕
《肢体不自由者の心理(須田:5回)》
肢体不自由児の困難さによる心理的側面を理解し、その指導や支援のあり方について講義をする。特に運動発達・認知面・コミュニケーション・対人面などにおける心理的内容を重視して講義を行う予定である。OpenCEASに登録したテキストによる講義を実施する予定である。
《肢体不自由者の生理・病理(信迫:10回)》
基本的にOpenCEASに登録したPDF資料と動画などの視覚教材を使用しながら講義し、肢体不自由児の病態(生理・病理)に関する学生の理解を深める。


〔授業計画〕
第1回 肢体不自由教育の現状と特別支援教育について(須田正信)
第2回 肢体不自由児者の心理的特性「運動面の発達特性」について➀(須田正信)
第3回 肢体不自由児者の心理的特性「言語・コミュニケーションの発達」について➁(須田正信)
第4回 肢体不自由児者の心理的特性「認知発達面」について➂(須田正信)
第5回 肢体不自由者の障害受容と教育的指導・支援の課題について(須田正信)
第6回 肢体不自由の姿勢と運動発達(1)定型身体発達を理解する(信迫悟志)
第7回 肢体不自由の姿勢と運動発達(2)定型運動発達を理解する(信迫悟志)
第8回 肢体不自由の姿勢と運動発達(3)肢体不自由における身体運動発達(信迫悟志)
第9回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(1)脳性麻痺-生理・病理-(信迫悟志)
第10回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(1)脳性麻痺-支援とハビリテーション-(信迫悟志)
第11回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(2)脊髄性筋萎縮症、進行性筋ジストロフィー(信迫悟志)
第12回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(3)二分脊椎、先天性股関節脱臼(信迫悟志)
第13回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(4)発達性協調運動障害-生理・病理-(信迫悟志)
第14回 肢体不自由を示す障害の生理・病理(4)発達性協調運動障害-支援とハビリテーション-(信迫悟志)
第15回 肢体不自由児の医学的治療とハビリテーション,医療と教育と家庭の連携の重要性(信迫悟志)


〔授業外学修の指示〕
《肢体不自由者の心理(須田)》:しっかり復習をして、学びを確かなものにしましょう(須田)。
《肢体不自由者の生理・病理(信迫)》:授業で使用する資料はOpenCEASに登録されますので、予習復習や記号入力式テストで活用して下さい。第6回~第15回までは、毎回、記号入力式テスト(全10回)が出題されます。成績評価には、全ての記号入力式テスト(予定:全10回)の実施が必須になります(信迫)。

〔使用教材〕
《肢体不自由者の心理(須田)》
OpenCEASに登録するパワーポイント資料及びテキスト冊子
《肢体不自由者の生理・病理(信迫)》
OpenCEAS登録資料(Web登録資料)。毎回、授業資料をOpenCEASに登録します。貸与PCにて、OpenCEAS登録資料を参照してください。受講後に記号入力式テスト(全10回)を実施して下さい。

〔参考図書〕
『基礎からはじめるインクルーシブ教育の実践』須田正信(編著)、明治図書、2011年.
『よくわかる肢体不自由教育』安藤隆男・藤田継道(編著)、ミネルヴァ書房、2015年(ISBN-10: 4623072509).
『子どもの感覚運動機能の発達と支援-発達の科学と理論を支援に活かす-』大城昌平・儀間裕貴(編著)、メジカルビュー社、2028年(SBN978-4-7583-1900-3)

〔成績評価の方法・基準〕
《肢体不自由者の心理(須田:5回)》:講義振り返りシート50%,レポート課題50%
《肢体不自由者の生理・病理(信迫:10回)》:1.記号入力式テスト10回:80%(記号入力式テストは、授業で学習した内容で出題します).2.授業に対する姿勢:20%(授業中の質問や応答など授業への参加度と貢献度を評価する。なお、私語や無断退室など受講上望ましくない行為に対してはマイナス評価を与える).
《総合》須田分50%、信迫分50%

〔学生へのメッセージ〕
特別支援教育の教員を目指す上で,必要となる障害のある子どもの発達(認知・言語・運動)についてしっかり学んで欲しいと思います(須田)。
肢体不自由児・者に関する医学的知見(生理・病理)を学んで、特別支援教育に生かしてもらいたいと願っています(信迫)。

〔教員の実務経験〕
公的教育機関での特別支援教育への理学療法提供、相談支援の実務経験を有する教員が、それぞれの経験を活かし、肢体不自由児・者の病態メカニズムや当事者の子どもおよび保護者の心情等について学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕FSN2132

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(1)生命への畏敬の念を持ち、教育に携わる者としての倫理観や子どもに対する深い理解と愛情を持っている。(徳をのばす/態度・志向性)
(4)学校教育、幼児教育、保健教育に関わる分野の高度専門職業人として必要な教育学の諸理論、子どもの発達、各教科・領域の内容や指導法、学校保健等についての専門的な知識を有している。(知をみがく/知識・理解)
© Copyright 2018 畿央大学. All Rights Reserved.