教育学部 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
571000
専門科目
特別支援教育に関する科目
3回生 後期
授業コード 科目名 単位
571001
視覚障害者教育総論
2
代表担当者名
正井 隆晶
科目内容
〔授業の到達目標〕
1.視覚障害の定義を把握し、眼の働きや見え方、視機能検査法を理解し、幼児児童生徒の視覚障害の程度や状態を適切に把握することができる。
2.視覚障害教育の学びの場や自立活動を含めた教育課程の特色とカリキュラムマネジメントの必要性、また、特別支援学校教育要領の内容や個別の指導計画について説明することができる。
3.視覚障害児(盲児・弱視児)の教科学習や自立活動における指導内容や指導上の配慮事項を理解している。
4.家庭と医療機関を含めた関係機関との連携の必要性を理解している。
5.視覚障害教育で使用する視覚補助具、教材・教具について使用方法等を理解している。

〔授業科目内容の概要〕
視覚障害児の疾病、見え方、教育、進路、について幅広く学ぶ。この授業を通して、視覚障害の特性を理解し、学校における視覚障害教育に必要な基礎知識を身につける。

〔授業計画〕
第1回 視覚に障害のある幼児児童生徒の教育の場と教育課程
視覚に障害のある幼児児童生徒の教育の場について、関連する法令等を学ぶとともに自立活動を含めてそれぞれの場における教育課程の特色やカリキュラムマネジメントの必要性を理解する。また、特別支援学校教育要領の内容や個別の指導計画についても理解する。
第2回 点字の歴史と日本点字の五十音
点字の歴史と日本点字の五十音を学ぶ。
第3回 点字の学び
日本点字の濁音・拗音・拗濁音・数字などの表記を学ぶとともに簡単な点字の文章を読む。
第4回 点字の指導法の学び
点字の道具や指導法について学び、盲児と中途視覚障害者の指導法の違い等を学ぶ。
第5回 視覚の仕組みと視機能検査
視機能について解説し、物が見える仕組みについて学ぶ。弱視教育に必要な視機能検査の方法を学ぶ。
第6回 主な眼疾患と視覚障害の定義
視覚障害の原因となる代表的な眼疾患と配慮事項を知る。視覚障害の定義や盲と弱視の区分について知る。
第7回 弱視児の指導①
弱視児の指導に関する基本的配慮事項を理解するとともに、ルーペ・単眼鏡などの視覚補助具の使用方法や多様な教材・教具について使用目的等を理解する。
第8回 弱視児の指導②
弱視児のルーペ・単眼鏡などの視覚補助具の指導方法や、使用する文字の大きさや読み書きの指導方法を含めた授業設計や授業改善の視点、学習指導案について理解する。
第9回 盲児の指導①
盲児の指導に関する基本的配慮事項を理解するとともに、立体コピーやレーズライターなどの使用方法や多様な教材・教具について使用目的等を理解する。
第10回 盲児の指導②
盲児に対する立体コピーやレーズライターなどを使用した墨字の指導や準ずる教育を行う上での配慮や工夫を含めた授業設計や授業改善の視点、学習指導案について理解する。
第11回 自立活動の指導
特別支援学校教育要領(学習指導要領)に示された自立活動の位置づけや教科指導との関連を含めた具体的な指導内容や学習指導案について理解する。
第12回 自立活動(歩行指導)
歩行指導の内容や方法を学び、視覚障害者の基本的な介助の仕方を理解する。
第13回 重複障害の指導
重複障害の定義と視覚障害と主として知的障害の重複障害については、教育課程の特色とカリキュラムマネジメント、空間概念形成を含めた指導内容や方法の特色、個別の指導計画、家庭と医療関係機関との連携の必要性を理解する。
第14回 職業教育とキャリア教育
三療(あんま、マッサージ、指圧、鍼、灸)やその他の進路の現状、キャリア教育、家庭と医療機関を含む関係機関との連携を含めた個別の教育支援計画や個別の移行支援計画について理解する。
第15回 特別支援教育と視覚障害教育
特別支援教育の中で視覚特別支援学校(盲学校)に求められるセンター的機能と具体的な活動について理解する。
第16回 まとめのレポート提出

〔授業外学修の指示〕
新聞やマスコミの報道などで視覚障害に関するものがあれば、関心をもって見ておくこと。

〔使用教材〕
適宜、資料を配布する。
『ロービジョン体験キット』 (日本ライトハウス)

〔参考図書〕
『特別支援学校幼稚部教育要領』 文部科学省(2018)
『特別支援学校学習指導要領解説 総則等編』 文部科学省(2018)
『特別支援学校学習指導要領解説 各教科編』 文部科学省(2018)
『新・視覚障害教育入門 』 青柳まゆみ・鳥山由子(編著) ジアース教育新社(2020)
『小・中学校における視力の弱い子どもの学習支援』 香川邦生・千田耕基(編) 教育出版 (2009)
『点字学習指導の手引き<平成15年改訂版>』 文部科学省 (2003)
『五訂版 視覚障害教育に携わる方のために』 香川邦生(編著)慶応義塾大学出版会(2016)
『教師と親のための弱視レンズガイド』 稲本正法・五十嵐信敬(編著) コレール社 (1995)


〔成績評価の方法・基準〕
「毎回の課題提出 70%、まとめのレポート 30%」で評価する。

〔学生へのメッセージ〕
・視覚障害に係わる内容を様々な側面から紹介します。今まであまり接する機会の少ない視覚障害児(者)に関する内容ですが、興味をもってもらえればと考えます。

〔教員の実務経験〕
視覚障害特別支援学校での実務経験を有する教員がその経験を活かし、視覚に障害のある幼児児童生徒の特性や指導方法等の理解について具体的な体験を通して学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕FSN2133

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(1)生命への畏敬の念を持ち、教育に携わる者としての倫理観や子どもに対する深い理解と愛情を持っている。(徳をのばす/態度・志向性)
(4)学校教育、幼児教育、保健教育に関わる分野の高度専門職業人として必要な教育学の諸理論、子どもの発達、各教科・領域の内容や指導法、学校保健等についての専門的な知識を有している。(知をみがく/知識・理解)
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