専攻科 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
780020
助産学基礎領域
1回生 前期
授業コード 科目名 単位
780021
助産と生命倫理学
1
代表担当者名
西原 八重美
科目内容
〔授業の到達目標〕
助産師として、母子の命の尊重について考えることができ、倫理的課題に対応する能力の基礎を習得する。また、生命倫理に関わる意思決定支援の方法を知る。

〔授業科目内容の概要〕
医学と社会の高度化により医療従事者が直面する倫理的課題は、個人的な倫理観や経験だけでは対応が難しくなった。特に助産師は解決困難な倫理的課題に遭遇する機会が多い。講義では生命倫理学の理論と技術を学び、現場における倫理分析能力を介して助産師が専門職として産科医療に貢献することをめざす。また、倫理的課題が集中する先端医学に関わる知識と妊産婦や家族への対応技術(遺伝カウンセリングなど)を学び、助産師の専門性を高めることを目的とする。

〔授業計画〕
第1回 臨床の立場から生命倫理を考える(植田)
第2回 倫理的課題に直面する方への意思決定支援(勝元)
周産期で出会う倫理的課題(出生前検査・人工妊娠中絶など)に直面した妊婦とその家族への支援方法を助産師に求めら
れる実践能力を踏まえて検討する。
意思決定支援の一つ遺伝カウンセリングを紹介する。
第3回 出生前検査に伴う生命倫理①(勝元)
出生前検査の概要の学習、出生前検査のより良い情報提供について考える。
第4回 出生前検査に伴う生命倫理②(勝元)
出生前検査に伴う倫理的課題を検討するとともに、受検を迷う夫婦への意思決定支援方法を考える。
第5回 着床前診断と生命倫理(勝元)
着床前診断の概要の学習、着床前診断にまつわる倫理的課題について検討する。
第6回 新生児スクリーニングと生命倫理(勝元)
新生児マススクリーニングおよび拡大新生児スクリーニングについて学習し、倫理的課題を検討する。
第7回 若年がんと生命倫理(勝元)
遺伝性乳がんの概要を学習し、女性の健康に関わる倫理的課題や意思決定支援を検討する。
第8回 ハイリスク妊産婦の倫理とケアの実際(土橋)


〔授業外学修の指示〕
<勝元担当講義第2〜7回は2日間で3回分ずつ実施します>
第2・3・4回 事前学習
インターネットで得られる出生前検査の情報にはどのようなものがありますか?
ご自身が意思決定する際にはどのような情報を参考にするか、考えてみてください。

第2・3・4回 事後学習
あなた自身は出生前検査についてどのように考えますか?現時点での考えをまとめておきましょう。
助産師としての出生前検査の情報提供方法を考えましょう。

第5・6・7回 事前学習
体外受精・習慣流産・新生児マススクリーニング・乳がんの概要を復習しておきましょう。

第5・6・7回 事後学習
あなたは着床前診断についてどのように考えますか?現時点での考えをまとめておきましょう。
新生児スクリーニングの説明方法を考えてみましょう。

〔使用教材〕
資料を準備します。

〔参考図書〕
『生命倫理への招待 改訂第6版』 塩野寛, 清水惠子, 南山堂, 2021
『基礎から学ぶ 遺伝看護学 「継承性」と「多様性」の看護学』中込さと子監修,羊土社, 2019
『ヘルス・コミュニケーション』ピーター G ノースハウス, ローレル L ノートハウス, 九州大学出版会;改訂版, 2010
『子どもを選ばないことを選ぶ―いのちの現場から出生前診断を問う』 大野 明子,メディカ出版,2003
『いのちを選ぶ社会 出生前診断のいま』 坂井 律子,NHK出版,2013
『誰も知らない私たちのこと』シモーナ スパラコ, 紀伊國屋書店, 2013

〔成績評価の方法・基準〕
レポート課題 100%

〔学生へのメッセージ〕
助産師は、臨床の現場で倫理的課題に直面することも多く、また倫理的課題の答えはひとつではありません。本講義では、皆さん自身の考えを出していただき、多様な考え方に触れていただくことも目的としております。ディスカッションを中心に進めたいと思いますので、皆さんの積極的な参加を期待します。 (勝元)
履修に関して留意すること
〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(2)母子をとりまく社会のニーズや、産科医療の高度化並びに助産ケアの多様性に対応できる。
(4)保健・医療・福祉チームとの連携を図り、地域社会に貢献できる。
(5)助産師としてのアイデンティティを形成することができる。
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