健康科学研究科 2024年度版
更新日:2024/04/10
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
710100
共通科目
1回生 前期
授業コード 科目名 単位
710101
美しく生きるための健康科学総合特論
2
代表担当者名
森岡 周
科目内容
〔授業の到達目標〕
本学の建学の精神である「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」の意味を自らの実生活に置き換えて理解し,健康な生活とは何かを考察することができる.また,健康科学を深く理解し,自らもその研究に参加して当該領域の発展に寄与する基礎を作る.

〔授業科目内容の概要〕
現代社会において健康意識や健康志向が格段に高まっている.しかし単なる肉体的な健康にとどまらず,健康をQOL(生活の質)に関連付け,よく生きる,美しく生きることを目標に掲げて,物質生活・精神生活・社会生活のトータルにおいて良好な状態を実現することが求められている.運動行動学,栄養・食品科学,人間環境デザイン学,生涯教育学の各分野の研究者がチームを組み,QOLの観点から健康科学を有機的・総合的に再構成し,人間にとっての理想であり目標である「美しいライフデザイン」を追究することに挑戦した結果,本科目が産まれた.誰もが等しく享受すべき健康の内容はもとより,個々のケースにおける到達・達成目標としての健康の中味を認識することが大切である.本科目では,これらの諸点について解説し,議論を通じて理解を深める.また,健康科学が目指すところを理解し自らもその研究に参加して当該領域の発展に寄与する基礎作りを行う.

総論
(森岡 周 / 3回)
修士課程における今後のスケジュール,研究の草案・計画・実行に関するプロセス,研究倫理,文献検索,データ採取・解析,考察といった論文執筆手続きについて,例を挙げながら概説し,大学院生活が美しくスタートできるよう援助する.また,学習意欲の継続性について神経メカニズムから解説する.
(前平泰志 / 2回)
学ぶことと美しく生きることは不可分の関係にある。古今東西の思想家や教育者が美と教育についてどのように考えてきたかを振り返り,実生活において生涯にわたって学び続けることの意味を考察する.
(植田政嗣 / 2回)
修士課程において、研究成果を美しく発表するための心構えについて解説する. また, 健康科学が直面する問題について, 特に「女性が美しく生きるための健康科学」を論じたい.

各論
(冬木正紀 / 2回)
生活の質的向上のための使い勝手の良い技術を研究・開発する新分野について概説する. また, ライフテクノロジーと呼ばれるこの分野はロボット・AI応用・生体工学を包含する. そして,その成り立ちと最前線を解説し、今後を展望する。
(大住倫弘 / 2回)
身体運動は人間の生活において欠かせないものである.身体運動の視点から,脳と身体の健康に関して,いくつかのトピックスを取り上げ,その科学的知見と研究手続きを概説する.
(松村羊子 / 2回)
食品には栄養素を供給する一次機能、嗜好の満足感を与える二次機能、および生体機能を調節し健康増進効果を発現する三次機能の三つの機能が存在する。これらの三つの機能のメカニズムについて解説するとともに、三次機能を有する食品成分が健康増進にいかに関わるかについて言及する.
(前川歩 / 2回)
建築の中でも人々の生活に最も密接に関わりをもつ「住宅」を取り上げ、歴史的、地域的な観点から、住宅が有する機能、空間、意匠がどのように変化してきたのかを概説する。

〔授業計画〕
森岡担当
1.オリエンテーションおよび今後のスケジュール
2.研究プロセスと科学論文の構成
3. 意欲的に学ぶための手続き
前平担当
1.生涯教育にとって美の意味するもの
2.生涯学習と美しく生きること
植田担当
1.研究成果を美しく発表するために
2.女性のライフステージと医学的対応
冬木担当
1.超高齢・人口減少社会におけるライフテクノロジー
2.光の世紀のライフテクノロジー
大住担当
1.運動習慣が健康にどのように影響しているのか
2.運動を習慣化させる要因を解明する研究手続き
松村担当
1.食品が有する三つの機能
2.健康増進に関与する食品成分の機能
前川担当
1.住宅と機能
2.住宅と美

〔授業外学修の指示〕
必修科目ですので,各自時間の都合をつけ,積極的に授業に参加するようにしてください.

〔使用教材〕
原則的にパワーポイントを使用し,インターネット授業を行う.

〔参考図書〕
適宜紹介する.

〔成績評価の方法・基準〕
複数のレポートにより評価する。講義の理解度とともに,自分自身の考えを述べているかどうかを評価規準とする.

〔学生へのメッセージ〕
本科目は概要に書かれているように「美しく生きる」「健康科学」といった多面的で広範な内容を包含しています.今まで勉強してきた自己の専門にとらわれず,学際的な視野にたって事象を観察し考えることに興味を持って取り組んで下さい.
履修に関して留意すること
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