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看護医療学科の新着情報一覧

2017年の看護医療学科の新着情報一覧

2017.12.27

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.52~12月勉強会は「家庭内事故を防ぐ住まいづくり」!

こんにちは!健康支援学生チームTASK※人間環境デザイン学科2回生の竹葉海翔です。 2017年12月21日(木)に「家庭内事故を防ぐための住まいづくりの工夫」をテーマに勉強会を行いました。   ※TASKはThink, Action, Support for Health by Kio Universityの略称で、学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今回は人間環境デザイン学科の学生が中心になって、 ・玄関・アプローチ ・階段廻り ・お風呂場 ・キッチン の4つの場所について、グループごとに事故が起こりやすい場所の問題点とそれに対する改善点を話し合ってもらうグループディスカッションをしました。     ディスカッション後に発表してもらい、解決案や内装のデザインの工夫などを説明して理解してもらいました。家の内装は誰にとっても身近なことなので、今回の内容が今後自分の知識の一つとして活用してもらえたらなと思います。   ▲最後は全員でTASKのT!!   人間環境デザイン学科2回生 竹葉 海翔   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2017.12.27

大阪母性衛生学会学術集会・研修会 参加レポート!~助産学専攻科

平成29年12月17日(日)に大阪大学中ノ島センターにて開催された大阪母性衛生学会学術集会・研修会に助産学専攻科の学生と教員が参加しました。     午前中は「重症脳性麻痺児の保育」をテーマに池下久弥先生から保育園の現状を、佐々百合子先生から実際に脳性麻痺児を出産したときから育児を通して感じた事を聞く機会を得ました。その中で重症脳性麻痺児の自宅療養の限界、行政の対応の課題についての話をされる中で改善の余地が多く残されている現状を知ることになりました。そして療養をする中でも地域や友人・家族に支えられた経験から、寄り添うことの必要性、助産師としての声かけのあり方についても知る機会となり、多くのことを学ぶことができました。   午後は学術集会でした。助産学専攻科9名はグループに分かれて4月から行っていた文献研究4題の発表を行いました。   「不妊治療後の母親の母親役割獲得過程と支援についての文献検討」 晩婚化や晩産化などの時代背景により、不妊治療によるトラブルや母親の不安や悩みも比例して増加しており、母親役割獲得過程にむけた支援が重要視されている。そこで、文献検討から、不妊治療後の母親の心身の特徴を明らかにし、母親役割獲得への支援を考察した。不妊治療後の母親の心身の特徴は【心理状態】【自己概念】【対人関係】【家族からの支援・家族関係】【イメージ化】【児との関係】の6項目に分類することができた。不妊治療後の母親は、母親としての自己を獲得するための支援が医療者に限らず家族など多くの人からの支援の必要性が示唆されていた。   青山加奈・川北明日香・川渕ひかり・上原麻利先生     「産後うつ病における高年初産婦の特徴と支援についての文献検討」 高年初産婦は産後うつ病のリスクが有意に高いことも示唆されていることから、文献検討により、高年初産婦の特徴と産後うつ病の発症を予防する支援のあり方を考察した。その結果、予防のための支援として、高年初産婦をとりまくサポート体制を把握し、個人にあった支援を調整することで、入院中から退院後を見据えた、産後1か月までの切れ目のない支援が重要であることがわかった。さらに、具体的な支援として、早期からの睡眠支援・夫への支援・社会資源の情報提供・2週間後の再評価・母親役割獲得の支援が重要であることが示唆された。   佐藤美沙都・高瀬和・戸田千枝先生     「骨盤ベルトを使用した骨盤支持における支援の文献検討」 妊産褥婦の骨盤ベルトの使用状況から骨盤ベルトの使用方法や効果の周知不足について、文献検討を行った。骨盤ベルトなどによる骨盤輪固定は「妊産褥婦の腰痛軽減や産後の子宮復古など様々な面でよい影響を与え、妊娠から子育てにおいて前向きな経過を辿るとこが分かった。しかし、使用方法が不十分であれば効果は期待できないため医療者が妊産褥婦に対して積極的に関わり、対象の日常生活における個別性を考慮したうえで適切な装着方法の指導が必要であることが明らかになった。   高脇優衣・山下夏美・戸田千枝先生   「青年期の避妊の現状とその心理に対する助産師の性教育の課題」 青年期の望まない妊娠や、人工妊娠中絶、性感染症を減少させるための有効な性教育のあり方について明らかにすることを目的に研究を行った。青年期に対して助産師が行う性教育には、『自身の性行為や避妊に関する意思や責任をもち、性における自己決定能力を高めるための支援』『自分やパートナー、仲間を大切にし、男性と女性の双方が性行為や避妊の意思を共有し尊重できる、集団の良好な関係形成のための支援』『一方的な指導ではなく学生が主体的に性について考えられるための支援』が必要であると考えた。性教育の実施にあたっては、対象の発達段階を踏まえ、発達段階的特徴や精神発達を考慮した内容、方法をとることが重要な意味をもつことが明らかになった。   甲村弥生・塩原紗也夏・中居由美子先生     助産学専攻科 髙瀬 和   【関連リンク】 助産学専攻科 ベビーマッサージとマタニティヨガの特別講演!~助産学専攻科 日本母性看護学会学術集会 参加レポート!~助産学専攻科 児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」

2017.12.22

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.52~「認知症カフェ」でクリスマス会!

こんにちは、健康支援学生チームTASK※、看護医療学科2回の野口美波です。私たちTASKの学生が広陵町にある特別養護老人ホーム大和園で行われた「認知症カフェ」にボランティアとしてお邪魔しました!この認知症カフェは広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」の一環で行われており、大学教員(看護医療学科の山崎先生、寺田先生)も参加しています。   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今回はクリスマス会ということもあり、参加して頂く方々に楽しんでもらいながら、認知症予防を行うという企画でした!まず初めにクリスマスカードを皆さんで作って頂きました。皆さん、最初は苦戦していたものの、だんだんとコツをつかみ、最後にはとてもきれいなクリスマスカードが出来上がっていました!     この次に「シナプソロジー」を行いました。頭を使って考えながら体を動かす活動でした。 机に手を置いて、ゆっくりと立ち上がるスクワット。体幹はそのままで手を上に向けて左右に動かすストレッチなど、たくさん体を動かす体操を行いました。皆さんも、クリスマスカードで細かい作業をしていたため、体操すると気持ちがすっきりしているようでした! そして最後は「クリスマスケーキ作り」をしました!     管理栄養士さんによる清潔指導のもと、皆さん一生懸命ケーキを作っておられました。     みなさん美味しそうにケーキを食べておられました。「こんなに幸せな時が昔は来るとは思わなかった」と戦時中の話や昔の話をしている方々もおられ、とても勉強になりました!また最近の心配事なども話して下さり、このような集まりはただ楽しむだけでなく高齢者の皆さんの気持ちを表出できる貴重な機会であるということも学びました。 次回のKAGUYAプロジェクトの認知症カフェは1月21日(日)、次々回のKAGUYAプロジェクトの認知症カフェは2月18日(日)に開催されます。両日とも開始時刻は13時30分からとなります。(16時まで)皆さんも一緒に参加しませんか? 看護医療学科2回生 野口美波   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。 ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ

2017.12.15

「母性看護学援助論Ⅰ」教員による授業レポート~看護医療学科

『母性看護学援助論Ⅰ』で「妊産褥婦(じょくふ)に対する指導技術演習」を行いました。   看護医療学科3回生の母性看護学実習では、看護師の大きな役割の一つである妊産褥婦への各種指導を行います。しかし、各実習施設の実施状況や日程によっては、学生が実際に経験できる指導項目は限られてくるのが現状です。 そのため、今年度は2回生後期配当の「母性看護学援助論Ⅰ」で、学生自身が妊産褥婦への指導を行う体験をするという新たな取り組みを行いました。   12月14日(木)1・2時限目 学生が指導する看護師と聴講する妊産婦役になって、妊娠初期から後期のⅠ~Ⅳに分けて「母親学級」を開催しました。   母親学級Ⅰ:妊娠初期の妊婦さん向け まずは、同じ時期に同じ施設で出産するお母さんの交流のために、それぞれの自己紹介をしてもらいます。     続いて、妊娠初期の異常をわかりやすく説明していきます。       母親学級Ⅱ:妊娠初期から中期の妊婦さん向け この時期には、妊娠中の食事や運動などを指導します。     やはり、妊娠中には、たばこやお酒をやめることが大切です。   母親学級Ⅲ:妊娠中期から後期の妊婦さん向け 男子学生も妊婦さんの気持ちになって必死に指導します。     妊婦体操を実際に指導しています!       母親学級Ⅳ:妊娠後期の妊婦さん向け いよいよ、お産の経過について、しっかりと説明します。     産痛に苦しむ産婦さんへのマッサージを実演しています。     学生たちはこの指導をするために、妊産褥婦と新生児の正常な経過を再学習し、知識を深めるとともに人に分かりやすく伝える指導案を考えたことで、さらなる学習の必要性に気づき、知識をさらに広く深く掘り下げて学習してくれました。人を指導するという行為はみんな初めてでしたので「照れ」はありましたが、指導するという体験を通して看護師の仕事や役割を再認識してくれたように思います。 皆さん、お疲れさまでした。後半グループの1月の発表が待ち遠しいです。   看護医療学科 母性看護学領域 講師 藤澤弘枝   【関連記事】 看護医療学科「母性看護学援助論Ⅱ」レポート、第2弾! 看護医療学科「母性看護学援助論Ⅱ」レポート! 看護医療学科『母性看護学援助論Ⅰ』~教員による授業レポート 

2017.12.08

第76回日本公衆衛生学会でKAGUYAプロジェクト研究成果を発表!~看護医療学科教員

平成29年10月29日~11月1日、鹿児島県文化ホール(宝山ホール)他にて、第76回日本公衆衛生学会総会が開かれました。   会場となった宝山ホールのすぐ横には西郷さんの像が、そして10分くらい歩くと桜島が見えるというシチュエーションでの学会でした。     KAGUYAプロジェクト※では、2016年3月に行った高齢者ベースライン調査、同年11~12月に行った壮年期(40歳~64歳)ベースライン調査の両方が揃い、分析を始めることとなりました。   ※広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトは、地元広陵町と畿央大学が連携して地域住民の健康を支援しながら「元気のヒケツ」を探る地域密着型研究プロジェクトです。詳細はホームページをご覧ください   今回の発表タイトルは、「地域住民のソーシャル・キャピタルと主観的健康感-KAGUYAプロジェクト」というものでした。このKAGUYAプロジェクトでは、「ソーシャル・キャピタル」(地域のつながり)が重視されていますが、このソーシャル・キャピタルと健康に関する調査は、国内では主に高齢者の方々を中心に調査されてきました。KAGUYAプロジェクトでは、①「高齢群」と「壮年群」を比較することで、何が見えてくるか、②主観的健康感(本当に病気があるかどうかとは別に、健康だと思う気持ち)の要因はどのようなものか、を調べてみました。     高齢群に比べて壮年群では、新興住宅地域に多く住み、教育年数が高く独居者は少ない結果となりました。一方、高齢群は睡眠状態が良かったものの主観的健康感が低く、生活習慣病の罹患、転倒が多いことがわかりました。ソーシャル・キャピタルについては、社会参加、近所付き合いの頻度、近隣への信頼という項目については壮年群より高齢群の方が高かったのですが、互酬性の規範(本プロジェクトでは「情けは人の為ならず」)に同意しているか、また、実践しているかという項目は壮年群の方が高い結果となりました。   これらより、高齢者と壮年期住民とでは違いがよく見えてきました。現役世代は、まだまだ働きに出ていることもあり、ご近所付き合いが密になりにくい環境にあるのかもしれません。しかしながら、互酬性の規範については壮年期の方が高かったのは、ご近所付き合いはまだそこまでできていないけれども、職場を含む日常生活においては「世のため人のため」を実践しており、高齢期になって地域に戻ってきた後に、地域活動等において大いに期待が持てるのではないでしょうか。   主観的健康感については、年齢、性別、居住地域を調整しても社会経済的状況及びソーシャル・キャピタルが主観的健康感に影響する要因であることが示されました。このことから、地域のつながりは、高齢者のみならず壮年期を含めても健康に影響を及ぼすことがわかります。健康の維持増進のためにも、地域とのつながりを保つことが大切であると言えます。   このように、KAGUYAプロジェクトは、地域住民のみなさまが健康で幸せに暮らしていけるよう、これからも研究を続けていきたいと考えています。   ※この事業は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成27 年度~平成31 年度)「ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成」の助成を受けて実施されます。   看護医療学科 准教授 文 鐘聲   ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ KAGUYAプロジェクトに関する記事はコチラから!

2017.12.07

ダイバーシケアに関するセミナー「異文化の理解と異文化におけるコミュニケーションのあり方」を開催!

異文化・多様性を実践的に学ぶ講演とワールドカフェを開催!   平成29年11月25日(土)にダイバーシケア(Diversicare)※1に関するセミナー『異文化の理解と異文化におけるコミュニケーションのあり方』(協力 在大阪オーストラリア総領事館)を開催しました。   ※1ダイバーシケア:1989年にクイーンズランド少数民族コミュニティ協議会(The Ethnic Communities Council of Queensland Ltd [ECCQ] )のコミュニティ・サービス部門として設立され、異なる言語や文化的背景を持つ高齢者や、障害を持つ若い人々とその介護者に対し、文化の多様性に配慮した自宅サービスを提供している組織です。   第1部は、講師にオーストラリアのブリスベンからMs. Jenni Pickrell ( Operation Manger Diversicare )をお迎えし、約140名がダイバーシケアについて講演を聴きました。   ▲公演中のMs. Jenni Pickrell   講演は「Cross Cultural Awareness 」「Cross Cultural Communication 」「Multicultural Service Delivery」、「Culture and End of Life Care」と盛沢山でした。その中から2つご紹介します。 皆さんも、ある指の形が国によって意味が異なることをご存じと思います。例えば「OK」の指。その意味はアメリカでは「Okay」、日本では「お金」、フランスでは「ゼロ」、トルコやブラジルでは「身体の一部」を現わすことを講義されました。また、異文化コミュニケーションへの恐れは、初めての人と会うときに感じるものと同じだと言われました。自分が恥をかくのではないか、相手に恥をかかせるのはないだろかという気持ちです。 では、異文化コミュケーションを円滑に行えるよう心がけることは何でしょうか?まずは「包摂(ほうせつ)」。多様な見方、見識を共有することです。 次にYes-Noで尋ねるのではなく、意見を言ってもらうことです。そして自分が意見を言う時は相手にも意見を求める、常に人を尊重する態度でいることです。これらのことはコミュニケーションを図るときの原則です。異文化であってもコミュニケーションを図る相手は「ひと」、コミュニケーションの原則が活かされます。   ▲多くの方にご参加いただきました。   第2部は、異文化における価値観の違い認識するために「自分が病気になったときして欲しいこと」をテーマについてインド料理(カレー、ナン、餃子)を食べながらのワールドカフェ※2実施しました。   ※2 ワールドカフェ:カフェで行うような自由な会話を通して、活き活きとした意見の交換や、新たな発想の誕生が期待できるという考えに基づいた話し合いの手法。   5つのテーブルにわかれてカフェを実施しました。 ・アジア圏では病気のときはお粥やリンゴジュース、アメリカではチキンスープを食べることが多い ・日本では病気になると病院を受診して回復するが、ケニアではお金がないと何もしてもらえず2日後に死亡した ・フィリピンやベトナムは家で亡くなると死亡診断書は不要 ・死者を家に入れないベトナムでは終末期は自宅に戻り、自宅で亡くなる ・日本は外国人を診察することを嫌がる ・日本の医療機関には通訳がいない など、他国の考え方を知ることができました。   ▲インド料理を食べながらのワールドカフェ   ▲参加者で記念撮影。参加国はアメリカ、ケニア、フィリピン、ベトナム、アルゼンチン、インド、オーストラリア、日本でした。   たくさんのご参加ありがとうございました。   看護医療学科 講師 寺田 美和子 【関連記事】 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2017.12.07

平成29年度「臨地実習指導者研修会」を開催!~看護医療学科

2017年12月2日(土)午後よりP301講義室において、看護医療学科「臨地実習指導者研修会」を行ないました。 この研修会は、看護医療学科の臨地実習指導者および本学教員が学生の看護実践能力の向上に向けて協働し、効果的な実習指導を行うことを目的として、また日頃の学生指導を振り返るとともに相互の交流と親睦を深める機会として年1回開催しており、今回で7回目となります。 当日は12月らしい寒さに包まれつつも陽ざしの穏やかな晴天に恵まれ、各施設から47名もの臨地実習指導者の方々にご参加いただき、本学教員を含めると70名を超え、盛会となりました。   <第1部 講演> 「発達障害の特性とその多様性について 多様性を持ったヒト(学生)を理解する」 畿央大学教育学部現代教育学科 准教授 大久保賢一   第1部は、本学の教育学部現代教育学科の大久保賢一准教授にご講演をいただきました。大久保先生によると「『発達障害の特性』は誰もが皆、多かれ少なかれ持っているもの」とのことで、誰もが持っている多様な人の特性について理解を深めることで、看護や実習に活かすことを趣旨として講演がされました。     講演は、発達障害の定義や法的な位置づけから障害学生の実態、発達障害の特性とそれに伴って経験している困難、発達障害における支援の難しさ、そして支援の方法へと、私たち参加者の頭の整理を促しながら、より具体的、実践的な内容へと講義を進めてくださいました。また、1つ1つ具体例を示して説明してくださいましたので、関わりの難しい学生の状況と照らし合わせながら、理解を深め、彼ら・彼女らが抱えている困難を再認識することができました。 そして、支援に関する基本的な考え方として「スキルトレーニング」「ツールの使用」「環境設定」の3点を挙げ、それぞれについて具体例を挙げて説明してくださいました。テンポ良くわかりやすい先生のお話に引き込まれ、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。 特に印象的なものは「発達障害はスペクトラム(連続体)。この特性は誰もが持っているもので、この特性を一定以上持っていて、適応の障害を抱えている場合に発達障害と診断される」「発達障害そのものは基本的には治らない。それは良い・悪いで判断されるものではなく、その人の特性であり文脈によって長所にも短所にもなる」というお話でした。発達障害を抱える人を新たな視点で理解することができました。 最後に先生は、発達障害学生にとっての実習は「学生として失敗が許容されている中で、体験的に手ごたえを獲得していく機会」と捉え、大きな意義があるという言葉で結んでくださいました。この言葉をいただき、「発達障害(と思われる)学生の実習は大変」とだけで捉えるのではなく、彼ら・彼女らにとっての実習の意義を再考し、その特性に応じた支援をする必要があるのだと再認識させて頂きました。大久保先生のご講義にはその支援へのヒントもたくさんちりばめられていて、さっそく明日からの実習に活かすことができそうです。   <第2部 ワールドカフェ>  第2部では、食堂に場所を移し、ワールド・カフェが開かれました。ワールド・カフェは、会議室で日々繰り返される機能的な会議よりも、カフェで行うようなオープンで自由な会話を通してこそ、活き活きとした意見の交換や新たな発想の誕生が期待できる、という考え方に基づいた話し合いの手法です。本研修会では昨年度にこれを取り入れたところ、好評を博したため、今回もこの方式を採用することにしました。     まず、実習指導者、本学教員をシャッフルし11のグループに分け、最初は自己紹介の後、1部の講演での気づきや理解したことを意見交換しました。その後、グループに1名だけを残し、他のグループに行って、お茶を飲みながら別メンバーと話すというラウンドを2回行った後、最初のグループに戻ってきて、他グループでの意見交換をもとにまとめる、という流れでした。 第2ラウンド以降は、1部の講演に基づいて、発達障害を抱える人の支援に関する3つの基本的な考え方である「気づき(理解)を促す工夫」、「ツールの活用」、「環境設定」のテーマをグループごとに設定し、意見交換を行いました。和気あいあいとした意見交換でしたが、指導者の皆様が「できない学生には一緒に介入する」、「まず、患者の安全を確保した上でやらせてみて、うまくいかなかった理由を一緒に振り返る」など、学生の状況に応じて寄り添い、成功体験ができるように工夫をしてくださっていることをお聞きし、実習に携わる一教員として本当にありがたく思いました。 本来、ワールド・カフェでは、その内容を発表することはないそうなのですが、いくつかのグループに発表してもらうことにしました。その内容は、気づき(理解)を促す工夫として「学生の不安や悩みに気づく指導者の姿勢が重要」「笑顔で学生に接する」、ツールの活用では「人材がツール、モデルとなる人が人材として人を育てていく」、環境設定としては「相手を理解するためには上司からの発信が重要」など、いずれも素晴らしい発表内容でした。     最後に、本学看護医療学科長の河野由美教授による講評があり、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。実施後のアンケートにも、発達障害のことが良く理解でき、学生指導だけでなく新人の指導でも活用できる、他施設の実情も知ることができ、本当によかったなどのお声を多数頂戴しました。   今後も臨床側、大学側が「同じ思い」で進みつつ、学生に還元できるよう努力を重ねていきたいと思います。   看護医療学科 教授 山本裕子・准教授 文鐘聲 【関連記事】 平成28年度「臨地実習指導者研修会」を開催!~看護医療学科 平成27年度 臨地実習指導者研修会を開催しました~看護医療学科 平成26年度 臨地実習指導者研修会を開催しました。(看護医療学科)

2017.12.04

広報「こうりょう」でKAGUYAプロジェクト特集の連載開始!

既にご覧になった方もいらっしゃると思いますが、広報「こうりょう」平成29年12月1日号より、KAGUYAプロジェクト※の特集記事の連載が始まりました。   ※広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトは、地元広陵町と畿央大学が連携して地域住民の健康を支援しながら「元気のヒケツ」を探る地域密着型研究プロジェクトです。詳細はホームページをご覧ください。   ▼画像をクリックすれば拡大できます     研究代表者の文准教授も協力して、よりよい健康づくり・まちづくりにつなげる本プロジェクトの目的や意義が住民の皆様にわかりやすく伝わるようマンガ形式になっています。   第2回からは、平成27年度、28年度に実施したベースライン調査の集計結果を、一部ではありますが、ご報告していきます。他の研究メンバーも順次登場します。   今後もどうぞご期待ください!   ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ KAGUYAプロジェクトに関する記事はコチラから!

2017.11.28

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.51~11月勉強会は高齢者体験!

こんにちは!健康支援学生チームTASK※看護医療学科2回生の増田朱莉です。2017年11月16日(木)に、勉強会として高齢者体験を行いました!   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今回は大学にある高齢者スーツを着用して、高齢者の日常を体験しました。内容としては、折り紙で鶴を折ったり、椅子に座っている状態から立ち上がってみたり、階段の昇り降りを体験しました。     鶴を折るのに時間がかかったり、うまく折れなかったりしたことから、指先を自由に動かせないということが分かりました。また視野が狭く、耳も聞こえにくいため、私たちが普通に過ごしている生活の中にも、高齢者にとって危険なことがあると分かりました。高齢者体験をしてみて、以前より高齢者の気持ちが分かったので、これから高齢者のために私たちができることはないか考えていきたいと思いました。   ▲TASKの「T]! 看護医療学科2回生 増田 朱莉   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2017.11.22

平成29年度在外研究~フィンランドからの現地レポート

本学には教育研究水準の向上および国際交流の進展に資するため、学術の研究・調査等のため外国に在外研究員を派遣する制度があります。平成29年6月1日から平成29年11月30日までの期間、フィンランドのUniversity of Helsinki(ヘルシンキ大学)で看護医療学科の乾富士男准教授が、閉じこもり症候群及びその関連疾患(症状)を明らかにするために、双生児研究法による国際比較により研究を進めています。フィンランドから現地レポートが届きましたので、ご紹介します。     私は6月よりヘルシンキ大学社会科学部社会学科に招へい研究者として滞在しております。   ▼ヘルシンキ大学HPより     社会学と健康科学とどういう関係があるのかと思われる方もあるかもしれませんが、ヨーロッパの大学では医療や健康に関するテーマは社会学の主要テーマの一つです。ヘルシンキ大学はヨーロッパでも最古の大学の一つで、設立は1640年です。現在の場所に移転したのは1828年頃だそうです。街の中心にメインキャンパスがあります。街のシンボルともいえるヘルシンキ大聖堂とその前の元老院広場を取り囲む主要な建物の一つが、ヘルシンキ大学の本館です。その周辺に各学部の建物が点在しています。このことは、大学は街の主要な機能の一つであることを具体的に表していると思います。   私は社会科学部の中でも新しい建物にデスクを提供してもらっています。写真のように窓が大きく角部屋なので非常に明るいです。     こちらでは、学科のセミナー(教員と博士課程の学生対象、こちらのセミナーはディスカッションが中心)に参加しています。社会学にはいろいろな専門分野があるので、内容も多岐にわたっていて大変に興味深いです。 ディスカッションすることで多面的に物事を検討でき、研究にも磨きがかかるものだと改めて感じます。ちなみに、外国人が参加していてもいなくても、使用言語は英語だそうです。   社会科学には社会心理、社会政策、人口統計、社会学、など多岐にわたる分野があります。このセミナーでは健康に関するテーマという点では共通していますが、それぞれ異なったバックグラウンドを持つ専門家が議論するので大変に興味深いです。日本では、健康に関するテーマはどちらかというと医学系が中心ですが、ヨーロッパでは社会科学系での健康の研究も盛んです。今回の滞在を通して、社会科学系の知識を増やす必要性を実感できたことは一つの収穫です。   フィンランドはIT大国で、いろいろな活動がオンラインでできます。携帯電話の通信料も安いですし、WiFiもいたるところでアクセスできます。大学も例外ではなく、ほぼすべての手続き、連絡などがオンライン化されています。学生の試験もオンラインです。好きな時に受けられるようです。   ▼社会学部の建物     さて、生活していて少し感じたことも書いてみたいと思います。6月に来た時に驚いたのは、鳥(ホオジロガン、カナダガン、そして白鳥など)の行動です。     公園などにたくさんいるのですが、人が近づいても逃げません。道の真ん中を我が物顔で群れをなして歩いています。自転車が来ても、犬が来ても逃げません。人が避けて歩かなければいけません。これらの鳥は完全に野生です。誰も餌をあげませんし、鳥も餌をねだりません。この鳥たちは、私と同じように夏の間だけここに滞在しているわけですが、なぜか人を怖がりません。自分たちが危害を加えられないことを知っているのだと思います。ちなみに同じ種類の鳥を他の国でも見ましたが、人が近づくと飛び去りました。写真は白鳥の子どもですが、すぐ近くまで近寄っても逃げません。近くにいる親鳥も知らん顔をしています。このような鳥たちがいることが、この街の様子をよく表していると思います。この街の人たちは、多様性に対して非常に寛容で、他人にあまり干渉しません。それでいて、とても親切です。成熟した大人の都市だと感じています。   最後にここで行っている研究の話をしたいと思います。こちらでは、滞在期間も短いので、既存のデータの解析を中心に、新しいプロジェクトのアイデアを具体化する作業をしています。双生児研究に関して、フィンランドは世界の最先端を行く国の一つです。なので、こちらの研究者とのディスカッションは示唆に富んでいて大変有益です。   最新の研究成果を少し紹介します。日本の双生児の方たちに協力いただいて集めているデータを解析し、性格(自己効力感)と身体症状(疲労感)との遺伝相関を明らかにしました。また、うつ症状も加えて解析したところ、異なる2つの遺伝要因がそれぞれの形質に影響を与えていることが分かりました。このことは、私の主要な研究テーマである、「病は気から」のメカニズムの解明のための一つの手がかりだと考えています。この結果は、11月にマドリッドで行われた国際双生児研究学会で発表し、現在論文にまとめているところです。今後は、このような日本での研究成果をフィンランドなどの他国と比較することにより、病気や症状に関係する遺伝の影響だけでなく環境の影響を明確に解明していければと考えています。   ▼学会でのハンガリーのチームと大阪大学のチームの記念写真(一番左が乾准教授)     最後の写真は、10月末頃のヘルシンキの様子です。少し前までこの芝生の広場はホオジロガンであふれていましたが、どこかに旅立ってしまいました。今はすっかり雪に覆われています(ちなみにこの時期の雪は“普通ではない”そうです。念のため)。私もそろそろと帰国の準備を始めなければいけない時期のようです。       看護医療学科 准教授 乾富士男   【関連記事】 平成29年度 在外研究説明会を開催しました。 平成29年度在外研究~メルボルンからの現地レポート

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