SNS
資料
請求
問合せ

ニュース&トピックス

2015.08.25

現代教育研究所主催「学びを結ぶワークショップⅢ」を開催しました。

畿央大学現代教育研究所では、学校現場における教育力向上の一助となることをねらいにして2年前より夏にワークショップを開催してまいりました。3回目となる今年は、2015年8月7日(金)に開催いたしました。

 

ワークショップ1:社会科教育「子供が『なぜ?』を探求する社会科の授業づくり」
ワークショップ2:養護実践「発達障害のある子供の身体生から支援のあり方を探る」
ワークショップ3:特別支援教育「子供たちの多様性に応える『特別でない』支援教育について考える」

 

現職の先生方86人がそれぞれ希望に応じて選ばれたワークショップで、ホスト役の本学教員の話題提供や提案に積極的に参加いただきました。参加者の中には本学を卒業し、教職についている卒業生もおり、中堅やベテランの先生方の熱意に触れながら活動させていただきました。

 

ワークショップ1:社会科教育「子供が『なぜ?』を探求する社会科の授業づくり」

【担当:教育学部現代教育学科 小谷恵津子講師】

初めに社会科における問題解決型の学習指導の重要性や授業づくりのポイントの提案を行ないました。小学校中学年、高学年、中学校に分れ、使用する教科書や資料集などをもとに選んだ単元で、学習のねらいとなる「社会のしくみ」(因果関係)とその探究のための『なぜ』の問いの設定を行いました。そして、『なぜ』の問いの発見や、子どもから出されると想定される予想を検証するために必要な資料を、コンピュータ室での資料検索も行いながら選定しました。ワークショップの最後には、『なぜ』の問いの探究を柱にした問題解決型の授業プランを、グループごとに発表し合いました。

cats1

 

 

ワークショップ2:養護実践「発達障害のある子供の身体生から支援のあり方を探る」

【担当:教育学部現代教育学科 岡本啓子教授・古川恵美准教授】

「発達障害のある、あるいは、あるかもしれない子供の『どこ』を『なに』を見るか、家族から子供のことを聞くとき『どこ』を『なに』を知りたいか」という問いかけから始め、保護者の子供の捉え方の具体的な事例の解釈を参加者全員で行いました。養護教諭としての経験から様々な解釈ができるが、子供が『なぜ』『そう』を“体”で示しているのかという解釈に絞り込めるよう準備したワークシートを活用し、記述しながら交流を行いました。決して正解があるものではありませんが、交流により参加者の解釈の幅が広がることに繋がることを期待しました。

cats2

 

 

 

ワークショップ3:特別支援教育「子供たちの多様性に応える『特別でない』支援教育について考える」

【担当:教育学部現代教育学科 大久保賢一准教授】

発達障害特性に関連する「注意機能」や「他者意識の推論」に関わる実験のデモンストレーションを行い、条件によっては皆が困難性を抱えうるということを共有しました。また、そのような困難性を前提として「効果的に子供たちに伝えること」「効果的に子供たちを褒めること」をテーマとした演習を行い、参加者間で様々なアイデアを交換しました。最後にそれらのかかわり方のエッセンスは、「特別支援教育」の枠に限定されない「ユニバーサルデザイン」に繋がるというまとめを行いました。

cats3

 

 

熱が入った午前中のプログラムの影響で若干遅れて始まった昼食交流会では、教育学部長 前平泰志教授よりのご挨拶で当ワークショップのテーマ「学びを結ぶ」の設定の意図「大学教員とご参加頂く現職教員の皆様がワークショップで育む学びで結ばれること、それがひいては、教育現場で学ぶ子供たち、子供を育てておられる保護者の皆様の未来とが結ばれること」の説明をさせていただきました。

cats4

 

会食の場では,午前中のワークショップの成果を話し合われたり、日頃の業務にかかわる疑問点を大学教員に相談されたりするなど活発な交流が行われました。
交流会の締めくくりでは、現代研究所所長 西尾正寛教授よりご挨拶と参加頂いたお礼を申し上げ、午後からのプログラムに進みました。

 

ワークショップ終了後のアンケート(参加者の皆様の声)を抜粋して紹介させていただきます。
・ 一方的な授業ではなく、「なぜ」を大切にして、児童の興味を高め、学習してくことの大切さを改めて感じました。今日、学んだことをできるだけ2学期に生かしていきたいと思います。
・ たくさんの先生方の事例や普段生徒と接する中で身体性に着目ということをしたことがなかったのですごく興味深かったです。
・ クラスの子供たちと向き合う上で、私の指導法、子供の見方を改革していかなければならないと思うことが多くなりました。授業の中にユニバーサルデザインを取り入れるべく(授業だけでなく、子供に対しても)がんばりたいと思います。
・ 比較的、時間にゆとりのある夏期に、スキルを身に付けることができる、他の学校、専門の先生方の意見が聞けるよい機会をつくっていただき、また参加したいと思いました。

 

すべてのプログラムが終了した後も、ホストを務めた教員に質問や相談をされている参加者の姿があり、今回のワークショップの成果を感じることができました。

 

畿央大学現代教育研究所では、今後もワークショップを継続していきます。現職教員の皆様の充実した研修の場を提供できるよう努力いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

【関連記事】

「学びを結ぶワークショップⅠ」開催報告

「学びを結ぶワークショップⅡ」開催報告

この記事をシェアする