健康科学部 2025年度版
更新日:2025/04/05
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
459000
専門科目
公衆栄養学
3回生 前期
授業コード 科目名 単位
459001
公衆栄養学Ⅱ
2
代表担当者名
野原 潤子
科目内容
〔授業の到達目標〕
①地域や職域等の栄養・健康状態の把握・評価方法(栄養アセスメント)を理解し実施できる。
②疫学の手法やデータを活用して栄養・健康状態の課題とその要因の関係を検証できる。
③行政栄養士の役割と業務を理解し社会資源を活用しながら、地域特性や集団特性に応じた保健・医療・福祉・介護システムの健康・栄養関連サービスに関する公衆栄養プログラムの計画・実施・評価・改善ができる。
④食事調査方法について理解し、地域住民を対象にして食事調査を実施し、評価する技術を修得する。

〔授業科目内容の概要〕
公衆栄養学Ⅱと公衆栄養学実習を連動させて、「地域住民の栄養・健康状態をアセスメントし、抽出された課題に対する公衆栄養プログラムの計画・実施・評価・改善をおこなうまでの公衆栄養マネジメントに必要な理論と方法」を修得する。本授業では、地域住民の栄養・健康状態のアセスメント方法、健康増進計画・食育推進計画の策定・実施・評価、健康・栄養教育等の公衆栄養プログラムの展開方法について学修する。さらに、栄養状態のアセスメントに必要な技術として、公衆栄養分野で利用される食事調査方法と集団評価、データ解析について、実施の理論と方法を学修する。

〔授業計画〕
第1回 栄養疫学:栄養疫学の概要
第2回 公衆栄養アセスメント:地域観察・質問調査・既存資料の活用と方法
第3回 栄養疫学:食事摂取量の測定方法(食事記録法、24時間食事思い出し法、食物摂取頻度調査法、陰膳法、生体指標)
第4回 栄養疫学:食事調査の概要、曝露情報としての食事摂取量、秤量食事記録法のポイント
(事後学習・レポート課題:平日1日間の自分の食事を記録すること)
第5回 公衆栄養マネジメント:公衆栄養プログラムの目標設定
第6回 公衆栄養マネジメント:公衆栄養プログラムの計画、実施
第7回 公衆栄養マネジメント:公衆栄養プログラムの評価
第8回 公衆栄養マネジメント:公衆栄養プログラムの作成方法
(事後学習・レポート課題:公衆栄養プログラムの作成)
第9回 栄養疫学:食事摂取量の把握方法(成分表、ベーシックデータの活用、重量換算,秤量食事記録の面接確認演習)
(事後学習・レポート課題:対象者の食事記録を聞き取り確認したものをコード化し、栄養計算すること)
第10回 公衆栄養プログラムの展開:地域特性に対応したプログラムの展開(健康づくり、食育、在宅・介護支援)
第11回 公衆栄養プログラムの展開:地域集団の特性別プログラムの展開(ライフステージ別、ハイリスクアプローチ、災害時栄養・食生活支援)
第12回 栄養疫学:食事摂取量の評価方法(データ解析・基礎統計量)
第13回 栄養疫学・公衆栄養アセスメント:食事摂取基準による個人と集団の栄養状態評価(集団)、エネルギー補正の方法
第14回 栄養疫学・公衆栄養アセスメント:食事摂取基準による集団の栄養状態評価(集団)演習
第15回 栄養疫学・公衆栄養アセスメント:T検定等を用いた独立した2群、対応した2群による栄養状態評価演習
(事後学習・レポート課題:クラスの栄養状態を比較、評価し、課題を抽出すること)
第16回 定期試験

〔授業外学習の指示〕
各回の授業でどのようなことを学ぶのか、使用教材や他の情報媒体を参考に確認しておいて下さい。また、興味をもった内容は、参考図書なども活用して学習を深めて下さい。

〔使用教材〕
公衆栄養学実習ワークブック[第3版]、今枝奈保美編著、株式会社みらい、ISBN 978-4-86015-640-4
基礎から身につく 公衆栄養学、逸見幾代編著、同文書院、ISBN 978-4-8103-1525-7
調理のためのベーシックデータ第6版、松本仲子監修、女子栄養大学出版部、ISBN 978-4-7895-0325-9
日本人の食事摂取基準(2025年版)、佐々木敏監修、第一出版、ISBN 978-4-8041-1492-7
日本食品成分表2025[八訂]、医歯薬出版編、医歯薬出版、ISBN 978-4-263-70149-2(八訂であれば最新でなくても可能)

〔参考図書〕
統計情報処理入門、緒方裕光編著、建帛社、ISBN 978-4-7679-4640-5
食事調査マニュアル はじめの一歩から実践・応用まで 改訂4版、日本栄養改善学会監修、南山堂、ISBN 978-4-525-63334-9
食べもの重量早わかり、篠崎奈々、村上健太郎、女子栄養大学出版部、ISBN 978-4-7895-0232-0
佐々木敏の栄養データはこう読む第2版、佐々木敏、女子栄養大学出版部、ISBN 978-4-7895-5459-6
佐々木敏のデータ栄養学のすすめ、佐々木敏、女子栄養大学出版部、ISBN 978-4-7895-5449-7
行動栄養学とはなにか?、佐々木敏、女子栄養大学出版部、ISBN 978-4-7895-5464ー0
基礎から学ぶ栄養学研究、村上健太郎、建帛社、ISBN 978-4-7679-6217-7
カラ-完全版日本食材百科事典、講談社編、講談社、ISBN 978-4-0625-6347-5
わかりやすいEBNと栄養疫学、佐々木敏、同文書院、ISBN 978-4-8103-1316-1
国民衛生の動向 2024/2025、厚生労働統計協会、厚生労働統計協会、ISBN なし
<新刊>国民健康・栄養の現状―令和5年厚生労働省国民健康・栄養調査報告より―、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所監修、第一出版、ISBN 不明


〔成績評価の方法・基準〕
定期試験(50%)、レポート(50%)

〔学生へのメッセージ〕
公衆栄養に従事する管理栄養士が必要な知識・技術、また公衆栄養が世の中に果たす役割について、当科目を通して理解を深め、実践できるようにして下さい。

〔教員の実務経験〕
行政管理栄養士として業務に従事していた時の経験を活かし、現場での実体験も示しながら、公衆衛生現場で求められている公衆栄養の概念や理論、具体的な方法について学生に教示している。
履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕PUN1233

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(4)食や栄養に関する高度な専門知識・技能を修得している。(知をみがく/知識・理解)
(6)修得した知識、研究・調査能力を用い、生涯にわたって自ら学び続けることができる。(美をつくる/態度・志向性、総合的な学習経験と創造的思考力)
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