健康科学部 2025年度版
更新日:2025/04/05
科目コード 科目区分 科目分類 配当回生
473900
専門科目
専門分野
2回生 前期
授業コード 科目名 単位
473901
老年看護学対象論
2
代表担当者名
室谷 牧子
科目内容
〔授業の到達目標〕
①急速に進展する超高齢社会の背景と高齢者を取り巻く社会情勢・保健医療福祉システムの現状から高齢者の健康課題を捉え、老年看護支援のあり方を考え、記述できる。
②老年期を生きる人々と家族の身体的・心理的・社会的な特徴および老年期の健康概念と発達課題を理解し、記述できる。
③老年看護の基盤となる理論・概念を活用して老年看護支援のあり方を考え、記述できる。
④高齢者を包括的に捉えるためのアセスメント手法を理解し演習で活用するこができる。
⑤高齢者の意思決定支援を含めた倫理的課題と権利擁護についてディスカッションし、高齢者の尊厳と権利擁護のための看護支援のあり方を考察できる。
⑥高齢者が住み慣れた地域で望む暮らしを継続するための地域包括ケアシステムを理解するとともに、地域共生社会を実現するために住民の主体性を引き出し支援する専門職と社会資源の役割、連携・協働のあり方について理解し、記述できる。
⑦高齢者のエンド・オブ・ライフケアを含め、well-beingを支援する老年看護の役割を考察し、記述することができる。

〔授業科目内容の概要〕
超高齢社会の現状を理解し、今の時代を生きる高齢者の発達課題と健康課題について、身体的・心理的・社会的な側面から高齢者を包括的に理解し、高齢者とその家族の生活を支援する老年看護の役割を考察する。授業は、講義中心となるが、高齢者疑似体験の演習、グループディスカッションやKJ法を取り入れたアクティブ・ラーニングにより学生1人1人が主体的に考察出来るよう教示する。また、学生の身近な高齢者へのインタビューや教員の掌握している身近な事例、動画を通して、高齢者の生活や価値観、健康観の多様性を理解し、ヘルスプロモーションの視点から老年看護のあり方を考察する。

〔授業計画〕
1. ガイダンス、超高齢社会の背景と高齢者を取り巻く社会情勢を理解し、高齢者のニーズを考える 室谷
2. 老年期の健康概念と発達課題及び高齢者の家族の理解 室谷
3. 高齢者看護の対象の理解①高齢者の社会的な特徴 島岡
4. 老年看護の基盤となる理論と活用 島岡
5. 高齢者を評価するためのアセスメントツール 室谷
6. 高齢者看護における倫理的課題と権利擁護 室谷
7. ライフストーリーインタビュー体験を等しての学びの発表、小テスト 島岡
8. 高齢者の健康に関わる保健医療福祉システムの現状 室谷
9. 地域包括ケアシステムと地域アセスメント① 室谷
10. 高齢者看護の対象の理解②身体的・心理的特徴 伊藤
11. 多職種の役割と連携の実際の理解 伊藤
12. 高齢者看護の対象の理解 ③高齢者疑似体験(半数の学生) 伊藤、島岡
地域包括ケアシステムと地域アセスメント②(半数の学生) 室谷
13. 高齢者看護の対象の理解 ③高齢者疑似体験(12回と入れ替え、半数の学生) 伊藤、島岡
地域包括ケアシステムと地域アセスメント②(12回と入れ替え半数の学生) 室谷
14. 高齢者のエンド・オブ・ライフケア、尊厳を支える看取り 室谷
15. 定期試験
16. 高齢者のwell beingを考える 室谷


〔授業外学習の指示〕
指示した事前学習や課題に取り組むことはもちろん、テキスト、参考資料を活用して主体的に学修をすすめる。高齢者へのインタビューでは、身近な高齢者へ対面でインタビューし、学びのプレゼンテーションを作成する。高齢者や家族等人物以外に地域環境のアセスメントを実施するため、インターネットで様々な資料を検索し、図表やプレゼンテーションを作成する。社会情勢に関心をもち、文献や図書、新聞等から幅広く情報を収集して自身の看護観を深めるための学修を継続してください。


〔使用教材〕
1)正木治恵・真田弘美編「老年看護学概論 老いを生きるを支えることとは」改訂第4版、南江堂 ISBN: 978-4-524-23378-6
2)真田弘美・正木治恵編「老年看護学技術 最後までその人らしく生きることを支援する」改訂第4版、南江堂 ISBN: 978-4-524-23317-5
3)山田律子・井出訓編 「生活機能からみた老年看護過程+病態・生活機能関連図」第4版、 医学書院 ISBN:978-4-260-04274-1
4)亀井智子編「根拠と事故防止からみた老年看護技術」 第3版、医学書院. ISBN:978-4-260-04326-7
5)その他、プリントを配布する。


〔参考図書〕
1)水谷信子他監修「最新老年看護学」第4版、2024年版、日本看護協会出版会
2)堀内 ふき、諏訪 さゆり、山本恵子編「ナーシンググラフィカ 老年看護学(1):高齢者の健康と障害」第7版 メディカ出版 ISBN:ISBN 978-4-8404-7840-3
3)内閣府 「令和6年版高齢社会白書」 ISBN : ‎ 978-4865794298
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/index.html
4)授業中に適宜紹介する。


〔成績評価の方法・基準〕
日々の取り組み状況、授業・演習中の質問や応答、グループワークへの参加状況(27%)、レポート(18%)、テスト(55%)で総合的に評価する。 評価基準は事前に提示し、評価シートにより自己評価を実施する。テスト後に解説時間を設けフィードバックを実施する。
なお、私語や授業に無関係の作業の実施、無断欠席、無断退室など受講上望ましくない行為はマイナス評価となる。

〔学生へのメッセージ〕
老年看護の主な対象である「高齢者」だけに焦点を当てるのではなく、対象者のライフサイクルや社会生活の中で、自分事として高齢者とのつながりや、高齢者の生活背景や価値観、その人の人生を考えることから高齢者の思いや尊厳に配慮した看護を探求することを期待します。演習は、事前課題の取り組みを必須とし、主体的・積極的に授業に参加してください。特にグループワークではメンバーの考えを共有し、新たな気づきから学びを深めましょう。わからないこと、質問等は先送りせず、その時々に教員に寄せて解決してください。一緒に頑張りましょう。

〔教員の実務経験〕
看護師、保健師、介護支援専門員として、診療所、訪問看護、保健所、保健センター、地域包括支援センターで勤務し、高齢者とその家族の多様な健康課題に向き合い、地域関係機関や多職種と連携を図り、社会資源を創設しながら地域社会全体に関わる支援を展開してきた。現在も地域活動を展開しており、実習体験を含め、リアルな現場の状況を教育に反映すべく努力している(室谷)。


履修に関して留意すること
〔科目分類番号〕GPN1432

〔関連するディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)〕
(1)医療従事者として、人間の尊厳や生命への畏敬について理解し、人の痛みや健康への願いを汲み取ることができる感性を持っている。(徳をのばす/態度・志向性)
(4)看護医療分野に関する高い専門性と臨地に役立つ実践力を修得している。(知をみがく/知識・理解)
(8)看護医療に携わる者として、あらゆる生活の場で生じる利用者のニーズを正しく理解し、責任を持って問題を解決していくことができる。(美をつくる/総合的な学習経験と創造的思考力)
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